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革命記念と日本文化



 
7月14日は
革命記念日で
フランスは祝日だ。
 
ヨーロッパは
基本的に花火は自由にできない。
New Yearと建国記念日(的な祝日)は特別で
各家庭で楽しむことができる。
 
先週末、義理両親宅に行ったら
義理兄弟や甥っ子たちは
「いつ、花火を買いに行く?」と
ワクワクした様子で話していた。
 
昨年は
7月14日、当日に花火を買いに行ったら
どこへ行っても売り切れで
入手するのに大変苦労した。
 
そんな理由もあって
今年は早めに準備をしようとしていた。
 
そんな義理家族に
問いかけてみた。
 
「革命記念日は
フランス人にとってどんな日なの?」
 
すると
1番の平和主義で、穏やかな性格の義理姉が
 
「やっぱり、王を殺したことね!」
 
と、驚く発言をした。
 
念を押すが、
彼女は教員をしていて
みんなの世話もよくするし
配慮の無い発言をする人にはたしなめるような
理想的な女性だ。
 
そんな思いやりのある人が
にこやかにこんな発言をするのかと仰天したが
一方で、なるほどフランス人らしいなと感じた。
 
話は逸れるが
私はこれまでに
インドやオランダに住んだことがある。
 
インドはマハラジャ(藩主)が統治していたので
ある意味、王族主義な文化が伺える。
 
オランダも王国だ。
王国主義を嫌う地元の人もいるけれど
同じくらい、ロイヤルファミリーを愛している人もいる。
 
ざっくり言うと
日本と同じだと思う。
 
王様、天皇、名前はちがえど
誰かを社会的なヒエラルキーで
敬うことには変わりない。
 
そういえば昔、結婚する前に夫とデートをしていたある日
天皇制が話題に上がった。
 
それまでにも色んなトピックスを議論する私たちで
大抵は考えが似ていたのだが、
これだけは夫と感覚が合わなくて驚いた。
 
私は、象徴としての天皇であるかぎり
日本の伝統を継承するという文化的な側面から
天皇制を認めても良いのではと考える。
 
でも、夫は、そんな象徴はいなくても
国としてやっていけるだろう、と考えているようだ。
 
「人は平等であるべき」という信念も持っている。
 
現在、ほとんどの王様は象徴的な立場であるが
民衆と「平等」であるかというと
否めない。
 
そういう矛盾を
インド人やオランダ人とは感覚的に共有でき、
アメリカ人やフランス人との考えのちがいを
おもんばかった。
 
この感覚は
未だに夫とは共有できない。
 
もちろん、日本国内でも
天皇制に関していろんなことが起きている。
 
ただ、一般市民でよほどの事情がない限り、
ごく普通の優しい人が
天皇をやっつけることを
喜ばしいと言うだろうか。。。
 
そんなことを考えたのは
やはり
先週、日本で起きた事件もあってだろう。
 
パリ在住の有名人
西村博之氏がある動画の中で
「文化のちがい」について
話していた。
 
なるほどなぁと思った。
 
事件直後に多くのメディアが
SPや警察などの防御が甘かったという指摘していたようだ。
 
しかし
彼は、警備方法に文化のちがいがあることを述べていた。
 
アメリカでは
演説会前には持ち物チェックをし
反抗を防ぐ体制があるとのこと。
(つまり、日本のような街頭演説はしないようだ。)
 
フランスでは
戒厳令(※)が出たときには
3回声をかけて、従わなかった場合は
銃を撃って良いようだ。
 
※戒厳令:国家緊急権制度のひとつ。
戦争や内乱などの非常時に通常の立法権、
行政権、司法権の行使を軍部にゆだねる非常法。
 
でも日本はちがう。
 
凶悪犯罪が増えてきているが
それは、日本社会で阻害され、孤独な人が起こしている事情があり、
基本的に日本は治安が良い。
 
「治安の良さが日本の文化だ」と
西村博之氏は言っていた。
 
「治安の良さ」とは
平和な状態だとも言い換えられるだろう。
 
平和とは
みんなが満足し、幸せな状態であること。
 
では
社会に不満を感じたり
孤立している人たちは
何もしないままで良いのだろうか。
 
私は、どんな事情であれ暴力は反対である。
ただ、悪政に虐げられた状況に陥ったときに
「何もしない」ことを正当化して良いのだろうか。。。
 
フランス人は行動力の民であり、
歴史的なこの日を
Fête nationale française
(直訳すると、フランス国家のお祝い、
つまりフランス革命記念日)として
誇りを感じているのだ。
 




私たちは
日本の、そして世界の、治安を守るために
何ができるのだろうか。
 
答えは容易に見つけ出せないが
誰かを憎むのではなく
・仲間をみつけ
・平和的な解決を見つける努力をすること
・そのための行動をすること
・(今の時代だからこそ)SNSを利用して大衆を巻き込んで
・問題解決できる社会を築けるように
自分なりに行動していきたい。
 
そんな想いで
この文章を投稿する。



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