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夜空へ続く滑走路

中央フリーウェイ
右に見える競馬場
左はビール工場
この道はまるで滑走路
夜空へ続く

「ここだよ!」
タイミングを合わせ曲をかける。
中央高速を通るたびに誰もがやってしまう一コマ。

しかし僕は未だかつてここで夜空へ続く滑走路を見たことがない。
実際同じ景色を見ても例えば札幌の時計台のように「え〜!ここがあの写真の場所なの?」と期待と現実のギャップに愕然とするパターンだ。

でもそりゃそうだ。
ユーミンは松任谷正隆氏とまだ付き合っている時期のデートの帰り道の情景を曲に変換している。いわば恋の魔法に掛かった状態で見た景色だ。
だからその時と同じ景色を他の人が見ることは不可能なのだ。
恋している人は見ることができるんじゃないかと思ってもダメ。

「そんなの嫌だ」と拗ねることはない。

みんなそれぞれの「夜空へ続く滑走路」を持っている。
夜空へ続く滑走路は比喩なので人によってディズニーランドのお城が二人だけの夢のお城に見えるかもしれないしどこかの裏路地がパリの散策路に見えるかもしれない。

恋をしなければ見ることのない景色。
これこそ恋の醍醐味だ。

自分だけに見える魔法に掛かった景色を沢山持っているってとても素敵なことだと思う。

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