COHINA、サザビーリーググループ入りしました!
こんにちは、COHINAディレクター 田中 絢子です。この度COHINAは、サザビーリーグにジョインすることとなりました。
まだまだこれからとはいえ、ブランドとしては大きな節目の一つです。自分自身の課題を解決したい一心でゼロから始めたブランドが、たくさんの仲間を得て、あまりに深いお客さまからの愛を受け、今後の未来を創っていく上でのベストパートナーに出会うことができました。本当に嬉しいです。
メンバーのみんな、newnのみんな、ブランドに関わる全ての皆さま、そしてコヒナーの皆さま。ここまでの愛の溢れるご支援、本当にありがとうございました。この決定に至るまでの経緯と、これからの展望についてお話しさせてください。
プレスリリースはこちら▶️
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000174.000032762.html
M&Aの意思決定に至るまで
COHINA(コヒナ)は2018年創業の「あなたに陽が当たる服」をコンセプトとした小柄女性向けブランドです。平均年齢27才、従業員27名(うち20名が低身長!)のチームで、「小柄だからって輝くことを諦めたくない」、その一心で一同歩みを進めて参りました。
2018年の創業から一つずつ積み重ね、2024年にはInstagramのフォロワー数は総計30万人を超え、ライブ連続配信記録は5年を超えるなど、小柄女性一人ひとりと信頼関係を築いてきました。また、組織の状態としても足腰の強いタフなチームになってきた実感もありました。
そんな中、マクロの環境はどんどん変わっていきます。海外の成功事例ではD2C事業モデルもインターネットから改めてオフラインへと回帰する流れが強まっていたり、新興ブランドが続々と出てきて、ブランドとしてより本質的な価値が問われるようになってきています。
小柄女性の一生に寄り添うブランドとして精度と強度をより高めていくべきである。このタイミングで大きな変化を起こすべきなのではないか、と考えるようになりました。
元々、COHINAの中長期の未来をどう描いていくかはnewn社代表である綾太郎さん(X) とも長年にわたって協議し続けてきていました。私個人の想いとしてもnewnは大好きであり、本当に自由にやらせてくれるし、メンバーも最高だし、離れたいわけでは全くない。ただ、ブランドの成長フェーズを考えると、より資金力や運営力の高い体制へ移行することでnewnにとってもCOHINAやお客様にとってもいい未来をもたらせるのではないか、と改めて相談させてもらいました。そしてこのタイミングで外に出ることに快く合意し、応援していただきました。また後述しますが創業から今回の事業譲渡まで、見守り切ってくれた綾太郎さんには頭が上がりません。(変な人だけど)
そこでパートナー探しの旅に出たわけですが、幸運なことに、これでもかってほどのベストパートナーに出会うことができました。M&Aにまつわるこの辺りの話は私自身ほぼ相談できる相手もおらず苦労しました。今後もアパレル業界の役に立ちたいし、若者や女性やスタートアップの味方でいたいので、もし興味があれば聞いてくださいな(情報の機密性的に喋っていいことはほぼ無かったりするかもしれませんが...!少しでも役に立てれば。大変だよね、こういうテーマ。)
どうしてサザビーリーグだったのか
そんな我々の次のパートナーであるサザビーリーグは元上場企業であり、スピリットである“It’s a beautiful day.”と感じるライフスタイルを提案するクリエイティブリテイラーです。領域はアパレル、服飾雑貨、生活雑貨、飲食、ビューティーと多岐にわたり、「Afternoon Tea」「agete」「Ron Herman」「MAISON SPECIAL」などの40ブランドを運営しています。2023年3月末時点での従業員数は3,561人、国内530店舗、海外47店舗を展開しています。
私自身、中学生時代は母への誕生日プレゼントはAfternoon Teaでのエプロンやマグカップ、高校時代の部活帰りのご馳走はKIHACHIのソフトクリームで、社会人1年目はESTNATIONで買い物するかっこいい先輩に憧れ、今はRon Hermanといったブランドを日々愛用しています。サザビーリーグであることを知らずにこれまで触れてきたブランドが多くあります。
そんなサザビーリーグとの出会いは、2020年にとあるファッション系イベントの登壇で何度かご一緒させていただいた相川さん。大手アパレル企業の中でも卓越したブランディングの精度に感動し、登壇後もたくさんの疑問をぶつけさせてもらったり、飲みに行かせてもらったり。相川さんにはCOHINAの受け皿として新設する会社のEGBA社の取締役にもご就任いただきます。買収は元々知り合いだった会社に決まることが多いとはよく言いますが、まさかここでご縁が繋がるとは...!
