一本 亮(いちもと あきら)

ココロデザイン株式会社代表。人事コンサルタント・日本人事技能協会理事。 人事の専門家と…

一本 亮(いちもと あきら)

ココロデザイン株式会社代表。人事コンサルタント・日本人事技能協会理事。 人事の専門家として、組織開発から教育、人事制度まで、幅広く企業支援している。 新卒などの離職を防止し定着を図るサービス「ココトレ」を立ち上げ活動する起業家でもある。 https://cocotre.biz/

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人事の仕事①!VUCA時代に重要となる人事と「人事の定義」

Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の頭文字を並べたVUCA(ブーカ)。今の時代を象徴するキーワードとして頻出するようになってきました。 こうした時代だからこそ、私たちは「経営資源であるヒトを扱う会社」として、「ヒトの力」をいかに活かすことができるか?という視点に立ち、「人事(個人と組織)」という仕事について、皆さんと共に学ぶ場を設けることとしました。

    • 国の平均年齢と活力について。

      今回は珍しく短文投稿です。 会社に平均年齢があって若いほど組織が活発で、逆に老いるほど活力が無くなるように、国という組織も平均年齢によって活力が異なります。 日本は世界最高齢の平均年齢48歳です…たしか笑 ◆平均年齢48歳って、会社で言うとどんな会社か? 平均年齢48歳と言えば、会社なら本当に見渡す限り「自分が若い頃は…今の若者は…」と新しいこと・新しい人を否定しまくっては、昔からやっていることを延々繰り返し、市場環境に合わない経営判断でミスりまくるアッパー層とイエス

      • 人材育成のキモ① すごくわかりやすい人材育成の視点

        今回は、組織づくりの話でも子育ての話でもなく、人材育成にまつわる話です。ま、たまにはこういうの良いか、と思って投下します。 私は人事コンサルタントであり、研修講師であり、ココトレの開発者でもあります。人事の理屈や理論に照らせばいろんなことを小難しく言うことはできます。でも、それって意味がないですし、誰の役にも立たないですよね。 なので、難しいことをいかにわかりやすく身近に伝えるか?それが大切だと私は思っています。 そして、誰でもわかるように伝えるとすれば、まず従業員の存

        • 組織設計・運用実務③ 人員計画の立て方

          今回は、人員計画の立て方についてまとめていきます。人員計画には、「要員計画」「定員計画」「人員計画」など狭義の考え方がありますが、今回の記事ではざっくりと会社の人員をどう計画したら良いか?という観点でまとめていくこととします。 人員計画は、向こう3~5年における事業計画を実現するための組織プランです。中期の事業計画が実現する頃には理想の組織が出来上がるように組織設計をしたうえで、遡って無理のないようにマイルストーンとしての年次ごと人員計画を作成するのです。 現状、多くの会

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          人事・人材育成の視点から考える子育てについて②

          皆さんの周りでも、「子どもにスマホを持たせるべきか?」「子どもがスマホを欲しがって困っている」といった話や、いわゆる「スマホ育児」などの話がチラホラ出てきたり、目にするようになっているのではないかと思います。 今回は、そうしたことの是非を問うような話ではなく(笑)、私が人事コンサルタントや研修講師として仕事をする中で、人事や人材育成の理屈とこれまでの実践経験を踏まえた「子育て論」について話を展開していく…という内容です。 (以前にも、第一弾として子育てしていく上での前提につ

          人事・人材育成の視点から考える子育てについて②

          組織設計・運用実務② 組織設計の具体的な進め方

          「組織をどのように作れば良いのか?」というテーマについては教科書的なものが乏しく、実際にはこれといった正解があるわけでもありません。頭を悩ませている方もいると思いますし、深く検討することもなくこれまでの組織図をなぞっている方もいると思います。 そこで、今回は組織図の具体的な設計の仕方について触れて行きます。 前回にも述べたように組織体制には経営戦略が明確に反映されるべきですが、そうでなければ一般的には、「役割(機能)の棲み分け」もしくは「レポートライン」、「癒着を防ぐため

          組織設計・運用実務② 組織設計の具体的な進め方

          組織設計・運用実務① 組織は経営戦略から生まれる

          「2~3年前も似たような組織体制だったよね?」こういう話をよく聞きます。 通常、多くの人事責任者や担当者は、「組織体制や経営戦略は経営者が考えるべき専権事項だ」とか、「そんな大それたことは人事にはできない」と考えるのではないかと思います。これは規模の大小を問わず、そのような考え方の企業や担当者がほとんどです。もちろん、経営者も人事部門に組織体制の構築を任せるところはそれほど多いとは言えず、多くは取締役会等役員の中で、経営企画室のような部署の提案を受けながら決定していきます。

          組織設計・運用実務① 組織は経営戦略から生まれる

          人事のプロが紐解く経営組織論⑦ 組織の階層化に関する考え方

          1.私たちの働き方と在り方この10年ほど働き方改革が叫ばれるなか、少子高齢化に相まっていっこうに進んでこなかった各種政策が、昨年からのコロナ禍によって一気に加速することとなりました(笑)。 これまではいったい何だったのか、と思いますが、それくらい命に関わらないと優先順位が上がらないのが、「従業員の在り方・働き方」といえるでしょう。 働き方が柔軟になってきたことはもちろんのことですが、働くということの「在り方」は、時代の推移ごとでざっくり考えると、バブルまでが「正社員の総合職

