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CoderDojo名護でのMINECRAFTことはじめ

このnoteはCoderDojo Advent Calendar 2022の12月2日に登録しました。

またこのnoteは2022年11月27日に開催されたDojoCon Japan 2022の セッション「CoderDojo名護でのMINECRAFTことはじめ」に登壇した際の原稿です。

DojoCon Japan 2022の本編で流れた動画はこちらです。

 こんにちは。沖縄県北部地域で活動しているCoderDojo名護のチャンピオン、安藤です。今日はDojoCon Japan 2022のセッションで「CoderDojo名護でのMINECRAFTことはじめ」を担当します。どうぞよろしくお願いします。

 本セッションでは、CoderDojo名護でのMinecraftを活用した取り組み、楽しみ方を5つ、紹介いたします。Dojoの運営に携わる皆さまの参考になればと思っています。

 CoderDojo名護での取り組みは、Minecraftを楽しむためのごくごく一部の方法ですので、「そういうやり方もあるんだなぁ」くらいの心持ちで聞いてもらえたらとも思います。

 「こんなことやったらいいよ」とか「こういう方法もあるよ」というお話がありましたら、コメント欄やSNSでご連絡いただければ幸いです。

 MinecraftをDojoで始めたいと思ったら、いくつか疑問に思うことがあるかもしれません。
 そもそも子どもたちが夢中になっているMinecraftって何だろう? 何がそんなに楽しいんだろう? どんな遊び方があるの? Minecraftっていくつか種類があるの? どのくらいのパソコンのスペックが必要? どうやって買うの? 操作方法は? マルチプレイをする方法は? Dojoで扱う難しさは? 会場でプレイする場合、オンラインでプレイする場合、会場とオンラインのミックスでプレイする場合どうすればいいの? 必要な機材、おすすめの機材は? Minecraftが学びにつながるって聞いたけどどうなんだろう? などなど。

 私の分かる範囲でお伝えしたいところですが、時間に限りがありますので、今回はCoderDojo名護での4年間のMinecraftを活用した取り組み、特にクリエイティブワールドでのマルチプレイのイベントを紹介しながら、かいつまんで説明したいと思います。

 ちなみに私がCoderDojoを知ったのはMinecraftがきっかけでした。4年前、2018年、息子とMinecraftで遊んでいたのですが、Minecraftの地域コミュニティやイベントがないかとネットで探して見つけたのがCoderDojo宜野湾さんが開催するMinecraft Dayでした。そこに息子と参加した際、Minecraftで鬼ごっこをするイベントがありました。当時、小学生だった少年がワールドを準備して、コマンドを使ってイベントを進めているのを見て「すごいな!」と感動したのを覚えています。

 CoderDojo宜野湾さんのMinecraft Dayから私はCoderDojoを知り、そんなこんなで、地元名護でも子どもたちがMinecraftに限らずテクノロジーでモノづくりなどの体験ができる場があったらいいなという思いから、CoderDojo名護を始めました。


#①教育版マインクラフトワークショップ 

 CoderDojo名護では当初、シングルプレイでなにか作ったり探検したり遊ぶ子どもたちはいましたが、マルチプレイしていませんでした。

 私が、マルチプレイをする環境(サーバーやパソコン)を整えることや運用について「難しそう」と感じ、取り組んでいなかったからです。パソコンをどうしようとか、ソフトをどうしようとか、サーバーをどうしようとか、進行をどうしようとか、分からないこと難しそうだなぁということばかりだったのでマルチプレイはしていませんでした。

 それが変わったきっかけはマイクロソフト認定教育イノベーター沖縄さんとのご縁があり2019年に開催した「教育版マインクラフトワークショップ・研修会」でした。

 講師はマイクロソフト認定教育イノベーターの福島学先生で、参加した小中学生は家やシーサーをテーマに一つのワールドで建築をしていました。

 イベントの様子を見ていくうち、「やっぱりマイクラのマルチプレイって楽しそう! やってみたい。私でもできることからやってみよう。」と思いました。

 ちょうどその頃、第1回目のMinecraftカップが開催され、大会参加者には教育版Minecraftのアカウントが貸出されたのも、はじめるきっかけとして大きかったです。しかも教育版マインクラフトは簡単にマルチプレイができました。