2023年にはジュエリーブランドのNOJESSさんとコラボさせてもらい即完の記録を作ることができました。当時サザビーリーグのオフィスで打ち合わせをしていた時は、まさかこんなストーリー展開が待っているなんてつゆほども思いませんでした。
アパレル企業にしては超珍しくCVC事業も行っていたり(参考「サザビーリーグがCVC活動をスタート~新しいライフスタイル領域の開拓を目指す~」)と、新規事業も積極的な会社です。スターバックスを日本に連れてきた会社ということもあり、新しいものへのセンサーがピカピカ。知らないものを積極的に取り入れる姿勢が徹底していることも、サザビーリーグって素敵だなと思った背景の一つでした。
そして、今回のプロジェクトに早々に興味を持ってくださったのは、新会社EGBA社長の帰山さんでした。面談ではずっと変わらずブランドビジネスは人こそが最大のキーであることを仰り続け、質問もビジネスモデルについての詳細ではなくチームについてや人格についてに終始していたことも印象的でした。
今回のご縁に繋がった最大の理由は、帰山さんがチーム全体のことを高く評価してくださったこと。チームの胆力や泥臭さ、いいブランドにしたいということへの情熱や顧客への向き合いの真っ直ぐさ、そんな私たちの軌跡を認めて、丸っとみんなで一緒に働きたいと言ってくれました。これまで一緒に頑張ってきた仲間が誰一人として欠けることなく新しい未来に向かえることを重視していた私にとって非常に心強かったです。
「どんなチームですか?」に対して「動物園です」って答えた私たちを迎え入れてくれてくれるサザビーリーグの懐の深さに、心から感謝しています。ちなみに帰山さんは185cmくらいと非常に背が高いので、逆に小柄女性の悩みに共感してくれるそうです。笑
新パートナーとともに描く未来
日本を代表するライフスタイルカンパニーであるサザビーリーグにグループインすることで、これまでファンの皆さんと一緒に培ってきた「COHINAらしさ」をより強固なものにしながら、新しい価値を創造し、世界全体に拡大していきます。
・店舗運営の強化
オフライン展開や店舗運営のノウハウを強化し、より多くの場所でリアルにCOHINAを体感していただけるようにします。(近々ちょっとしたお知らせもできるかも...!)
・ブランディング
さらに洗練されたデザインとクリエイティブにより、個性光る輝くブランドを目指します。
・ものづくりの強化
長くお客様に愛していただけるよう、より課題を解決し、高品質な商品を提供します。
・海外展開の加速
海外市場への進出を加速し、本格的なグローバルな展開を目指します。
やりたいことが山ほどあってワクワクうずうず。
“It’s a beautiful day”を世界に増やす挑戦、とっても楽しみです。
お世話になった方々へ
ここまでの7年間、本当にたくさんの方々に温かいご支援をいただいてきました。
まずはCOHINAメンバー。みんなの情熱と努力があったからこそ、ここまで来ることができました。なんで頑張ってるかもよくわからないままがむしゃらに走った創業期、「毎日が文化祭前夜だったね」なんて当時のメンバーと振り返ったりします。
人が成長したりチームが強くなっていく喜びも、人は決して思い通りにならないけどそれでも向き合い続けることが面白いってことも、本当に多くのことを気づかせてくれたのはみんなだったからです。当たり前のように家族よりも多くの時間を過ごし、一生の友人や戦友を得ました。心から信頼し尊敬する自慢のチームです、いつも一緒にブランドのために奔走してくれてありがとう、これからもよろしくね。
綾太郎さん。オフィスの移転が毎回下手すぎるし、3年経ってもコーポレートサイトの一つもできなかったし、今回のnoteも出せなさそうだし(→出せた!)、いつもニヤニヤしてるかと思ったら人生に頭抱えて絶望してるし、本当に変な人です。
どんな人かとよく聞かれますが、優しくて感性豊かな頭のいい人って感じでしょうか...本質とか洞察とか戦略とか、そういうのは全部綾太郎さんから学びました(進捗悪すぎと突っ込まれることでしょうけど)。
