見出し画像

愛の剣

ついに手に入れたぞ!これが伝説の武器
「愛の剣(つるぎ)」だっ!

テッテレ~(効果音)

次郎は愛の剣を手に入れた。

ようし、これで魔王ケコーンと戦えるぞ!

こうして魔王ケコーンを倒した次郎は
最愛の嫁様と共に幸せに暮らしましたとさ。
【第一部:恋愛編 完】

・・・

【第二部:結婚生活編】

新たなる刺客、ストレス四天王が次郎を襲う。

四天王第一の刺客 セケンテー
四天王第二の刺客 グウタラー
四天王第三の刺客 キンケツー
四天王最後の刺客 ウワッキー

強大な敵に次郎は愛の剣で迎え撃つ。
しかし連戦に次ぐ連戦のため、酷使してきた
「愛の剣(つるぎ)」にヒビが…!
どうなる?どうする次郎!
結婚生活の明日はどっちだ!?

次回『砕ける剣』絶対観てくれよな!



はい。といったわけで
結婚生活の話なんですけど。

私考えたんですよね。
どうして、結婚生活が上手くいかない方が
多数派なのかなって。

パートナーの愚痴を漏らすのが
さも当たり前のような社会なのかなって。

それでまあ、これは私の仮説なんですけど…
みんな、最初に手に入れた「愛の剣」だけで
なんとかしようと思ってるんじゃない?って。
そういう結論に至ったわけですよ。

たしかに
愛の剣を手に入れた時の全能感はとても強いし
どんな困難にも立ち向かっていける気がするよ。
実際、愛の剣があればなんとかなっちゃうしね。
結婚は勢いだっていうのはあながち噓じゃない。

「両親への挨拶・顔合わせ・家族紹介」
「式場予約・打ち合わせ・ドレス選び」
「仕事と旅行の調整・旅行計画・準備」

これらは通常の精神状態じゃ太刀打ちできない。
テンション爆上げする伝説の武器がないと無理。
いや本当に「愛の剣」には活躍してもらったよ。

でも、いくら強力な伝説の武器とはいえ
そればっかりに頼るのは危険かなと思い知った。

結婚して一緒に生活をしているとさ
「愛の剣」だけじゃどうにもならないことが
ジワジワと湧いて出てくるんだよね。
いわゆる現実問題?
愛だの恋だのでウフフアハハやってるだけじゃ
にっちもさっちもいかなくなるわけさ。

お金とか第三者との付き合いとか。
あと何と言ってもパートナーの「許せない所」。
これが見えてくるんだよね。
恋の魔法が解けるかのように
パートナーの「えっ!?」という面が露呈する。

そうなると話は変わってくる。
今まで頼れる味方だと思っていたパートナーが
実は敵の幹部でした~!的な錯覚を覚えちゃう。

そりゃ「愛の剣」も輝きを失いますわ。
ヒビも入るし、なんならポッキリと折れちゃう。
魔王どころかスライムにだってやられかねない。

そして「愛の剣」が折れてしまった夫婦が
取る行動は大きくふたつに分かれると思う。

・離婚
・愚痴を言いつつ現状維持

そりゃそう。だって折れちゃったんだから。
付き合っていたときや、結婚当初のような
ラブラブウフフアハハな生活は無理ですよ。
スッパリ離婚して次の剣を求めたり
未練を引き摺って奇跡待ちに賭けてみたり。

離婚するにはまた莫大なエネルギーが要るので
とりあえず現状維持を選ぶ方が多いだろうけど
こうして不仲な夫婦は出来上がってしまう…
そんな気がしてならないのです。私は。

・・・

でも、現実的に、不幸な道に入らない
「仲良し夫婦」もしっかり存在するわけです。
割合的には少ないんだけど、確かに存在する。

私が思うに、その「仲良し夫婦」のやり方を
そっくりそのままパクればいいんじゃない?
って思うわけなんです。
もちろん完コピは無理なので自分に合わせて
カスタマイズというか調整は必要になるけど。

では「仲良し夫婦」が何をしてるかというと…
愛の剣は持っているけどそれだけに頼らないで
他の武器防具や魔法を身に着けているんです。

槍とか斧とかのまったく異なる形状の武器や
弓・クロスボウなんかの飛び道具もいいよね。
まとまった敵を一掃できる範囲魔法もグッド。
襲い掛かってくる敵に合わせて使い分けてる。
そんな夫婦だったら無敵って感じでしょう?
「仲良し夫婦」はそれらを持ってるイメージ。

で、肝心かなめの問題
その武器や魔法はどうやって手に入れるの?
ここが大事な所ですよね。

手に入れる方法はいくつかあります。
・買う
・自分で覚える
・他人に教えてもらう

要は、お金と時間を使って自分のモノにする
この世にタダなものなんかないんですからね。

たとえば、お金は言ってみれば魔法。
多ければ多いほど強烈な魔法が使えます。
実際、お金があれば解決できることって
めちゃくちゃ多いですもんね。
生活の安定とか、心の平穏にお金は大事です。
だからこそお金をがんばって稼ぐために
資格を取ったり技能を身に着ける、みたいな。

とはいえ、お金があればみんな幸せか?
無尽蔵の魔力を持つ大魔導士は最強なのか?
といえばそうではないと思います。
お金は皆が求めるモノの代表各なので
他人を蹴落として恨みを買うのは日常茶飯事。
ストレスに耐えれなくて心を壊すこともある。
お金稼ぎに人生を費やして、気付いてみれば
家庭が崩壊していたなんてありふれた話です。

だからバランスと言う名の鎧が欲しい。
家庭を良い感じに維持するための
収入と支出、貯蓄の黄金比率を刻んだ鎧が。
もちろん黄金比率とはパートナーと話して
心から納得いくバランスのことを指します。

そりゃね、新しい武器防具を持とうとしても
贋物にせものを掴まされたり、上手く使えないなんて
よくありますよ。あるあるすぎます。

(騙されたり失敗するなら、やらない)って
気持ちも分かります。そんなの誰だって嫌です。

でも私は「失敗」っていいことだと思うんです。

日本の教育のせいか親の影響か知らないけど
なんか、みんな「失敗」を異常に嫌ってない?

斧を持ってみたら重くて扱えなかった、なんて
斧を持たなければ一生分からないんだから。
逆に、持ってみたらしっくり手に馴染んだ
なんて話もごまんとあります。

失敗しないと経験値は貯まらないんです。

私のイメージの話ですけど「仲良し夫婦」って
壁があったらぶつかって、痛い思いをして
それでも思考錯誤して、最終的に壁を壊す。
そんなイメージなんですよね。

(現状維持でいい、同じ部屋にずっといる)

これだけじゃどんどん圧迫されて苦しくなる。
だって時間は流れて世界は変わっていくから。
ガソリン1リットル90円の時代なんか昔だよ。
物価は上がるし見たことのない職業も増える。
止まるってのはそれらを見ないってことだよ。

せめて、自分とパートナーの顔は見たい。
そして一緒に歩いていきたい。私はそう思う。

だから、自分に合った武器や防具、魔法を
買ったり作ったり、作ってもらうことを
私はしていきたいなって。

少なくとも私は、新しい武器のおかげで
嫁様との関係性がとっても良くなったよ。
武器の付与効果にあった
「夫婦で上手く話し合うスキル」は重宝してる。
やっぱり馴染む武器っていいものだね。

私の「愛の剣」は酷使しまくって傷だらけ。
でもポッキリ折れないようにメンテナンスは
それなりにしているつもり。
負担をかけすぎないように他の武器や防具も
揃えていきたいなぁって思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?