          人事のプロが紐解く経営組織論⑦ 組織の階層化に関する考え方

          人事・人材育成の視点から考える子育てについて

          最近取り扱っている記事テーマが主に組織論で少し堅い内容なので、私自身が扱っていて少し疲れてきています(笑)。そこで、今回は少しテーマを変えまして、人材育成の視点で考える子育てについてまとめてみたいと思います。 私には子ども(男×2)がおりますが、まぁ、親に似てあまり偏差値が高い感じではありません(笑) ただ、自分が人事や人材育成という仕事についているという職業柄、また自分自身の育ってきた生育歴上の問題意識から、子育てについてもその視点で見てしまいがちで、結果的に人材育成のコ

          人事・人材育成の視点から考える子育てについて

          人事のプロが紐解く経営組織論⑥ 管理スパンと組織の基本形態について

          この数年、ティール組織などの組織の在り方・組織開発にフォーカスが当たることが増えてきました。組織に興味を持つ人が少なかったこれまでと比べると、それ自体とても歓迎すべきことといえます。一方では、ティール組織のような「組織の在り方」が機能するには、その組織に所属するメンバーが考え方からスキルの保持、モチベーションの高さに至るまで一定レベルの均一化・標準化を図っておく必要があります。その上で、それぞれの個性を活かしてミッションに自由無碍に取り組むという高尚なお話なのです。 つまり

          人事のプロが紐解く経営組織論⑥ 管理スパンと組織の基本形態について

          人事のプロが紐解く経営組織論⑤ 組織風土の醸成メカニズム

          今回は、組織風土はどのように作られていくか?組織に関わるパワーバランスとメカニズムにフォーカスしていきます。 ざっくり結論からいうと、組織風土は「過去から現在に至るまで、上司と部下がどのような関わり方をしてきたか」で出来上がるムードですから、もしそれを変えるのならば、「現在から未来に至るプロセスで、上司と部下がどのような関わり方をするか」によって変えることができる、ということになります。 たとえば、簡単な話でいうと、熟年離婚の危機が迫っていて互いに口を利かない状況が数年続

          人事のプロが紐解く経営組織論⑤ 組織風土の醸成メカニズム

          人事のプロが紐解く経営組織論④ 組織マネジメントの方針打ち出しについて

          組織を変えるためには何が重要ですか?と問われることがあります。 私としては、まずは各現場管理者をしっかり押さえることが重要だと考えています。影響範囲が広く実務に直結しているからです。今回、組織風土を良くしていく土壌づくりの一環として、組織マネジメントの方針をどのような内容にして打ち出せば良いか、にフォーカスした内容をお届けします。 その前に、私が企業と関わる中で起こる「あるある」に触れてみたいと思います。 多くの企業において、現場で実務のマネジメントをしている管理者やリー

          人事のプロが紐解く経営組織論④ 組織マネジメントの方針打ち出しについて

          人事のプロが紐解く経営組織論③ 組織の生成と発展について~後編~

          皆さんは、「会社が一定のところまで来たけど、何か目に見えない頭打ち感があるんだよなー…」とか「組織ってどうやって成長させたらいいんだろうなー…」と感じること、ありませんか?過去、私は在籍していたいくつもの会社でそういう風に感じることがありました。 人事として経験・学習し、また人事コンサルタントとしてより専門性を高めていく中で、得た知見を「組織の各発展段階における危機」として今回お届けしていきます。自分で言うのも何ですが(笑)、核心的・本質的な内容で、保存版レベルといっても過

          人事のプロが紐解く経営組織論③ 組織の生成と発展について~後編~

          人事のプロが紐解く経営組織論② 組織の生成と発展について~前編~

          私たち人事コンサルタントは、クライアント企業を俯瞰して見る時、まずはその組織の成り立ちである沿革や社史を「その会社の履歴書」としてチェックするようにしています。 採用面接でいえば、面接官が採用面接で応募者の履歴書を見る時、応募者が「どのくらいの学力を有しているか?」「どのような企業でどのような業務に従事してきたか?」「何社くらい経験してきたか?」「どんな成果を上げてきたか?」といったことを確認しますよね。 それを面接で深掘りして揺さぶりをかけていくと、「本人の元々持っている

          人事のプロが紐解く経営組織論② 組織の生成と発展について~前編~

          人事のプロが紐解く経営組織論① 組織の定義について

          今回、組織を経営または運営していくうえで、組織というものを人事実務の視点から紐解いていきます。今後、この組織の定義を皮切りに、組織の発展、組織風土の醸成、組織形態の在り方、組織が有効に機能するための要素、人員計画の作成から人事制度に至るまで、私たちが実際に企業支援する際の実務知識をお伝えしていきます。ぜひ、ご参考にされてください。 人事コンサルタントは組織をどう見ているか?組織研究という観点でいえば戦前から軍隊組織にまつわる研究が存在しますが、よりアカデミックな研究としては

          人事のプロが紐解く経営組織論① 組織の定義について

          明治時代からの組織と人事の移り変わりについて

          皆さん、日本の組織や人事が歴史的にどうだったか、興味はありますか? このコラムでは、時代の変化に伴って組織と人事実務がどのように移り変わってきたのかを俯瞰していきます。なぜ、こうした時代の変遷を理解することが重要なのかと言いますと、現代の人事実務は、過去の歴史の積み重ねによって築き上げられたものであるからです。 「なぜ、成果主義が取り入れられたのだろう?」「日本は欧米と違って職能主義がメインだけど、なぜそうなったのだろう?」といった疑問に対する答えは全て、歴史の中にあるの

          明治時代からの組織と人事の移り変わりについて