あの時大学生だった私を面白がって拾ってくれて、信じて期待して面倒見続けてくれて、本当にありがとうございました。創業日に戻って自分の資本でやり直せばいいのにって世間に言われても、それでも私はこの選択を選ぶでしょう。気の優しい変な天才と、時代のうねりを作るのは、とってもとっても楽しかったです。兄だと思ってます。彼の未来が楽しみです。
そんな綾太郎さんのnoteはこちら。
newnの他のメンバー。ゆくゆくはお別れになりますが、これがちょっと想像していた以上に寂しい。今回の事業譲渡メンバー説明会のリハーサルで、コーポレート広報のはなさんと話していたらあまりの寂しさに涙が止まらなくなりました(なお、本番は緊張しすぎてカラッカラでした。)目の前悲しいですが、一緒に働けなくなるってだけでこんなにも悲しくなれる人たちと一緒に仕事ができて幸せでした。また、どこかで。
このnoteを読んでくださっている皆さん、newnのrihka,喫茶サテラにyeni,グループのMr.CHEESECAKEを引き続きどうぞご愛顧ください。最高のメンバーでプロダクト作りやってます。
プライベートで仲良くしてくれるみんなや家族。いつも話聞いてくれて、悩み相談乗ってくれて、バカみたいなことでずっと一緒に笑ってくれて、ありがとう。みんなと会ってる時間にいつもエネルギーをもらっています。ほんとに好き。本当は今回のMAの話もたくさん相談したかったんだけどしちゃダメだったので辛かった…この後たくさん話聞いてほしい!!!
そして、何よりもCOHINAのお客さま。いちアパレルブランドに対するものとは思えないほどの熱量と愛情で熱狂的に応援し続けてくれて、本当にありがとうございます。
今回のサザビーリーグへの運営移行はコヒナーの皆さんにとって確実に良いものにできるという確信を持つことができたからこそ、踏み切りました。今までのCOHINAっぽさがなくなってしまうかもしれないと不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、引き続きインスタライブは変わらぬメンバーで毎日配信しますし、全国のみんなに会いに行きますし、これまでリクエストをもらっていたけど実現できなかったこと、どんどんやっていきます。これからも一緒にブランドを作っていってもらえたらとっても嬉しいです。
最近はチャイルドシート着用の使用推奨基準が150cmに引き上がったというニュースが小柄界に激震をもたらしていましたが、低身長だからという理由で社会機能にフィットしないことって、まだまだお洋服以外にもたくさんあるはずなんです。みんなが身体的個性をポジティブに捉えられるような挑戦は、まだまだ幅広く必要だなと改めて感じた出来事でした。
(参照「身長150cmない成人はどうすれば?」チャイルドシート新基準、ネットの疑問をJAFに聞いたhttps://news.yahoo.co.jp/articles/351ffc0f8d6ca2f584302b332786e55d10641054 )
COHINAは「卒業のないブランド」として、人生を共に歩めるようなブランドを目指しています。私たちは会社と顧客という関係性を超え繋がり続けて、小柄さんが自分らしく生きるためにファイトし続ける一生の同志だと思っています。低身長だからってピッタリも可愛いも諦めない、そんなの当たり前にしてやりたい。この思いはきっと私とコヒナーさんと一緒だと信じています。もっとときめくわたしたちの悩みを解決してくれる良質なプロダクトをお届けしていくので、どうぞお力添えくださいませ。
そして、ここでは触れきることのできなかったお取引先各位や、ブランドに関わる全ての皆さま。心より感謝申し上げます、ありがとうございます。
ここまでも、これからも。
ブランド運営会社は変われど、私は引き続きブランドディレクターとして続投し、COHINAの拡大に尽力していきます。(役職としてはCOHINAの事業譲渡先である新会社、株式会社EGBAの執行役員・事業部長になります)。
