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【短歌】操車場にオレンジ色の孤独たち発車できるとまだ信じてる

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心のままに詠んでみました。ベクトルを定めないスタイルで綴ります。
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2018年3月の記事一覧

短歌 アドレッセンス 十首

短歌 アドレッセンス 十首

頭からトマトスープに突っ込んで溶けたあなたの味が好みよ

あやとりの得意な人は手をあげて そこに神経を通しますね

危険だと早く逃げてと叫ぶ君のシルエットがもう笑ってる

なにもかも芽吹き始めたせいにして思う存分浸っていいの

走り出す理由があると泣く意味がなくなることに気づいてるかい

教科書に載せられなかった現実を書き加えたら楽譜になった

永遠は一瞬の中にだけ在る 奇

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短歌 卒業 十首

短歌 卒業 十首

へたくそな口笛だって構わない 今はひたすら声がききたい

桜色の袴が似合う人でした ほんとに淡く散ってしまった

嫌いとは愛の同義語 三月の空になびかぬ切りすぎた髪

アイシャドウなんてつけない 嘘のない瞳で君を見ていたいから

ツーアウト満塁みたいな恋をした 次の一手が決定打なの

居残ったざわめきがまた暴れ出し蕾のきみをこじ開けてゆく

萌芽とは青年の春に訪れる葛藤の蔦

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