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子どもたちの発表から教えてもらったこと「5歳の母のおうちリベラルアーツ」シリーズ②

■はじめに

「5歳の母のおうちリベラルアーツシリーズ」2回目 は、2022年2月に調和塾で行われた Comusubiの(当時)小学6年生の発表についてのレポートです。

■調和塾とは?

調和塾は、京都芸術大学教授の本間正人先生が主宰する、2021年2月から始まった世代を超えたオンラインの学び合いの場です。

現在、ほとんどの教育スタイルは年長者から年少者へ過去のことを教えるというものです。

そんな中、調和塾では若い世代から年長者が学ぶことを価値として大切にされているそうです。


私も何度か参加させていただきましたが、無知の知(自分が知らないということを知る)を認識できるとてもおもしろい場だと思っています。

イベントの開始時間は20時が多いので、寝かしつけと重なることも多いのですが💦 Zoom を使って行われるので、誰でも参加ができ、耳だけの参加も可能です。

気になる方はぜひ調和塾のFacebookページをフォローし、気軽に参加してみてください。世界が広がるはずです。


■平和をテーマとした多種多様な発表


さて、Comusubi の話に戻りたいと思います。

調和塾での彼らの発表テーマは『平和』でした。

ひとりひとりが考える『平和』について、多様な切り口と手法で発表するバラエティ豊かな姿に衝撃を受けました。

例えば、切り口としては、

  • 金子みすゞ「蜂と神さま」の詩

  • 大好きな野球

  • 第二次世界大戦を中心とした研究

  • 没頭しているあいだ幸せに感じる読書時間

などがありました。

また発表手法としては、

  • 自分で作った物語の朗読

  • 絵、コラージュ

  • フリップ

  • 模造紙

  • Canvaを使用したスライド

と非常に多彩でした。


Co-musubiの発表より


こんなにたくさん発表する方法があったんだ~!と、就職してから発表 = Powerpointの思考で固まっていた私はびっくりしてしまいました。


発表スタイルやものごとの見方について、様々な切り口や手法を知っていたり経験があることは、将来きっと強い武器になると思います。

参考に、経済産業省の未来人材会議 中間とりまとめの21ページには、

現在は「注意深さ・ミスがないこと」、「責任感・まじめさ」が重視されるが、 将来は「問題発見力」、「的確な予測」、「革新性」が一層求められる。

経産省未来の人材会議中間とりまとめ


という記載があります。

私は、多数の様々な切り口や手法に変化を加えたり、掛け合わせるということが「問題発見力」や「革新性」につながると考えています。

まさに発表する彼らから、これから必要となる力のたくましさを感じ取ることができました。

■発表からの学び


この発表会を通して、Co-musubi ホームページ にある

「異なる視点を持つ子どもたちが、刺激し合い補完し合いながら、多面的重層的に学びを膨らませる。」

という一面を見ることができたように感じました。


今回、この発表会から得た気づきの中で、3つほど私がやってみたいなと思ったこと書きだしてみたいと思います。



①ポジティブストロークの実践

各発表が終わると、それぞれに質疑応答の時間がありました。
Comusubiで学んでいる皆さんの第一声は、発表者にどれほど発表が良かったかを伝えるような非常にポジティブなものでした。
中には、発言とともに拍手やサムアップをしている人もいました。
このように心から褒めたり、笑顔を向けたり存在を認める言動を交流分析という心理療法においては、ポジティブ(肯定的)ストロークというそうです。
この言動は、前回の記事で記載したマズローの欲求段階説


中の「欠乏欲求」のうち、「安全欲求」「所属と愛の欲求」」「承認欲求」を満たす言動のように感じました。

発表者の皆さんが一緒に過ごした日々の中で、ポジティブストロークをお互いに受け取りあってきたからこそ、成長欲求の段階へ移行し、100人近くのオーディエンスの前で堂々と発表することができていたのかな、と推測しています。

正直なところ、時間がない忙しい時間帯などは、娘に対し生返事をしがちです。
ですが、時にはサムアップ、ハイタッチで応えることならすぐにできるなと早速はじめてみました。



②自分の気持ちから、スモールステップでテーマを広げる

発表者の皆さんを見ていて印象的だったのは、自分ごととしてテーマを考えているという点でした。
テーマを自分もしくは自分の興味とリンクさせているからなのでしょうか。

特にそれを感じたのは、発表後に「平和について考えようと思ったきっかけはどんなことがあったんですか」という質問があったときでした。

質問に対して、
・ニュースや本で戦争や紛争に人が巻き込まれて障害が残るということを知ったこと。
・戦争はないほうがいいと思っていること。
・なぜ自分はいま戦争に巻き込まれず生きているのかということを考えることがあること。
以上のことから、戦争関連を題材にしたいと思ったといった主旨の回答をされていました。

このやりとりから、発表者は、自分が経験していない戦争についてさえも、自分ごととして考えているのを感じました。

もし私が同じ質問を受けていたら、「きっかけは課題として与えられたからです。」と答えるところです。

「平和」という広域で抽象的な問題を、日々の生活の中で自分が知り、感じたことから少しづつスモールステップで考えを広げ深めていくことで、「平和」という壮大なテーマさえも自分ごととして捉えることができているのだと理解し、非常に驚きました。

③子どもにとことん付き合う

一人の発表者の保護者の方が「子どもにとことん付き合う」ことが家庭の教育方針とおっしゃっていたことも印象的でした。

特に子どもの頭の中にある世界観を知るために、とことん対話されているエピソードはとても心に残りました。

正直、時間的な制限や体力と気力の問題もあって、娘の外遊びやごっこ遊びにとことん付き合うことは、私にはハードルが非常に高いです。

でも、彼女の世界観を理解しようとする対話ならばできそうな気がしてきました。
例えば娘の描いた絵の世界については、子どもが絵を見せてくれたときに私が思ったことだけを伝えるのではなく、「どんな気持ちでかいたの?」「一番気に入っているところはどこ?」と娘の考えを聴くところからなら始められるかも!と、自分の中の「子どもとことん付き合う」が意味する範囲がより広がったと感じています。

もしこのレポートが、少しでも子育てのお力になったら嬉しいです。

ご感想などお待ちしています。


ライター| 田渕 由記

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