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【インタビュー】マラウイ🇲🇼現地スタッフ、フンバニさんの仕事と人生

Colorbathは、日本ネパールマラウイを拠点に、教育や雇用創出など、さまざまなプロジェクトをおこなっています。
課題解決よりも価値創造、と位置づけているように、まずはメンバー自身が、その国のこと・その出来事のことを自分ごと化し、目の前にいる具体的な人のために何ができるか?考えることを大切にしているチームです。

そしてそんな中で欠かせないのが、ネパール・マラウイにいる現地メンバーの存在。
それぞれさまざまな関わり方をしながら、一緒に働き、ときに人生について語り合い、多面体としての Colorbathの一要素をつくってくれています。

これまで、SNSでの発信は日本人メンバーの姿が目立ちがちでしたが...
これからは、さまざまなコンテンツを通して、海外メンバーのライフストーリーやお仕事についてもお伝えしていければと思っています。
今回は、マラウイの現場で、ソーラーボイラーの普及病院の衛生環境向上プロジェクトなどに関わっているFumbani(フンバニ)さんにインタビューを行ったので、その様子をお届けします。

 前列右端がフンバニさん

■フンバニさんのお仕事

フンバニさんがマラウイで関わっているプロジェクトは3つあります。
1つは、ソーラーボイラーの普及
ソーラーボイラーは、その名の通り太陽の力でお湯を沸かすことができる装置です。
エネルギー源の8割を薪が占めるマラウイでの普及が進むと、「熱源/電力を安定して供給することができる」「薪の伐採を防ぐことで森を守ることにつながる」「薪の伐採という重労働から、女性や子どもが解放される」といったメリットがあります。

奥に写っているのがソーラーボイラー

「そもそもソーラーボイラーとはなんぞや?」の説明やデモンストレーションを現地メンバーと連携してコミュニティ向けに行うと同時に、薪の販売を生活の糧としている人の雇用を守るため、現地でソーラーボイラーを生産・販売できるビジネスづくりも進行中。

そしてその中でもフンバニさんは、以下の2つの目的でソーラーボイラーを活用する中で、普及活動にも深く関わってくださっています。

それは、「病院の衛生環境向上」「妊産婦と子どもたちの栄養状態改善」
前者は、主に手術器具の煮沸消毒などにソーラーボイラーを活用するほか、病院スタッフに「どうすれば安全な病院の環境をつくれるか」研修や教育活動を行っています。

病院でヒアリングを行っているFumbaniさん

後者では、妊産婦健診での栄養指導が確実におこなわれるようフォローアップを行うほか、ソーラーボイラーを活用した離乳食のレシピづくりに取り組んでいます。

ちなみに、ソーラーボイラーの普及活動をしていて一番よく聞かれるもののひとつは、「シマ(現地の主食で、とうもろこし粉を練ってつくるもの)」はつくれる?という質問だそう。

もちろんつくれるし、煮る調理も、揚げる調理も、なんでもできるよ。

と、誇らしげに話している姿が印象的でした。


パンも焼けます!

さらにフンバニさん、実はバービジネスを立ち上げ、4人を雇用する経営者の一面も。

忙しい中の息抜きとしては、
「友だちと話すこと」「 Colorbathの活動(ボイラーのデモンストレーションやインタビューなど)でムジンバの外に出かけること」を挙げつつ、「仕事はやりがいがあり、とても楽しい」と話していました。

■これまでのライフストーリー

フンバニさんは、二男二女の兄弟のなか、二番目にうまれました。
裸足でサッカーをして遊び回ったり、濁った川で泳いだりとなかなかにわんぱくだったそうですが、お母さんが大きな愛を持って育ててくれたそう。
何度も何度も、そのお母さんへの感謝を口にしている姿が印象的でした。

大学では開発学を専攻。人権学を副専攻にしていました。
コミュニティレベルから国家レベルまで、政策や人がつくった仕組みが社会にどう影響しているか、関心を持っていたそう。
また、「アドボカシー」も、フンバニさんのキャリアにおいて重要なキーワードです。
アドボカシーとは、ひとりの声を、政策などの大きな仕組みに反映させていくための活動。個人やグループの想いを代弁し、課題や需要の存在を目にみえるカタチにすることを学んだフンバニさんは卒業後、HIVの防止や男女平等などに取り組む現地NGOで働きました。

違う年代、違う考えを持つ人と話すことは、大学の学びとはまた違う大変さとやりがいがあったそう。

大学では、開発学のスキルを学ぶことができた。そしてNGOでは、実践を学ぶこともできた。自分にとっては、どちらも必要で大切な経験だったよ。

■日本人と仕事をすること、日々の活動の中での気づき

日本とマラウイの時差は7時間
基本的なコミュニケーションは、slackというアプリや、電話、zoomでの週例ミーティングなどを通しておこなっています。

週単位にかぎらず、その日起こったことをその日報告し、コミュニケーションをとっていくという方法が「新鮮だった」と話していたフンバニさん。

戸惑いや不安より先に、「これはいいアイデアだな。とりいれよう。」というアンテナが素早く働き、スポンジのようにやわらかく、かつ自分を曲げることもなく環境に適応する。そんな力強さを感じました。

そして、フンバニさんからのレポートはいつも簡潔でわかりやすく、写真もきれいなだけではなくて必要な情報がきっちり入っていることも印象的です。そのことについてお話しすると、もともと文章を書くのが好きで、興味を持って学んでいた時期があったとのこと。また写真についても、NGOスタッフ向けの研修に参加して、撮影の仕方を学んでいたそうです。

知的好奇心を絶やさずに、自分のスキルやネットワークを磨き続ける姿勢に、私自身も学びたいなと思いました。

■フンバニさんが大事にしていること

インタビューの際、どうしても聞いてみたいことがありました。
それは、「リーダーシップ」についての考え方について。フンバニさんの経歴を見ていると、「リーダー」という単語がよく目にとまります。

大学時代はサッカーとバレーボールでキャプテンを務め、学内で福祉担当のディレクターに。現在もマラウイで強い主体性を持って活動してくれているほか、前述のようにバーの経営者でもあります。

「自分は強いリーダーだと思いますか?やさしいリーダーだと思いますか?」

と問うと、「やさしいリーダーだと思う」と答えつつ、こんなことを熱く話してくれました。

一番重要なのは、ゴールが何で、何を達成したいということ。
みんな、目標を達成したいという想い(spirit)を持っているので、それをリーダーとして引き出したいと思っている。

フンバニさんは何度も、「みんながOwnership(当事者意識)を持っているはずだ」と強調していました。

言われたことをただやるのではなく、みんなが目的を認識し、当事者意識をお互いに高めあえば、おのずとお互いに助け合うことができる。誰もが一人では目的達成できないわけだから、チームをつくり、人を大切にすることが欠かせない。

フンバニさんの大切にしている考え方である

「Making friends and supporting one another, no one can achieve in life without getting connected to people」
友だちをつくり、お互いに助け合う。誰一人として、人とつながらずに人生の目標を達成できる人はいない。

にも、しっかり根付いているのだと感じました。

これからも、 Colorbathとフンバニさんの活動は続いていきます。
同じチームのメンバーとしても、一人間としても。心を通わせながら、温かい関係性を育んでいけたら嬉しいです。

フンバニさん、読んでくださったみなさん、ありがとうございました*

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