 とは言っても、Minecraftカップ2019の作品づくりのため集まる機会をなかなか作ることができず、3回ほど集まって建築をして、どうにか提出したという状況でした。

 第1回目のMinecraftカップ以降はJava版Minecraftよりもパソコンのスペックが比較的低くても動くBedrock版Minecraftを使うようになっていました。

 CoderDojo名護では寄付があったり購入した2013年発売くらいのノートパソコンをメモリを増設して8GBにしたり、ハードディスクをSSDに取り替えるなどして貸し出し用として複数台、使っています。プロセッサーはCore i5などです。OSはWindows10で、サポートは2025年10月までなので、それまでは使おうと思っています。

 サーバーはマインクラフト公式が提供するサーバーRealms Plusを利用していました。新型コロナの影響で会場でのイベントができなくなっていたのも外部サーバーを利用した理由です。

 ただ、限られた子どもたちが参加するサーバーではありましたが、ワールドを公開したままにしていたら、途中から建物が壊されるなど荒れていってしまいました。それからはベントの開催時間のみワールドを公開するようになりました。

#②FMやんばる・マイクラ特番

 2020年の夏には地元のFMラジオ局・FMやんばるさんとの生放送ラジオ兼オンラインイベントを開催しました。

 当初、FMやんばるさんが企画する名護市市政50周年記念番組の1コーナーとしてMINECRAFT EARTHのイベントをやる企画でした。(MINECRFT EARTHってご存知でしょうか? 拡張現実版のマインクラフトというようなもので、現在は残念ながらサービスが停止されています。)

 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大のため、予防策として、開催日前日に会場が使えなくなり急遽、オンラインに会場を変更して「名護の理想の未来!をテーマに街をつくろう!」というイベントを開催しました。

 教育版マインクラフトワークショップでも手伝ってくれた方がFMやんばるさんにいて、その方にワールドの大枠を一夜で準備してもらいRealms Plusのサーバーにアップロードして子どもたちがZoomを使いながらYouTube Liveを視聴しながらマルチプレイで建築をしました。

 その時のドタバタはFMやんばるさんのYouTubeチャンネルで配信されているので、もしよかったら見てみてください。

 いつだって子どもたちはたいてい言うこと聞きませんが、YouTube Live配信中、パーソナリティの方が子どもたちの作品を見るためワールドに入ったら、パーソナリティの方のマイクラの視界にずっと子どもたちがキャラクターを入り込み、番組進行になかなか支障をきたしていました・・・のも今となってはいい思い出です。

 FMやんばるさんにはあの時、どう思ったのか怖くて聞けずじまいですが。

#③国頭村でのグローバルビルドチャレンジ

 2021年の10月には国連教育科学文化機関(ユネスコ)による世界自然遺産登録がされた国頭村でMinecraftを活用したイベントを国頭村教育委員会さんと共催でイベントを開催しました。

 ちょうどその時、MinecraftとユネスコがGLOBAL BUILD CHALLENGEというコンテストを開催していたので、そのコンテストのリソースを使わせてもらい、コンテストにも応募しました。

 重ねますが、ちょうどその年に国頭村さんが「第 2 期 国頭村人口ビジョン・総合戦略」を策定し、自然遺産登録を機会とした施策も公開されていましたので、子どもたちにはその計画を紹介した上で、ビルドにとりかかりました。

 オンライン参加枠はなく、会場参加のみのイベントでした。

 ちなみに今年はGLOBAL BUILD CHALLENGEの開催について情報がまだなくて、残念です。

#④沖縄美ら海水族館での開催

 2021年の末には、沖縄美ら海水族館でMinecraftのビルドイベントを開催しています。

 沖縄美ら海水族館のSDGsに関する取り組みについて職員の方からお話を伺い、次にウミガメ館・マナティー館を見学した後、Minecraftで未来の水族館づくりに挑戦する・・・というイベントです。

 会場参加と一部オンライン参加枠があり、ウミガメ館とマナティー館の見学の時は、スマホを持ってオンライン参加者にZoom画像で情報を共有したりしていました。

 沖縄美ら海水族館は沖縄の子どもたちなら一度は行ったことがある全国でも有名な沖縄のアイコンだと私は思っていますので、そこでコラボイベントができたことはイベントを企画する方として自信となりました。

