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【若手社員が勝手に"イケてる企業のC.I.を切る"!~リライト編~】◆「第5回:株式会社 アースホールディングス」

今日は 若手社員の私が、イケてる企業のC.I.を紹介します。
佐賀県に日本初の方法で食品物流に特化し、大きく成長した会社があります。

第5回は、創業・戦前の昭和16年(1941年)で、戦後の昭和26年(1951年)に、三瀬陸運(株)(運送会社)として設立された「株式会社 トワード」です。
*2012年 現在の社名に変更

トワード_イメージ

4代目社長である「友田 健治氏」が率いるトワードは、「食品低温物流」に特化したワンストップの物流コンサルティングのほか、ビッグデータ社会に対応した「情報システム」の開発を行っている今後、益々成長が期待される会社です。
*情報システム開発:交通事故の削減・燃費向上によるCO2削減を目的とした、安全運転推進システム「Eco-SAM」を様々な企業に提供しています。

売上高は、約76億円 社員数 258名と可能性を秘めた会社です。
事業としては、大きく3つされています。
◆1.輸配送事業(5割/ロイヤルホスト・竹乃屋など)
◆2.物流センター事業(3割/神崎・福岡・厚木)
◆3.情報システム・R&R(リサイクル)事業(2割)

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そんな歴史ある企業ですが、 創業時は全く上手く行かず、現社長の「友田社長」も元々 社長になる気も全く無かったそうです。
何故なら、創業当時 輸送の傍ら材木商を営んでいましたが、その材木商が足を引っ張り、会社は決して順風でなく、当時の社長である父親が、毎月 資金繰りで苦労する姿を見て育ったからです。
しかし、男3人の長男として生まれた友田社長は、結局 その運命から逃げることはできませんでした。大学受験に失敗し、親類宅で下宿しながら浪人生活を送っていた友田社長のところに突然、父親が現れ「大学を諦めて、うちで運転手をしてくれ。そうしないと、倒産して 一家離散することになる」と言われたそうです。そう懇願する父親の姿に、長男としての責任と自身の置かれた状況を理解した友田社長は、一晩 考えた上で 大学を諦め、18歳で同社への入社しました。
これが 友田社長が、この会社に入り 後に 社長になるきっかけでした。

因みに、入社当初は「年商 1,000万円」に対して「借金 3,000万円」もあり、倒産ギリギリの状態でした。その為 友田社長は、働けど働けど給料は貰えず、たまに小遣い程度を貰えるのがやっとで、生活するのもギリギリだったそうです。
生きる為に 必死にならざる負えない、この環境が今の社長を形成したんだと思います。

実は 私は以前、トワードがある佐賀県神埼郡吉野ヶ里に隣接する福岡県大川市で働いていました。そのため、よくトワードさんの大きな倉庫の横の道を通っており、毎度「何の会社だろう?」と思っていたことを覚えています。まさか こんなにも素晴らしい会社だったと知って驚きました!

それでは、そんな「トワード」の「イケてるC.I.」の一部を紹介します。

【経営理念】
トワードは、時代に求められる価値あるサービスを行い、安定的成長をすることにより、社会に貢献します。
【次世代育成支援行動計画】
当社では、「男女従業員の仕事と生活の調和を応援すること」を使命の一つとし、全従業員を安心して仕事に取り組み、その能力を十分に発揮できる職場環境の整備に取り組む。

◆ここで自分なりに「トワード 」を一言で表現すると…
●全国の企業の商品を、データや情報を駆使し、より効率の良い保管・管理・輸送までの一連の流れをワンストップで提供している企業です。
*顧客は主に外食店で「多温度帯同時物流」により他社との差別化を図る。
*物流拠点は「神崎(佐賀)」「北九州(福岡)」「厚木(神奈川)」に設置。

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【若手なりの存続&成長の理由分析】

まず C.I.の完成度と、理論武装による「理念」の浸透施策が、繋がっていて素晴らしいと思いました。
中小企業 特に「物流業界」では、かなり珍しいです。やはり成長している企業の「WEBサイト」を拝見すると、どの企業もC.I.がしっかりしています。
ロゴにも使われている企業の「キーカラー」にも意味があり、以下を表しています。
●青「インテリジェント ブルー」→知的物流
●緑「リライアンス グリーン」→安心・安全・信頼
●赤「パッション レッド」→熱意・情熱


では、「トワードさん」が成長した理由を、若手になりに仮説で"4つ"上げさせて頂きます。

■1.「友田社長の常に学び続ける姿勢!」(真面目さ・誠実さ)
*友田社長は、最初から事業が上手くいった訳ではなく、お父さんから「つぶれかけた運送会社」を引き継ぎ、これでは駄目だと、30代半ばから「物流のプロ」になる為に、本当の勉強を始められました。この時、物流コンサルの大竹 一郎氏と出会い「運送会社の考え方」や「鮮度管理」などを学び、その後の人生が変わります。

*大竹氏の言葉が「トワード」の指針になっています。
〇「頑張らないけど、諦めない!」
〇「諦めないけど、頑張らない!」
これは 大きな挫折をしない為の考え方で、決定的なダメージを受けない為の考え方です。「仕事に於いて、100点は いならい70点でいい」この考え方が「新入社員に対する入社時の言葉」として使われています。
〇「世の中、頑張って出来ることばかりではない」


