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【短歌】操車場にオレンジ色の孤独たち発車できるとまだ信じてる

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心のままに詠んでみました。ベクトルを定めないスタイルで綴ります。
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2018年9月の記事一覧

短歌 抵抗 十首

短歌 抵抗 十首

支配者の寝顔に油性マジックで綺麗な花を描いてあげたい

怒るべきときがあるから今はただは葦の隣でゆらり揺れてる

ステータスなんかできみを見ていない 学歴 お金 ぜんぶモノクロ

誰がどう言ってもがいいさこれからは君の隣が私の居場所

ササクレのある指先で触れられて痛みを知ったつもりになって

チカチカと蛍光灯の明滅にあの子の名前を思い出す夜

ひっそりと生きてゆきますこれ

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短歌 無添加 十首

短歌 無添加 十首

この窓は君に続いているだろう 何があっても開けないだけで

三日月を飾ってみるとモミュの木は優しいほうへ輝きを増す

限られた命と知ってなお犯す過ちまでももはや愛しい

駅舎から海が見えると君は言う その水底に私は沈む

寝顔には邪推をしても意味がない みんな天使に還るのだから

優しさは無添加だよと笑う君 私にしたらじゅうぶんに毒

食卓の上に置かれた人形は通電すると走り

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