 ところで、沖縄県では「Resort」と「Technology」を掛け合わせた「ResorTech Okinawa」の取組を推進しているのですが、観光+教育(体験)+技術でも、いろんな可能性があるではないかと感じます。そこにMinecraft、いかがでしょう。

 ・・・誰向けに話しているのか分からなくなってきましたので、閑話休題。

 ここまで、FMやんばるさん、国頭村さん、沖縄美ら海水族館さんと連携したイベントを紹介しました。

 Minecraftは子どもたちが地域の資源を知る、地域をより盛り上げるきっかけにもなる素晴らしいツールだと思います。

#⑤Minecraftカップ

 今年2022年は上半期はサバイバルをやって、6月末からはMinecraftカップに取り組みました。

 Minecraftカップについては公式サイトに情報がたくさんありますので、もしまだ参加されていない方は来年のコンテストに向けてチェックしてみてはと思います。

 CoderDojo名護では過去3回、Minecraftカップに取り組んでいますが、楽しいこともあれば、チャンピオンとして苦しく感じる時もあります。

 何が苦しいかというと、「そもそもCoderDojo名護に参加する子どもたちはこのコンテストに継続的に取り組みたいの?」ということです。

 単発のイベントなら、その場の勢いで作ったりすることもありますが、継続したイベントとなるとと、テーマについての調査したり、企画をたてたり、役割を決めたり、進捗管理等、Minecraft以外のことが必要になります。

 継続したイベントには、子どもたちのMinecraft以外の、しかもテーマに沿った「思い」が必要です。

 Minecraftカップに取り組むイベントについては、メンバーは固定せず、イベントの開催する日ごとに都度参加者を募集していました。

 CoderDojo名護がMinecraftカップに取り組む立ち位置としては、「『一人でつくったり、自らチームを作って作品応募するまでは至らないけれど、やってみたい』という子を支援すること」と考えているので、難しくなることは既定路線ではあるかもしれません。

 いろいろと難しいこともありますが、やっていると思いも寄らないところで光明がさすこともあります。それがまた見守る側としても面白いです。

 2019 年のMinecraftカップは会場に集まり作りました。2020年は個人参加のみということもあり参加者なし、2021年はほぼオンラインで、2022年は会場とオンラインのミックスで作品づくりをしました。



 オンラインが入る場合は、スピーカーフォン、それも2台を連結できるものがあるとオンラインと会場の相互でやりとりがしやすくておすすめです。

 また会場開催がある場合は、スクリーンから距離が近くても大きく映すことができる単焦点のプロジェクターも重宝しています。会場に大きく作品が映されれば、保護者のみなさんも何を作っているのか共有しやすいですし、「見てもらっている」「見せている」と作っている本人のやりがいにもなると思います。

#Try something new 〜 新たな挑戦 〜

 今回ご紹介した以外にもCoderDojo名護ではMinecraftのMODを作ったりMODで遊んだり、SKINを作ったり、動画編集したり、地域のお祭りに体験ブースを出展したり、小学校の総合学習で活用したり・・・とMinecraftを活用して楽しんでいます。

 今回のDojoCon Japanのテーマである「新たな挑戦」としては、海外に住む日本語以外を母語とする子どもたちとMinecraftを活用した交流をやってみたいなと思っています。

 私は英語もなにもしゃべれませんが、子どもたちのMinecraft愛で、おもしろいこと、体験ができるんじゃないかなと思っています。

 また、自分たちが住む地域をよりよく知るための機会にならないかなとも思っています。地域の取り組みを知り学んだ後、Minecraftでビルドすること、もっとこまやかに続けていきたいです。

 もしこの動画を見て、「なんか面白そう」と思った方はぜひCoderDojo名護までご連絡ください。

 一緒になにか楽しいこと企画しませんか?

 本日は本セッションを担当させて頂き、ありがとうございました。

 タイトルもデザインしていただき、今回、使わせていただきました。ありがとうございました。

 以上で、「CoderDojo名護でのMINECRAFTことはじめ」を終わります。


CoderDojo名護はみなさまのご支援により運営されています。 継続して活動を続けるため、CoerDojo名護は寄付を受け付けています。