見出し画像

ポッドキャストのリモート収録方法(コンテンツビジネス・ラボ)

「アニメ会社でゲームプロデューサー」「ゲーム会社でアニメプロデューサー」というユニークな経歴を持つ、鵜飼恵輔さんと一緒に、ポッドキャスト番組「コンテンツビジネス・ラボ」を展開しておりますが、いかんせん共に音響の素人ですので、ポッドキャストの音質には悩まされてきました。

行き当りばったり……いや、試行錯誤して、ようやく音質が安定してきたので、自分たちが行っている方法などをお伝えいたします。

収録の前提条件

毎回スタジオを押さえて立派な機材で収録すれば、クオリティは担保されると思います。
とはいえ、最初からそこまでギアを入れると、必ず途中で息切れしてしまうことが目に見えているので、ミニマムで始めることにしました。

すなわち……、
①宅録
②基本リモート
③対談形式コンテンツ(一人喋りは大変なので)

この3つが大前提です。
手軽さがないと、更新の負荷がかかってしまいますので。

またポッドキャストのリモート収録について、ネットで調べると「Anchor」というアプリにたどり着きました。

Anchor

スマホで収録から編集、配信全て行えてしまう夢のようなアプリです。
早速ダウンロードして使ってみると、日本語対応していないのですね。涙

でも、UIが分かりやすいので、全く苦労はありません。

ただ、Anchorだけだと音声SNSのClubhouse同様、話し相手の表情が見えません。
そこでZoomも同時に展開し、補うことにしました。

・Zoom:ビデオはオンで、音声はミュートに
・Anchor:音声収録

という役割です。

またiPhoneのマイクで直接声を録ろうとしましたが、マイクに近いと自分の息遣いまで録音され、遠いとそれはそれで音質がかなり悪くなります。
その微妙な按配に悩まされるのも面倒だったので、イヤホンマイクを使用することにしました。

「コンテンツビジネス・ラボ」の初期段階では、上記のような環境で収録されています。

編集ツールの試行錯誤

Anchorで編集やBGM・間奏の音楽も付けられるので、これは便利と思い使い始めましたが、早々に便利が不便へと変化してしまいました。
まず、スマホの小さい画面で音声編集するのは、本当にストレスです。
細かい編集するにはピンチアウトなどをせねばなりませんが、段々と自分がどこを編集しているのか分からなくなります😅

やっぱりパソコンで編集するしかないか……と思い、ネットで「音声 編集」で検索したところ、無料の音声編集ソフト「Audacity」を見つけました。
無料ということもあり、多くの人が使っているアプリです。

早速ダウンロードして使ってみると、今までスマホで編集していたのは何だったんだ!? というぐらい快適です。

さくさく編集できるし神ソフトです!

配信

編集はAudacityに任せて、配信は各プラットフォーマーへも流したいのでAnchorを再び活用します。
また、Anchorにはちょうど良いBGMなども用意されているので、音付けなどはAudacityではなく、Anchorで行っています。
細かい音の調整は、Anchorが自動的に処理するので、楽ちんです。

音も付けて、概要テキストも入れ込んで配信です。
意外と配信のフェーズは頭を悩ますようなこともなく、スムーズに進められます。

ただ、たまにGoogleやAppleで自動の更新が遅れていることがあったりします。
とはいえ今は遅れがあっても、だいたい数時間レベルですので、それほど大きな問題ではないでしょう。
英語になりますが、Anchorはサポートもしっかりしているので、何かあったらすぐ問い合わせて確認するのも良いかもしれません。

▼やり取り例
Anchorで発生したGoogle podcastsのエラーと解消

無視できないノイズの発生

開始からしばらくは上記のような感じでポッドキャストを展開していました。
ところが、冬になったせいでしょうか。
静電気が原因だとは思いますが、イヤホンマイクに「カサカサ」するようなノイズが入り始めます。

最初のうちは、Audacityで「ハイハイ、またノイズね~」という具合で消していただのですが、その内トークの盛り上がっているところをカットせざるを得なくなったりしました。
更に寒くなるにつれ、どんどんノイズは増してきました😂

