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長橋 美野 『あの頃』 (長崎県長崎市)

中学二年生のときに、部活仲間と始めた交換日記が "現在52冊目" になりました。ー 長橋 美野『あの頃』

衝撃の書き出しだ。

そんな交換日記をコラージュして構成されたこの ZINE は、1992年、中学校2年生から始まる。その中身はテストの事や、次の先生はだれがいいかなど今となっては他愛のないもの。テレビの話題となれば、貴花田(今の貴乃花親方)と宮沢りえの結婚、やるならやらねば(フジテレビ)。時代を感じます。セブンティーンは今の中学生も読んでるだろうか。

SNS なんてもちろんない。液晶画面ではあり得るはずのないノートの裏写りが、なんともほほえましく愛おしいじゃないか。

そして衝撃はラストにもう一度くる。
なんとこの一冊は中学卒業までで終わるのだ。
おい、何号つくる気だ。

もういっそ、こっそりとその交換日記自体を見てみたい気になってくる。

この世界に ZINE という概念がなければ決して発行されることの無かった本であることは間違いない。メッセージも技術も飛び越えた表現欲求が、突き抜けてしまっているのだ。

ぜひ作り続けてください。

怪作。

ー Written by 大滝 航( crevasse

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エントリー 長崎

長橋 美野 / MIYA NAGAHASHI

デザイナー&イラストレーター

長崎市生まれ。父親の転勤のため、小学校は札幌と横浜と山口の3つ。中高は山口。大学は福岡、芸術学部ビジュアルデザイン学科卒。東京の web デザイン事務所、長崎の web デザイン事務所で勤務したのち、2012年1月Lettea設立。グラフィックデザイン、webデザイン、パッケージデザイン、イラストレーションの仕事をしています。

『あの頃』 
中学生時代から今でもなお続く交換日記が珍しいと思った。みんなにも中学時代のきっと一直線で汗まみれだったあのかけがえのなかった時間を思い出してもらいたかった。ー 長橋 美野

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