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【短歌】操車場にオレンジ色の孤独たち発車できるとまだ信じてる

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心のままに詠んでみました。ベクトルを定めないスタイルで綴ります。
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2017年10月の記事一覧

短歌 boo! 十首

短歌 boo! 十首

似たような顔をしているあなたがた 個性という字を書いてみなさい

笑うより笑われるほうがよほどいいことに気づけぬ愚かなbabe

ヴォージョレの解禁を待つ者たちがすでに倉庫にしまったハロウィン

ジャケットに黒のキャップが目印の犯人だって恋をしている

合言葉を入力してね わかるでしょコピペなんかで誤魔化さないで

天使の日に学校を休むと空から降ってきたのはかわいいあの子

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短歌 晩秋 十首

短歌 晩秋 十首

ドキドキはもうしないかもしれないが安定感は誰にも負けない

決断をするときいつも背を押して風さえ吹かしてくれるから好き

口下手もここまでくれば芸術で冬が来るのは貴方のせいだ

枯れ葉舞う日に貴方がそばにいて微笑んだから吹いた一号

アイスティーの氷が溶けるのを見届け私は私を取り戻した

目を閉じた後の世界がモノクロで何故か貴方だけが極彩色

マッシャーで潰したいのはポテト

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短歌 (非)日常 十首

短歌 (非)日常 十首

幼な子の見上げる空を飛ぶ蝿の祝福の辞など誰も知らない

瞳から落つる涙を受け止めるためだけに傘を持ってきました

生きている間限定の感覚に溺れぬわけが見つからないわ

左手の薬指には約束が血管を殺し巻きついている

ラブラブは「愛愛」ですかそれとも「二人」と和訳しますか

最近じゃ神様もシフト体制でシームを狙い撃ちする悪魔

我が生は各駅停車のごとくある だからこそ知る花の

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短歌 萌芽 十首

短歌 萌芽 十首

ともし火の揺れるほうへと進んだらあなたが飾ってある植物園

たどり着く場所に双葉が生えていて間違いないと確信をする

手のひらの上で踊った枯葉ならつい先だって地球になった

あなたたちいつか地獄へ堕ちるわよ スパティフィラムをいじめたから

嬉しいと芽吹く仕組みの虚しさは悲しみとセットでとても嬉しい

最終の電車にて帰る平日の憂さを吸い取るアパートの草

思い出は美化されて

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短歌 晩秋 十首

短歌 晩秋 十首

星座だけ嘘をつかぬと知っている ゆえに見上げる秋の三角

家計簿は年中冬と主張して いや晩秋と言い返す君

急激に転がり落ちた秋だから 怪我はないかと聞いてあげたい

支配したはずの季節に裏切られ 変わらぬものはどこにもなくて

秋猫は落ち葉の衣で支度する 心だけ咳く冬はすぐそこ

悲しみは秋がとっても似合うから 今は好きなだけ泣くといい

最新の自分探しの方法は サンタクロースが知っ

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