もしや、iPhoneかAnchorの問題なのかも?と思い検証を進めましたが、やはりイヤホンマイクが原因です。

マイク部分と身体が触れないようにしていてもダメで、自然発生する静電気に影響されて、ノイズが入ってしまっている状況です。

ポッドキャストは、「音」だけが頼りのコンテンツです。
その肝心の「音」が聞き辛いクオリティの低いものになってしまうと、内容以前で聞いてもらえません。

これは根本的に解決しなければと思い、ここからまた試行錯誤が始まります……。

コンデンサーマイクの購入

ネットやYouTubeのマイクレビューで調べてみると、audio-technicaから出ている「AT2020USB+」がかなりの高評価です。
インディーズでアニメを制作している友人も、このマイクを使用していたりしています。

ただ実際、自分のポッドキャストの収録環境にマッチしているのだろうか……?
使ってみないとよく分からないところがあります。

少し迷いましたが、今はリモートで打ち合わせをすることも多いので、ポッドキャスト以外にも活用できるはず!?
思い切って、買ってみました。

このマイクの接続はUSBなので、iPhoneにはもちろん繋げられません。
そのために変換機も購入して、早速使ってみました……。

!?!?!?!?

iPhoneに接続は出来ました。
一応使えないことはなさそうです……。

しかしAnchorでリモート収録しようとすると、機能しません。
あれこれ接続し直したりしてもダメで、ギブアップ。
audio-technicaのサポートに問い合わせしたところ、正式にはiPhoneに対応はしていないようです……。

買ったマイクが無駄になってしまった!
頭を抱えて、途方に暮れてしまいました。

イヤホンマイクで収録するのはもう避けたいし、一体どうすれば……!?

Zoomでの収録を試す

どうも行き詰まってしまいました。
選択肢は一つです。
引き返すしかありません。

僕はずっとAnchor中心で、リモート収録を行っていました。
これがそもそも無理あるんじゃない!?

という訳で、まずZoomのリモート収録を試してみました。
リモートの音源を記録する機能があるので、Audacityで編集すれば、一番簡単なのでは?

しかし結論から申し上げると、Zoomで録った音源のクオリティはイマイチでした。
リモート会議などでよくあるような「リモート特有のノイズ」が乗っていて、シャカシャカ音がしたりします。
会話も少し機械音っぽいです。
とはいえ機械らしいのは、会議しやすいようにZoom側がチューニングしているのでしょうね。
そう。Zoomは会議であれば、とても優秀なツールです。

しかし、ポッドキャストの収録には不向きなのは確かです。
ここでも壁にぶち当たりました。

Audacityで収録

散々悩んだ挙げ句、ハッと気付いたことがあります。
ここまで僕は失念していました。
Audacityは編集だけではなくて、録音機能もあるということを……!

Zoomで表情を見ながら音声ミュート……ではなくて、音声はオンに。
Zoomの音声は録音されないので。
そして僕とリモート先の相手で、それぞれAudacityで録音して、各々音源ファイルを生成。
後に、再びAudacityの編集段階で、別々のファイルを一つにすれば良いのでは!?

早速、鵜飼さんと試しにテスト録りをしてみました。
イケる! 今回はイケそう!!

音質も悪くはないです。
今までのイヤホンマイクのノイズに比べれば許せる範囲です。

……という訳で、ようやく現段階での収録方法にたどり着きました。

今のクオリティは以下のような感じです。

収録方法のまとめ

長らく試行錯誤の歴史を書いてきましたが、整理してみます。

<収録>
・表情を見ながら話すため、Zoomでビデオはオン。音声もオン。
・Audacityでトークをそれぞれのパソコンで収録。音源データ化。
(Zoomの音源は使用しない)

<編集>
・それぞれの音源データをAudacityで1つのファイルにする。
・同時にトークの余計な部分をカットしたり、音のレベルを上げたり編集も行い、mp3データに。

<配信>
・Audacityで編集したmp3をAnchorにアップロード。
・BGMや間奏などを付けて、配信予約する。

現在は上記の方法で配信しております。
ただ、これが正解という訳でもないので、より良い方法も日々模索しています。

あと、もし宜しければ、ポッドキャスト番組「コンテンツビジネス・ラボ」の「登録(購読)」をして頂けますと励みになります!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?