■2.「多温度帯同時物流を可能にし、離職率が低い企業!」(特徴・USP)
*食品輸送に特化して、「多温度帯(冷凍・冷蔵・常温)同時物流」を日本で初めて確立させ「外食産業」を支え、この食品物流 トワードは、「健康」と「安全」を運ぶことを"使命"にしています。更に 2年前からは、この「多温度帯同時物流」で九州~関東間を最短 翌日に指定場所へ配送するサービスを開始しています。これは「小ロット」・「超高速便」に特化し、普通であれば高額な航空便でしか実現できなかったものが、より低額な陸便で配送するサービスです。
これにより、より新鮮な物を、より安く消費者に提供することが可能になりました。

*サービス産業や物流産業は、離職率が高い業界だと言われています。日本では、高卒者の入社3年以内の離職率は、全国平均で39%ですが、トワードでは、高卒の新人さんは、ここ5年間、一人も辞めていない凄い会社です。
会社の壁には「改善マップ スペース」が確保されており、誰でも自由に書ける仕組みになっています。新人・ベテラン関係なく自由に改善点を上げられるというこの社風からも、風通しの良さが伝わります。


■3.「時代の変化やニーズを詠み、IT技術を活用している!」(Teachme Biz)
*労働人口が減少し、働き手の確保が大きな社会問題になり、物流業界の中では、早くから「情報システム部署設立(2003年)し「物流×IT」の考え方を定着させ効率化を図っています。
特に物流はITでの効率化によって大きく費用が変わります。まさにニーズを先読みし、より効率的な保管方法を選択し、更には出荷に関してはできるだけ少ない走行距離で、できるだけ多く物を運ぶためには、ITを使ったデータ分析が命だと思います。
因みに 私も前職は、通販会社で働いており 商品部として倉庫業務に関わったことがありますが、商品をどこに保管し、どう発送するのかによって、費用が1.5倍近く変わっていました。

*トワードでは6年前から『TOWAgram(トワグラム)』と題した「業務の見える化・効率化」を進め、「生産性の向上」を実現しています。
また「業務手順書」の作成に、(株)スタディスト(東京)が提供する約1,700社が活用する「マニュアル作成・共有プラットフォーム『Teachme
Biz(ティーチミー・ビズ)』」を導入し「業務手順書」の作成時間を30%削減して更なる業務改善を進めています。
*「Teachme
Biz」:画像・動画ベースの分かり易いマニュアルを簡単に作成、共有できるクラウドツール。素材はモバイルデバイスのカメラで撮って加工するだけで、すぐに共有できる。


■4.「物流網を活かした経営の多角化!」(R&R事業)
*トワードさんでは「R&R(リバースロジスティクス&リサイクル)事業」により、今まで築いた物流網を活かし経営の多角化をされています。
これは、全国のお客さまの店舗から排出される食物残渣(生ゴミ)や廃油を専用の容器で回収し、食物残渣は農作物の堆肥として、廃油はボイラー燃料として それぞれ有効活用できるリサイクルループを構築しています。
また、回収した食物残渣を堆肥を使用して 農作物を栽培し、収穫した農作物は食品残渣を回収した お客さまに販売することで3R(Reduce:抑制、Reuse:再利用、Recycle:再生)推進の取り組みも行なっています。

まさにソーシャルビジネスが盛んとなり、消費者も環境保護や社会貢献への意識など、商品そのものではなく企業自体の姿勢や社会との関係性を重視しされ始めた今、まさに求められている事業形態だと思います。
私は、この事業の「社会性」と「ビジネスモデル」に感動しました!

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◎と言うことで…
「トワードさん」が成長している理由は、やはり"理念"になっている「時代に求められる」変化対応力と、「プライドを持って仕事をされている」からだと思います。
2020年4月にはスポーツ用品で有名な「ミズノ」さんとタイアップし、オリジナルのユニフォームを作られています。物流という仕事にプライドをもち、社員を大事にする姿勢の現れだと感じました。
私が想像する「物流会社」とは思えない「スマートさ」と「誇り」が、本当に かっこいいです。
*「生産性の向上」→(物流センターの効率を上げる)→(効率的な配送)→(配送効果が上がる)→(一時間、一人あたりの売上を上げる)→(待遇で返す)
*「社名の由来」:Toward the future(未来へ向かう)

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◎しかし 今後、物流業界は、厳しい時代に入ります。
運送会社間の競争の激化や、少子高齢化により物量自体が減少し、ネット宅配等の増加によって物流の構造自体が変化してしまいました。(*前職のインテリア通販会社も然りです)

更に「新型コロナウイルス」の影響で、全物流会社の6割に 何かしらの影響があったと言われています。
特にトワードさんだと外食産業の売上が落ちている今 必然的に食品輸送のニーズも減少しているはずです。

しかし 個人的には、物流業界は特に、「コロナによって時代が10年早まった」という表現が正しいと思います。つまり、物流業界に於いては、コロナに関係なく、そもそも人不足により、本格的にできる限り少ない人手で、運営できるようにロボット・自動化設備などの導入、手荷役業務の削減などが求められているということです。
勿論 これが難しいことだと思いますが。

一方では、物流会社という人手不足の業界に於いて、「トワードさん」の社員の離職率の低さが、今後 益々強みになると感じました。

今後、トワードさんの変化対応力で、どのような取り組みをされるのか楽しみです!

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◎最後に、若手なりにC.I.について一言いわせて頂くとしたら…
取り組む事業を通して、企業が目指す不変的な想い(あるべき姿/成し遂げるゴール)が見当たらないことが気になりました。
例えば、「ITを駆使し物流費用を安く抑えることで、外食企業の成長を手助けする。」といったものがあると一般生活者からより"共感"を得れると思いました。

一度 コンカンが提唱するC.I.と、御社のC.I.を照らし合わせて頂けると有り難いです。

*concanが考えるC.I.とは?
https://note.com/concan/n/na7ac8d954990

長くなりましたが、以上です。

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