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オンラインセミナー外部委託の失敗パターン3つと、失敗を防ぐ20の質問

新型コロナ感染拡大で対面の営業やセミナーが制限され、オンラインで新たな営業機会を作ろうとする会社が増えました。実際、日々多くのオンラインセミナーを目にします。

他社がやっているから自社でもやるようにと、経営陣や上司から落ちてきたものの、何からどう手をつければいいか見当がつかない、という声もよく聞きます。

下手に予算があると、とりあえず検索して目についた会社の提案に乗りがちですが、戦略が不明確だとお金と工数をかけてアウトソースしても効果は出ません。

そこで、顧客獲得を目的としたオンラインセミナー初心者が陥る代表的な失敗3パターンを、原因・対策と共にご紹介します。

ご紹介:自著『オンライン・セミナーのうまいやり方』
企画や運営の方法論について、詳しく分かりやすく書いております。

1)集客や発信だけを保証する会社に頼む

・数万件のリストに案内する
・大量の広告を出す
・登録者が多数いるサイトで記事を出す
・著名な登壇者をアレンジしてくれる

などの方法で「集客保証」を謳い、実際多く集めてくれる会社があります。

しかし、数百人が申し込んだものの、1件の受注にもつながらなかった、という話もあります。

そうなる原因とメカニズムは以下のようなものです。

1)セミナーには人が来ないと格好がつかないと、理由もなくたくさんの人を呼ぼうと考えている

2)たくさんの人が来れば一定割合でコンバージョンすると考えている

3)たくさんの人が関心を持つような、汎用的な流行りのテーマや、一般的な人気の高い著名人を登壇者を選ぶ

4)多くの人の目に触れるため、リストへのメール、メディアやインフルエンサーの活用、広告に資金を投入する

5)結果、頭数だけはたくさん来るものの、自社のターゲット以外の層が混じる

6)本来のターゲットにとっても、自分の課題にフォーカスした内容ではないため、その先の商談に進む動機が弱く、コンバージョンにつながらない

メディア系の会社を使うと起こりがちなパターンです。

2)クリエイティブをカッコよくするだけの会社や配信を高度にするだけの会社に頼む

・キレイなランディング・ページなどのクリエイティブを作ってくれる
・人の目を引くティザー動画やサムネイルを制作してくれる
・プレゼン資料も見栄えよくデザインしてくれる
・プロ用カメラやスイッチャーを使って映像を合成して配信してくれる

など、クリエイティブや高度な配信を請け負ってくれる会社もあります。

しかし「格好いい」という印象は残るものの、何のメッセージも伝わらず、何のアクションにもつながらないという結果に陥りがちです。100万円近い委託費を払いながら20人も集まらなかった、という話もあります。

そうなる原因とメカニズムは以下のようなものです。

1)どんなターゲットに何をどう伝え、どうコンバージョンさせるか定まっていない

2)見栄えが良ければコンバージョンにつながると、根拠もなく思っている

3)相手に何を伝えるかがないまま、クリエイティブや見栄えばかりに凝る

しかし、内容が参加者の知りたいものではなかったり、伝え方が稚拙であれば、お洒落な見栄えのものを作っても、格好良いなとは思ってもらえるかもしれませんが、これだ!と自社商材に手を伸ばしてくれることにはならないでしょう。

クリエイティブ系や配信支援系の会社を使うとよく陥るパターンです。

3)運営をアウトソースするだけの会社に頼む

数多くのオンライン・セミナーを支援しており、マニュアル類が整備され、運営に慣れているスタッフを手配してくれる類の会社があります。

しかし、いかにセミナー単体の運営を効率よく行っても、本来の目的である顧客獲得ができなければ意味がありません。

運営や作業のアウトソースをする会社にありがちなことです。

失敗の原因:発注側の要件が不明確

上記いずれのパターンも、必ずしもそれらの会社が悪いわけではありません。

どんな人を呼びたいかを伝えなければ、単に予算の許す限り多くの人に見境なくセミナー情報を届けるだけでしょう。

誰に何を伝えたいかを伝えなければ、クリエイターが自分でいいと思う、万人受けするものを作るしかないでしょう。

オペレーションのみを請負う会社は企画にまで立ち入ることはできません。

どのようなターゲットにどんなコンテンツをどう届けるか、セミナー後にどんなアクションにつなげてコンバージョンさせるか、そのためにどんな仕掛けをするか、発注側が要件を明確にできなければ、受託側は単に自分たちの提供可能なサービスを実施するしかありません。

逆に、それらが明確なら、どんな会社にどんな専門性を補完してもらうのかが明確になります。リーチが足りないのか、クリエイターが足りないのか、配信の設備やオペレーターが足りないのか、運営の人でが足りないのかによって、どの会社に何を頼むのかが自ずと決まるでしょう。

「オンラインセミナーの課題調査」結果分析

当方が実施し、2020年10月31日に公開された「オンラインセミナーの課題調査」で、セミナーの実施目的が達成できない原因を分析したところ、以下のような結果が出ました。

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ここから以下のような考察をしました。

1)全体的に「ターゲット理解」に関する課題感が最も高い。ただし、1年間の実施回数が5回以下の層に比べ、6回以上になるとその割合は下がる。

2)実施回数5回以下の層は、コンテンツの質や差別化、リソースやツールの確保など、立ち上げそのものに苦慮している。

3)実施回数6回以上の層は、集客施策の運用に半数が課題を感じている他、企画やスタッフ育成・KPI設定など、安定的に成果を上げる仕組みづくりに課題が移る。

これは、ターゲットを適切に理解することと、それに対して安定的な成果を出すための仕組みづくりが、経験を重ねるほど課題となることを裏付けるものと言えます。

要件を明確にする20の質問

私がオンライン約100件含む400件のセミナーを企画してきた中で、クライアントに確認し自らも自問自答してきた、要件を明確にする問いが下記4カテゴリ20の質問です。

これらを自問自答し、仮説検証段階から常に意識しておくと、成果の上がるセミナーを効率的に企画・実施できるようになります。よろしければご活用ください。

A. 目的とターゲットを確認する質問(4)
B. コンテンツを明確にする質問(4)
C. ターゲット価値を明確にする質問(4)
D. ターゲットと非ターゲットを分ける質問(4)
E. 費用対効果を明確にする質問(4)

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