あえて分担を決めないという選択肢もある。
我が家は夫とフルタイム共働き二人暮らしである。気がつけば一緒に住み始めて7年目。その間に東京から大阪へ引っ越しして、夫は二度の転職を果たした。子どもこそいないものの、少なからず環境やライフスタイルは7年の間に変化してきた。
けれど、そういえば我が家では分担らしい分担を決めたことがない。でも今までそれによってどちらかの不満が爆発したこともない。我が家の家事のまわし方のルール(スタンス?)を強いて挙げるならば下の二つに集約される。
・やれるときにやれる方がやる
・できないときは事前申告
やれるときにやれる方がやる
分担を決めると、相手がやっていないところを万が一発見したときに許せないタイプなので(主に私が)、自分が気づいたときに、やる余裕があるのであれば、気づいた人がやってしまえばいいの精神。お互いの衛生観念が同じくらいのレベルであることと、極端な得意不得意がないことが前提にはなるが。
とはいえ、相手に甘えすぎないように気をつけてもいる。私の中では食器洗いが三本の指に入る面倒な家事なのだけれど(食洗機を買えばいいという声は聞こえないフリをして)、「最近夫ばっかり食器洗いをやっているな」と気づいたときは、あえて「今日お皿洗いたいから残しといて」と伝えることもある。
知らぬ間に相手の善意に頼りすぎていないかを気にかけること、負担が偏っていると感じたときは自ら手を挙げる、ということで成り立っている。
できないときは事前申告
これは主に私がやっていることだけれど、仕事をしていると、「来週は残業確定」「3月は帰宅と同時に力尽きそうだ」などと、自分の元気レベルをある程度予測できる。家事をするパワーがなさそうだとわかっているときは、「来週の私は使い物になりません。期待しないでください」とあらかじめ伝えておくのだ。
事前に伝えておけば、いつも以上に率先してやってくれるし、「なんで俺ばっかり…」という気持ちにもなりにくい。思ったより元気が残っていたときはささっと家事を済ませておけば、ちょっといいことしている気にもなる。相手の期待値を下げておくことで、できたときはお互いハッピーになれる。
家事分担を決めた方が上手く回る家庭ももちろんあるのだろうけれど、我が家は今のところこのスタンスで丸く収まっている。7年夫と暮らしてみて思うのは、分担を決めようが決めまいが、大切なのは「相手を思いやること」と「おたがいさま」の気持ちなのではないかと思っている。家族はいがみ合うものではなく助け合っていくチームなのだから。