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笹塚 心琴 【す-19】文学フリマ東京38
2018年1月19日 18:26
突然に私の頬に雨が降る 過日に捨てた夢の破片だ セイハロー、天国に向けセイハロー、そろそろ着いた頃だと思う 優しさはこころの果実と心得て熟れたらそっと左手でもぐ 北風に怯えた日々もあったけどジャズのリズムで乗り越えてみて あたたかさだけが正しいわけじゃない 気づきを与えてくれる冷たさ 棘や毒、牙よりもっと怖いのは言葉という名のヒトの劇薬被害者が誰だか既にわからない
2018年1月18日 18:56
芽吹いたら底を知らない恋心 晩冬の空に毅然とあれ 「ありがとう」と「愛してる」の言の葉はくすぐったさがとても似ている 灰色の冬を脱ぎ捨て街に出よ 小さな春を捕まえにゆけ 届かないことは同時に尊さを伝えることだと気づいた喪服 iPhoneの画面にたぶんアイはない eyeで追うのは虚しさばかり あの日から心に決めたことがある 何が何でも生き延びてやる 疲れたら詩歌を
2018年1月6日 18:34
満たすことは乱すことと言い淀み強くなれない言い訳をする ボサノバかボッサノヴァかを問うよりもそのボサボサの髪をなんとか あの人がいなければ良いこの胸が泣くことがもうなくなれば良い 繋ぎ目がじんじん痛む日もあった それは束縛だったからかな 雨の夜は優しい歌が歌えない 獣になるしかすべがないから 赤色の点滅のほうを見つめて失せた面影まだ探してる 心配をこころくばりと
2018年1月5日 18:50
理解してなんて言わない私たち輪廻の外で幸せだから 滲んでる境界線を引き直しもう一度だけ正気を保つ 終焉に向かう世界を泣き喚く貴方のせいにしてしまえたら 最後尾からの方が早い 閉じてゆく日を数えるならば 正しいと叫べばいいのに本当はわかっているの正しくないと 切ったはずの縁がぬくりと蠢いて春が近いと囁いている後悔はしてもいいけどそれならば私に気持ちを伝えてから