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【短歌】操車場にオレンジ色の孤独たち発車できるとまだ信じてる

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心のままに詠んでみました。ベクトルを定めないスタイルで綴ります。
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2021年1月の記事一覧

短歌 ← 十首

短歌 ← 十首

1
ト音記号へし折ってから五線譜に愛を書き足したの誰ですか

2
ドップラー効果でしょうかついさっききみの口からしねときこえた

3
大嫌い 言った直後に口の中がひどく酸っぱくなるほど大好き

4
後遺症←自己責任原則転嫁〈義務教育〉宛ら懲役或いは虐待

5
拍手せよ今日まで生きてきたことを 自嘲せよ今日まで生きてきたことを

6
「リクエストされたページはありません」奇遇ね私もここにはいない

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短歌 、 十首

短歌 、 十首

1 
大切なことは二度言う隠したいことは何度も言って誤魔化す

2 
に、ん、げ、ん、は悲しい響き我慢して逃げないって言ってるみたい

3 
獣から人に戻るときにまとうその切れ端でいいからなりたい

4 
食べ物と暮らしています ぴーちゃんと名前をつけて暮らしています

5 
た、ま、し、い、はどんな意味持つ形容詞か知りたくて広辞苑を買う

6 
からころと誰とも噛まない歯車よ寂しさはこの頃正しさ

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短歌 うとと 十首

短歌 うとと 十首

1
まだふたり吹かれていたい小夜風に互いの鼓動凪がないように

2
花びらはいずれ散るために涙は必ず乾くために流れる

3
ドーナツに穴があいていなかったらわたしたち出逢えてないよ、絶対

4
スキップが下手なきみには生きるのが下手なわたしがよく似合ってる

5
ラジオからきこえたきみのSOS 奇遇ねわたしも地球出身

6
エコバッグからはみ出した長ねぎが全人類に抵抗している

7
疵物の林檎を食

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新刊用短歌、100首に到達しました!

どこまでも月が追いかけてくる夜ラジオの周波数をずらした

雨ですね 沈黙よりも天候の話が今のあなたとの距離

予報にはなかった天気雨が降るそう人生ってこういう感じ

繰り下がる引き算が苦手だったし理不尽なことは今も苦手だ

うさぎ小屋では幸せな順に死んでいく竹ぼうきの先に絡んだ毛玉

***

こんばんは、アマプラで往年の名画「クレイマークレイマー」を観て速攻で感化され「明日の朝はフレンチトースト

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短歌 前日 十首

短歌 前日 十首

1
いちご味といちごは違うそれだけで絶望できた頃に戻ろう

2
レモンを家の本棚に隠して本当に爆弾になる半年後

3
青春はビタミンCが過剰です風邪を引いても平気なくらい

4
くしゃみして一歩だけ死に近づいてすぐに離れてそれでも一歩

5
飛行機が頭上を飛んでいることと杞憂の由来を噛みしめている

6
なぜきみが今もひとりでいるのかを知りつつ灯る真白い洋燈

7
End of your happ

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