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夢の外でもきみに言葉を

過去に通り過ぎた人が夢にでてきた。

思い出すきっかけもなかったのに、なぜだろう。
なんとなくそわそわして、古い記憶や今どうしているかなという気持ちが一日中、いろんな場面で湧いてくる。

その人の記憶で一番強く残っているのは、直接したやり取りではなく、色紙にもらったメッセージだ。色紙自体は実家においてあるのだけど、もらった内容はよく覚えている。
私があるコミュニティを卒業するとき、残るみんなから寄せ書きをもらった。
メッセージの大体は、「これからの活躍を~」といった当たり障りのないものだったが、彼からのものはそれらとは少し違った。

「あなたに自分を肯定する言葉をもらったことが、すごくうれしかった。その場面を忘れることはできません。」

要旨としては、こんな内容だった。

この寄せ書きを読むまで、私はそんなことがあったことも忘れていた。多分、会話の中で何気なく発した言葉だったのだろう。
当時、少し自信なさげに振舞っていた彼を見て、きみにはいいところがたくさんあるよ!と、気付いてほしかったことを覚えている。
(そして、たぶんそんな彼を少し好きだったのだ。よこしまだけど。)

自分の発した言葉が誰かを喜ばせることができる。
そんなことを教えてもらった私の方こそ、うれしくて、落ち込んだ時なんかはこのメッセージに励まされた。

あれから何年か経ち、もう会う機会もほぼなくなった。
彼はまだ、この言葉を私にくれたこと、こんな出来事があったこと、覚えているかな。

もしも会う機会があったなら、実は励まされています、ありがとう。と伝えたい。

読んでいただきありがとうございます。 また来てくださるとうれしいです。