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2017年12月の記事一覧
短歌 ヒストリー 十首
好きな色も知らない人にプレゼント 有馬記念より緊張する
本当にいいんですねと念押され急にためらう愛の告白
流行らないタバコなんかでごまかして微笑めるのは今のうちです
心にはしっかり棲みついているのに歩幅を知るとイライラしちゃう
左側なんて嫌です支配してほしいの右ききのその腕で
こんなにも心が痛い原因は君なんだから責任を取れ
休日にカフェデートなんてしゃれこんでイオンモールが恋しくなった
短歌 煌めきの赤 十首
満たされるつもりなどない 愛情に底があるとは思えないから
私たち重ねた日々が鮮やかに広がってゆく影が愛しい
ゆく季節に柔らかなサヨナラを真白いベッドの上で告げるの
銀河系の隅っこでまだ泣いてるの 胸を裂くならフレアを想え
リトマス紙みたいにわかりやすいひと 嘘がつけないところも一緒
情熱を薔薇に託した歌の所為 私は耳を塞ぎ続ける
僕らみな太陽の子と笑えればどこに
短歌 ジュブナイル 十首
本当にごめんなさいという君の心の声をよく確かめて
さよならは無駄がないから悲しくてWordの余白を拡げてみた
かくれんぼ 鬼ごっこ ままごと全部黒で潰した理由も知らず
手と手と手 真っ逆さまに落ちてゆく あたし地獄をもう知ってるの
あの人は確かに私の傷跡だ ずっと居残り光を放つ
笑うとき悲しそうな目をしていると言われるまでは気づかなかった
暗闇を言い訳にして触れ
短歌 14歳的な冬 十首
エスパーもバースデーにはローソクを普通に吹いて消すのでしょうか
天井を泳ぐ幻に向かって「お前は不幸」と呟く不幸
消しゴムで不安が消せたらいいのにな 既読スルーにうなだれる夜
そういえば最近はいつ叫んだか覚えてないけどこころはいつも
「解き放て!」そう言われても解き放つための自分がどこにもいない
本音すらコピペだったと知ったからどうか私の顔を返して
見渡せば似た顔