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「珈琲を飲む時間」という商品づくり【MEMO】

珈琲に関するニュース/情報をインプットし、
噛み砕いてアウトプットするマガジン。
「COFFEE_MEMO_365」のマガジン記事です。

2020.6.25

【今回の引用記事】

【概要】
アジア人初のWBCチャンピオン井崎英典氏が中心となり、人とコーヒーのしあわせな出会いのプロデュースを行う株式会社QAHWA(カフア)が、
心と身体をしあわせな異世界へ誘う、究極の休息飲料「QAHWA MILK(カフアミルク)」を開発した。
「QAHWA MILK」は6月25日(木)より、CAMPFIREにてクラウドファンディングを開始する。
コーヒーに視点を向けるのではなく、
コーヒーを飲用する“時”に着目した。
 休憩の質を高める究極のコーヒーブレイクを「Brew Peace体験」と定義し、
このBrew Peace体験をもたらすため、 ホッと一息つくときに飲んだ記憶が強い“コーヒーミルク”を元に「QAHWA MILK」を開発。
心と身体の休息を促すため、 瞑想感の強い25種類のスパイスを煮出した元祖コーヒーをイメージし、 そこにリラックス感を高めるミルクをたっぷり加えた飲み物で、 これまでのコーヒーや、 コーヒーミルクの概念を壊した新しい休息飲料。
様々なシーンと合わせて飲用することで、 さらに深いBrew Peace体験を味わえる。
また、 コーヒー豆は付加価値の付けにくいボリュームゾーンの高品質の豆を使用し、 生産者を支える一助を担っている。
パッケージにはコーヒーカスを活用した再生紙を使用し、コーヒーを通してサスティナブルな社会の実現を目指している。
クラウドファンディングでは商品セットのほか、Brew Peace体験を体感してもらうため、 Zoom上で井崎氏がファシリテーターとなり、開発秘話やアレンジ方法を伝授、また実演しながらオンラインでQAHWA MILKを楽しめるクラウドカフェ参加権とのセット等、 幅広いリターンを用意。

商品について
コーヒーには「抽出」という複雑なステップが存在するため、その品質を再現することが非常に難しい。
だが「QAHWA MILK」はボトル充填型の商品(Ready To Drink)とすることで、どのような場所でも誰が買っても同じ品質とテイストが楽しめる。
【ボトルタイプ】
元祖コーヒーをイメージして、瞑想スパイス25種とコーヒーを煮出し、そこにリラックス効果が高いとされるミルクをたっぷりと加えた。
【濃縮タイプ】
QAHWA MILKから牛乳成分を除いた2倍濃縮タイプ。使用する牛乳は好みで低脂肪牛乳にしたり、或いは炭酸水で割ってコーラのようにするなど、自身で自由なアレンジが楽しめる。


【MEMO】
井崎バリスタから、
全く新しい珈琲プロダクトが爆誕しました。

この商品から感じたことは、
彼が培ってきた「珈琲」に対する考え方が、
細部にわたるまで設計されているな
ということ。

まず、
コーヒーに視点を向けるのではなく、
コーヒーを飲用する“時”に着目した。

というコンセプトが面白いですね。

珈琲そのものではなく、
人はなぜ珈琲を飲むのか。
という、哲学のような問い。

万国共通である、
珈琲を飲んだときの「ホッ」とする感情。
「湯上りに瓶で飲んだミルクコーヒー」という原体験。

その場のニュアンスや感情を変化させる力を持つ、珈琲を飲んでいる瞬間。

休息。

この「QAHWA MILK」という商品は、
こうした珈琲の本質的な価値をコンセプトにして、「これを飲むことで得られる休息の時間」がかたちになった。

だからそれは、
珈琲豆でもオリジナルブレンドでも、
秘伝のレシピでもない。

珈琲の最前線を走るひとが完成させた珈琲は、
純粋な珈琲ではなかった。

この辺のギャップが面白いですね。

そしてコンセプトも面白いですが、
商品設計もしっかり考えられてる。

「QAHWA MILK」に使用する珈琲豆は、
付加価値の付けにくいボリュームゾーンの高品質の豆。

高単価で話題になるような豆は、特殊な品種や製法を用いたもので多くの農家には再現性がない。
しかし、この商品に使われる豆はボリュームゾーンのものなので、多くの作り手に販売機会が与えられる。
かつ、中でも高品質なものと条件づけることで、消費者への品質の担保と、作り手のモチベーションアップを促している。
パッケージでも、コーヒーカスの再利用を用いることで、「QAHWA MILK」を選ぶだけで環境貢献が出来る。
つまり、関わる全員がWINです。

さらには、
珈琲が持つ「抽出」という特徴は、
経験者にとっては淹れる楽しみとなりますが、
初心者にとっては難しいというハードルになります。
「QAHWA MILK」では、これを完成品として提供するかたちを選ぶことで、誰がいつどこで飲んでも同じテイストを味わえる「安定」を取っています。

なぜ商品をこんな風に設計するのかというと、
恐らくでしかありませんが、

より多くの人にコーヒーのもたらす幸せを届けたいという想いであると感じます。

また、
「QAHWA MILK」はマーケットへの展開方法も工夫されていますね。

正直、記事を読む限りではどんな味になっているのか想像がつきにくい。
これは全く新しい珈琲プロダクト。
それ故に、出荷量や製造計画のベストはまだ誰もわからない。

ここで井崎バリスタはどんな手段を使ったか?

クラウドファンディングですね。

クラウドファンディングは、資金集めという側面に注目されがちですが、
他にも大きな効果を持っています。

2つ紹介するなら、まずは「生産管理」。

クラウドファンディングで商品をローンチする場合、
支援者の数→生産予定数に近い。
正確には、大まかな売れる数量を事前に把握することができます。

つまり、
鳴り物入りでたくさん作ったはいいものの、実はあまりニーズがなくて売れ残っちゃった。という在庫リスクを防ぐ効果があります。
商品コンセプトも斬新なだけに、普通に売ったら売れ残りて「失敗した」というネガティブなイメージが付くこともありません。

もう1つは、「広告効果」

クラウドファンディングのプロジェクトページは、それ自体が商品の紹介ページの機能も果たします。
そしてプラットフォームの特性上、SNS等のシェアによる拡散効果も見込めます。

一般人ならともかく、
「井崎バリスタがクラウドファンディングで新商品を出した」というトピックは広まりやすいでしょう。

さらに根本的なところで、
井崎バリスタ自体が集客力に長けている点があります。

まだまだ珈琲というジャンルでは、
オンラインサロンの数もほぼないですが、
井崎バリスタはその第一人者ともいえます。
他にも音声メディアである「Voicy」のチャンネル開設や、zoomを用いた珈琲のステイホーム企画など、

とにかくオンラインを使った伝え方も上手いバリスタなんです。

最後に、
井崎バリスタがこの商品の研究開発に費やした期間は約1年。
つまり、現在のコロナウィルスの感染拡大を見越していたわけではありません。

しかし商品コンセプトは、
コーヒーブレイクで少し立ち止まる時間を持つこと、 そして「休憩する=切り替える」時間の質を上げること。

奇しくも、
先行きの見えない情勢により人々の不安や孤独感を強めたコロナ禍において「休憩の質を上げること」が急務とされているように、

時代が求めるニーズが追いかけてきました。

珈琲の最先端を走るバリスタが提供する「QAHWA MILK」。
世界にこれからどんな「休息」をもたらしてくれるのか、注目ですね。



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