しばらく採用(最後に詳細を掲載しますが、一気にポジションオープンします)に海外事業に店舗拡大にと、てんやわんや予定です。ゆくゆくはEGBA社全体としてのD2Cブランドの発掘や育成や拡大など、新規事業にも展開していけると良いなあ。
自分らしく生きれる人を一人でも多く社会に増やしたいという気持ちを軸に、まだまだ作りたいものや届けたい価値や挑戦したいことが山ほどあります。ブランドの協業やコラボにご興味をお持ちの方、ブランド拡大やエグジット戦略に悩んでいる人、リテール・D2C・女性・海外起業に挑戦している方など、ぜひお話しできと嬉しいです。お茶とか行きましょう。(twitter @ayako_cohina、IG @ayako_cohina)
最後に自分の7年間を振り返っての忘備録として、学びを記したいなと思います。(自分語りなのでどうぞ飛ばしてくださいませ)
起業すべきか、という問いについて
よく起業するか悩みますという相談をいただきます。
私は学生の時に創業して、そこから新卒Googleで働きつつCOHINAと両方やっていましたし(当時を支えてくれた人たち、本当にありがとう)、必ずしもゼロ百で考える必要はないと思います。まずは小さく始めてみることがおすすめ。やってみてダメだったら撤収すればいいし、もしうまくいったらブランドそのものが意思を持って大きく成長して、こっちのペースなんてお構いなしに音を立てて水を吸って大きくなっていき、そこからはもう、事業の奴隷。23才が創業したブランドはみるみるうちに年商10億円を超えました。
30才を超えて身動き取れなくなった(というか取りたいと"思えなくなった")知人たちをたくさん見てきました。エネルギーは財産です、アホなことももうからなさそうなことも絶望するほど面倒なことも、全部やってみるといいんじゃないかと思います。
人生で何を大事にしたいか
世の中に新しい価値を創るということ、社会の課題を解決する案を実現させるということを一生やり続けたい。生みの苦しさはあるけれど、事業をつくるのは、本当におもしろい。ずっと続けたいです。
今後の自分に大事にしてほしい、日々のスタンス
星野源さんが「毎日をおもしろくするのは自分自身だしそれをやるには必死にならなきゃ何の意味もない。」と言っていて、激しく頷きました。毎日ただ受動的に生きてるだけでは面白いネタって降ってこないし、飽きるのって本当に簡単。でも淡々と着実に続けていくべきことだって多くある。だったら面白い「テーマを探し続ける」より、目の前に必死になることが面白い「状態」なんだと思います。つまんないな、じゃなくて、つまんなくしてるのは自分なんだから。
あとは、改めて失敗をしようと思います。
SUPER BEAVERの「身に覚えのある失敗をどうして指刺せる?」という歌詞にグッときます。人は愚かなので想像だけでは本当の意味で「わかる」ことってあまりない。痛みの伴う失敗をもって"痛感"しないといけない。経験して、わかるようになって、優しくなれて、強くなれる。事業7年やってるとつい流しちゃうというか、それとなく"やれてしまう"みたいなシーンが増えてきます。そこを改めて変えること、あえて自分の成功の形を崩すことが、次の成功につながっていく。自戒を込めて失敗をすることをやめたくないし、挑戦者を讃えたいなとと思います。
旅はまだ続く
これまでのご支援に心から感謝申し上げると共に、未来はまだまだこれから。COHINAを創業したことは私の30年間の人生で圧倒的にベストな経験です。私自身が誰よりもCOHINAのファンであり、一番の顧客であり、COHINA/STRATAの服が世界で一番可愛いと思っています。
人生を賭けたいと思うテーマに出会わせてくれてありがとう、20代をがむしゃらに事業につっこめて本当に幸せでした。
「あなたに陽が当たる服」を届ける挑戦は、まだまだ道半ば。小さな我々が心強いパートナーと共に大きく成長していくことを、ご期待いただけると嬉しいです。
どうぞ、引き続きよろしくお願いいたします。
2024/8/26 COHINA代表 田中絢子
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