アートの晩餐|究極のエコ?
私が美術展に行って、心に残ったとっておきの作品をご紹介。
皆さんと一緒に自由に楽しく味わう「アートの晩餐」。
今回は、金沢21世紀美術館の「コレクション展1」で出会ったSUPERFLEX《発酵作用》です。
この作品は
①会場に設置された除湿機で集めた水(来場者の吐く息や湿気など)を、茶葉、紅茶キノコの菌を使って発酵飲料(コンブチャ/紅茶キノコ)に生成して保管。
②その発酵飲料を使って美術館で使っているコピー用紙を染めて、館内で乾燥。
③紙は新しい持ち主の元で使用され、乾燥の過程で気化した水分は空気中に還元。
という循環を作るもの。
『アートを介在して、地域の人々とどのような関係を作るかという、21世紀美術館の実践を形にしたもの』だそうです。
私がキョロキョロしていたら、案内役の女性が丁寧に説明をしてくださいました。
その方も説明しながら、きょとんとした顔の私に途中でおかしくなったのか、
「もーなにやってんだか、笑っちゃいますよねー」と、
2人して笑ってしまいました。
こんなコミュニケーションが生まれる作品って素敵ですね。
除湿機で集めた水でお茶を抽出して紙を染める。
水の無限ループ
水は川や湖から得るものと思い込んでいる私には、そんなことを思いつきもしません。
私の吐いた息や汗(湿気)も作品に取り込まれていく。
何だか循環に貢献できた気分で楽しかったです。
アートって何の役に立つの?
そうと思われがちですが、こうした新たな気づきを私たちに与えてくれるもの。
梅雨時などに洗濯物の部屋干しをするとき、除湿機を使うことがありますが、結構な量の水が溜まります。
え?空気中にこんなに水分があるの!?と驚きつつも、植木の水やりに使う程度です。
実はこうして生み出された水って、ものすごく大切な資源なのかもしれませんね。
アーティストの発想に、楽しみながら関心しきり。
ヒラメキにつながる作品でした。
皆さんはどう感じられましたか?
また、素晴らしい作品をご一緒しましょう。