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若手はおじさん達の脳の老化を考えてコミュニケーションをとらなければならない

話を聴かないおじさん達が多い件

この5年ほど、若手向けにビジネスコミュニケーション研修を実施していると

「うちの部長や課長にこの研修を受けてほしい。全く話を聴いてない。」

という話が多く出る。
おじさん達(お姉さん達も含む)はなぜ話を聴かないと言われてしまっているのか、これにはおじさん達ならではの特徴があるようである。

40代から脳が委縮しているという事実

精神科医である和田秀樹さんは著書「感情の老化を防ぐ本」
(朝日新聞出版)

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の中で以下の様に述べている。

「昔にくらべ、なにかに感動しなくなった」とか、嫌なことがあると、ずっと引きずってしまうとか。あるいは、アイデアが湧かなくなったり、「頑固になったな」と感じることがあったり。もし多少なりともそんな自覚症状があるのなら、感情が老化しはじめているからかもしれない。

この「感情の老化」は前頭葉の萎縮によって起こっており、退屈でマンネリな生活を続けているとどんどん進行してしまうそうだ
(前述の著書によると、経営者など、日々頭をフル回転させている様な方にはこの現象は起こりにくいそうだ)。

更に、前頭葉の萎縮は頑固、自己中とも結びついてくる。

早ければ40歳を過ぎた頃から頭蓋骨と脳のあいだにちょっとずつ隙間ができはじめ、その隙間は年をとればとるほど大きくなっていくものなのです。
前頭葉の萎縮が肉眼で確認できるほど進むと、30代までのその人とくらべて、意欲とか創造性といった能力が明らかに乏しくなってきます。
そして50代や60代に入り、さらに本格的に前頭葉機能が落ちてくると、今度は感情を抑制する力も衰えてきますから、人によっては些細なことでカッとなって部下や家族を罵倒してしまうことが増えるでしょう。
出典:講談社BOOK倶楽部

自分が全て正しい、自分以外が間違っている、頑固なおじさん達は脳が退化している為に、人の話が聴けなくなってしまっている等の症状が出るのだ。

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話を聴かないおじさん達に話を聴いてもらう方法

そんなおじさん達が自分の上司であった場合は悲劇である。
しかしながら、悲観していても仕方が無いので、何とか話を聴いてもらう方法を3つ紹介したいと思う。

1:まずはおじさん達の話を聴く
ありきたりなコミュニケーション本と同じことを書かせて頂くが、脳が委縮しているおじさん達は基本的にウザがられている。
従って進んで話を聴いてくれる人等はおらず、本人もその理由が分かっていない。なにせ、自分が一番正しいと思って止まない方々である。

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そんな方々の話を一生懸命聴く(ふりでも構わない)ことで、一定の信頼を勝ち取る事ができる。聴く→聴く→褒める→聴く→褒める→聴く→聴く…

2:1つだけいいですか?15秒で説明終わります
しかし、話の切り方(自分の話の切り出し方)には注意が必要である。
ボーっと聴いているとおじさん達は自分の話だけして満足していなくなっていってしまう。
「あー、すみません、1つだけいいですか?15秒で説明終わります。」
と1つだけの枠を作って、15秒だけ我慢して聴いてくれと示す事で
なんとか聴いてもらえるだろう。
因みに15秒の時間を勝ち取る為には、5分は話を聴く事を覚悟しなければならない。

3:論理ではなく感情に気を付ける
おじさん達には機嫌が良い時と悪い時のコントロールはできない。
機嫌が悪い時には世の中全てが悪く見えている可能性がある。
そんな時にどんな素晴らしい話を持って行ってもダメだ。
日を改めるしかない。

逆に機嫌の良い時にはいくつか話を持って行っても良いだろう。
あなたの意見が正しいか否かは問題ではない、おじさん達が気に入るか否かが重要である。

若手はおじさん達に期待してはいけない

結論から言うとおじさん達が仕事で助けてくれるとか、教えてくれるとかは期待しない方が良い。

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そうしてくれたら儲けものくらいで捉えておかないと身が持たないだろう。これまで数十社の中小企業の支援をしてきたが、よく出来た上司はほぼ存在しない(例外は何ケースかあったが)。

おじさん達はプレイヤーをやる中で
「少しだけ他の人より出来て、辞めなかった人」が管理職になっているケースが多い様に感じる。

その為、自分が管理職であるという自覚もスキルも持ち合わせていない方が多い。従って、若手は自分で考え、自分で調べ、自分で動き、結果から自分で学ぶ、これを基本としない事には潰されてしまう。

補足:脳が健全なデキるおじさん達と仕事をする為には

ワークライフバランス等と言っていてはとても無理だ。
まず、出来るおじさん達は出来る人としか仕事をしたくないと思っている。
デキるおじさん達が一目置く人はそれなりに結果を残している方々である(ソフトバンクの孫さんと仕事をする為には、それなりの結果が必要だという事だ)。
若いうちに結果を残す為には、人と同じことをそこそこでやっていてはまず無理である(この4月から中小企業でも残業規制が本格化する事も逆風である)。となると、良い上司に巡り合う為には、、、もう分かるだろう。


カトキチ@組織・人材開発コンサルタント


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