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【映画『星の子』をみて、 横道に逸れて泣いた話。徒然で個人的な体験】

前情報としては
宗教に傾倒した両親を持つ子供の話と聞いた。

先に観たムスコに

「わかりやすい映画じゃないけど、
主人公がちゃんとクヨクヨする姿を描いていてよかったよ」とオススメされた。

芦田愛菜ちゃんの演技はどう?と聞いたら、
「変に強い演技ではなく、過不足ない表情していて、とてもよかった」と。

あとは情報入れずに行った。
始まってから、大森立嗣監督だったのかぁ、そういえば、と思った。

本編より、

私は最初の5分で泣いていた。

宗教にはまる、というところではなく、

生まれた次女のアトピー性皮膚炎により
家族が疲弊していく、というところ。

両親が、宗教にハマるのはそれがきっかけだった。
親の愛情からなのだ。

(宗教という描き方というよりは、その、素晴らしいエネルギーの入った『水』に傾倒し、その団体がある種のコロニーとして大きなものになっている。教義などについては映画の中で特には語られないが宗教法人なのだろう)

うちも、
コドモタチ、二人ともアトピーで。

特に二人目の時は小さいうちから大変で。

一人目のスイミング習っての水イボ治療がきっかけで、
皮膚科に行くようになったんだけど、

そこが地元でよく治ると有名なところで。

まぁ蓋を開ければ、ステロイド投与を得意とするところだった。
それこそ、ステロイドで蓋をするのが得意な医者であったのだ。

水イボと関係ない、ちょっとのカサカサブツブツしたところに、これ塗ってと出された薬がステロイドだったのだけど、

その頃は今と違って院外薬局による処方ではなくて(主流が)
院内で混ぜられ処方される軟膏が
ワセリンにステロイドであるとの情報提供もなく、
どんどんその痒いところが広がり、
その薬なくてはならなくなった。

下の子が生まれて、
乳児湿疹でかかったら、
その時も出されたのが後々ステロイドだとわかるのだった。
(聞いたら怒るのがこの医者の特徴。こっそり看護師さんが教えてくれた…)

二人ともアレルギー体質だったのは素地としてあるのだろう。
だけれども、
水イボにも、乳児湿疹にも、
ステロイドは本来必要なく、
どんどん広がっていったのは、
ステロイドによって広げられたものだと、
後に自力で学んで知るのだ。

(治療にステロイドが必要な場合もありますが、長期にわたる使用は本来すべきではない薬剤なので(二週間以上使用しない、とあのちっちゃい字の紙には書いてある。渡されなかったけど)あと、医師の指導で使うことでこれでいいんだろうなと思っていた。
が、根本治療を目指すための一つではなく対処法としてステロイドを使ってる医師だとね、はい。以下略)

ここに治療に通ってても、
治るどころか、広がっている。
ムスコも肌は綺麗に見えるところも痒がる。一晩中背中をかいてあげなければいけない日々。
ムスメは顔の皮膚がないくらい、
機嫌は悪く、おんぶしても背中に顔を擦り付けむずかり、おんぶ紐も、
朝起きればシーツも血だらけだった。ジュクジュクした液でシーツが張り付いたりしてた。
まぁ、寝ないし。
私はどんどん痩せこけてていった。

治療に通ってるのに何年経っても上の子も治ってない。
なんかおかしい、と気づき、
図書館でたまたま見た本によってステロイド依存と気付いたのだった。

無知だったので、それまで、
医者の言うまま、薬を使ってた自分を悔やんだ。

(まだステロイド被害を今ほど知られてなかった頃)

その蓋に気付いて、
ステロイドを止めようと決心して、
ステロイドに頼らないお医者を探した。

そこで出てきたのは『水』だった。

まぁ映画のとは違って、
電気分解した強酸性で肌を殺菌すると言うものだったけど。(お医者にかかったらもらえる形)

「体の70%は水ですからね」と言う言葉は本当に効くのだ。
水は誰でも必要不可欠で。
元がその水だから。

(水が大事なのはそうだし、今も浄水器は利用してます。水批判とかじゃないです)

強酸性水は、
一時的に効果あったように感じた。

乳児アトピー特有のジュクジュクがカサカサになる。

良くなったんだ、喜ぶ。

が、

朝起きると掌で集める程の剥がれ落ちた皮膚。毎日毎日。
血染のシーツが殺人現場のようで笑ったこともある←ちょっとハイ
山盛りの洗濯物。治らない機嫌も肌も。

そしてそのうち、

医師からの「ステロイド使いましょうか」との言葉。絶望感。

強酸性水が作れる高額浄水器、買おうとしたもんなー。
買わなかったけどー。

おっと、

話が長くなったけど、

ステロイド批判したくて書いたわけではなくて、

苦しんでた時のあの頃の自分に少し重ねてしまった。
街を歩けば指差され、かわいそうにと顔を背けられ、
知らない人に声をかけられ「良く効く医者があるよ」と言われ、聞くと、そのステロイドたくさん出す医者だったし。

本当にこの子と一緒に私も、と何度もも思った。
皮膚がなくて、
小さな身体で真っ赤になって力一杯泣く子で、母乳以外受け付けない子で。

映画ではそのシーンはそう長くないシーンで、

その『水』に出会って、そのおかげなのか、
(たまたま成長と共に良くなったのか)
赤ちゃんのお肌がきれいになっていくのだけど、それを見て、

映画の中のことだけど、

きれいになって、
泣いてばかりだったのがご機嫌が良くなって笑って、
それがとても可愛くて、

泣けた。良かったなぁと思って泣いていた。

ってことが書きたかっただけなのです。
5分にも満たない導入部。

人はそこまで強くないから、
そんな時頼れるところが欲しい気持ちはあるよね。

ここまで書いたことも、映画自体も宗教批判ではなく。

映画は、そこからがスタートで、
家族のこと、主人公の少女の日常と心情が
言葉で多く語られることなく、
描かれてます。

脇を固める役者陣に、
永瀬正敏、原田知世、
岡田将生、高良健吾、黒木華、
など。

主人公の友達役の子が、
とても良かった。(複数)

特別な扱いを受けて日常的に迫害されるわけでもないし、支えようとしてくれる人もいる。そうでないこともあるけど。
コロニーの中の日常も奇異的に異常なものではない。

思春期の、少女の心の揺れが、不安が、
繊細に描かれています。

一見の価値ある映画だと思います。

(ちなみにですがうちはそのあと、
根治を目指して、
別の方法を取り、
リバウンドも経験して、
脱ステしてます。
まぁ、それはまた別のお話。

残念ながら、完璧に治ったともいえないのだけど、いわゆるステロイド肌にはならず、ムーンフェイスにもならずに済みました。苦手な季節もあるけど調整してつきあってる。
あまりに酷いときや、一時的にはステロイド使うこともあったけど、ほとんど使いません。


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