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【俳句】春をまつ君のとなりで編む光

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日々の気持ちを一句に詠んでみました。
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記事一覧

【俳句】メンバーシップ句会に参加しました+徒然

【俳句】メンバーシップ句会に参加しました+徒然

くりの実をくいと指さすおさなごよ

ためらいと喉をくだるか濁り酒

木枯らしにめくれる文庫かげひとつ

気もそぞろホットワインを飲み干して

短日に霧散していくひとりごと

Kusabueさん主宰のメンバーシップ句会、秋冬の会に参加しました。急に寒くなり、風邪をひいたこともあり、心身ともに温まる句が詠みたいなと思って作りました。

一句目のくりの実の句は、幼い子どもの喃語の作品です。まだ「ら行」が

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【俳句】晩夏・初秋の五句

【俳句】晩夏・初秋の五句

世に響く蝉の声こそ警鐘か



ひぐらしよ宛名滲んだ茶封筒



うつせみをしずくといだく野の草よ



薬飲む喉もとの汗ひとすじよ



秋蛍よ月にも太陽にも媚びず

俳句は私にとって、振り向いてもらえたと思ったらするりとすり抜けていく、気まぐれな猫のような存在です。

思うままにならないからこそ、愛しさが募るのかもしれません。

今回のメンバーシップ句会は、晩夏から初秋の季語での作品を

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【俳句】夏の三句

【俳句】夏の三句

原爆忌祈り託した千羽鶴

水槽をじっと眺める熱帯夜

白球が夢と翔けるか甲子園

こんばんは。びっくりするくらいの豪雨で暑さが少し和らいだ午後でした。ころころ変わる天気は、夏の終わりを感じさせます。まだ8月上旬なのに……。

今日から夏の甲子園が始まりましたね。第一試合がいきなり延長戦というアツい展開。我が家は昼にそうめんを食べながら見ていたのですが、試合に引き込まれてこんな短歌を作りました。

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【俳句】夏の三句と日記☀️

【俳句】夏の三句と日記☀️

手花火よ笑ってみてもやがて散る

並べられいっとう甘いさくらんぼ

トマト切る後ろ姿に謝罪する

こんばんは。ひさびさに俳句を作りました。あまりに暑いので、いっそ夏を味わってしまおうと思った次第です。

猛暑の今日、外回りの仕事でガッツリ紫外線を浴びてしまいました。日傘と対策クリームは装備しましたが、それを上回る容赦ない陽光でした……。

明日はひさびさの在宅勤務なので、朝は通勤時間分、のんびり過

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【俳句】メンバーシップ句会+α(春・夏)

【俳句】メンバーシップ句会+α(春・夏)

さえずりを真似ている児のほっぺたよ

゜.*。。.゜゜.。。.゜゜.。。.*゜

水筒に歌まで詰めた遠足よ

゜.*。。.゜゜.。。.゜゜.。。.*゜

さくらしべ降るもう一度歩き出す

゜.*。。.゜゜.。。.゜゜.。。.*゜

青嵐おのれの意志で拓くみち

゜.*。。.゜゜.。。.゜゜.。。.*゜

初恋かいちごミルクを潰す夜

゜.*。。.゜゜.。。.゜゜.。。.*゜

照らされて頬赤らめる

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【俳句】春の五句と日記

【俳句】春の五句と日記

芽吹きこそ風が指揮するシンフォニア

口笛の卒業ソング掠れる夜

初蛙目覚めてもまだとぼけ顔

花冷えに歩幅広げて進むみち

言い当てる言葉もなくて猫の恋

こんばんは、1日おつかれさまです。Kusabueさん主宰の「ハイクサークル」メンバーシップ句会に投句した俳句たちです。

Kusabueさん、メンバーシップの皆さん、今月もありがとうございました! 参加できて楽しかったです🌸

さて、昨日の

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【俳句】去る冬を惜しむ六句とつれづれ

【俳句】去る冬を惜しむ六句とつれづれ

寒雀弱くてもいい生き延びよ

かわいさにあだ名を得るか冬の鴨

枯れ枝よそれでも天を指して在る

かじかんだ指で結んだ蝶むすび

寒風に隅のめくれた時刻表

沈黙よ雪降る屋根の猫二匹

こんにちは、笹塚です。気がつけば一月も終わり、立春が近いですね。暦の上では春がやってきます。

とはいえ、まだまだ寒い日が続きますが……。

今回の俳句は、去りゆく冬を惜しんで詠んでみました。寒いのは得意ではありま

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【俳句】冬の五句とイブの日記(衝撃の一言)

【俳句】冬の五句とイブの日記(衝撃の一言)

セロリまで筋が朝向く食卓よ

染まりゆく名残りの空に手透かして

思い出を指で閉じ込め日記果つ

白鳥よ旅立つ朝の決意こそ

木枯らしが窓たたく夜のオラトリオ

こんばんは、メリークリスマス✨🎄いかがお過ごしでしょうか。Kusabueさん主宰のメンバーシップ句会、12月に参加しました。今回は冬の季語での作句でした。

そろそろ今年一年の振り返りなどをする時期ですね。早いなー。また別記事にて振り返

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【俳句】冬の五句と日常

【俳句】冬の五句と日常

癖のある毛先からめて冬ネイル

髪切ってうなじを照らす冬の月

短日に便りを待って頬杖よ

月冴えて路傍の鍵の青錆よ

冬鷺の群れて水面に輪を重ね

Kusabueさん主宰のメンバーシップ句会に投句した俳句たちです。句会の皆さん、ありがとうございましたー! 今回は、冬の季語で詠んでみました。今日から師走、きゅっと寒くなりましたね。

髪を実際に切りました。そしてほんのりブラウンに染めました。美容室

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【俳句】秋の実りの五句と日記

【俳句】秋の実りの五句と日記

勝ち負けは二の次にして運動会

羽ばたきも鈴の音色よ小鳥来る

秋の蝶うつつと夢幻さすらうか

旅人の終着点か天の川

柘榴割る恋にやぶれた昼下がり

こんばんは。Kusabueさん主宰の「メンバーシップ句会」10月に参加しました。以上は句会に投句した俳句たちです。メンバーシップの皆さん、いつもありがとうございます!今月も楽しく詠むことができました。

今回も、紙のノートに書き出し

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【俳句】秋の五句とある企み

【俳句】秋の五句とある企み

手かざしてひとり佇む望くだり

赤とんぼ子らの頭上に弧描いて

夜学してペン先夢に近づくか

影ひとつ夜風に揺れるすすきの穂

返せない手紙仕舞って秋風よ

こんばんは。九月の「メンバーシップ句会」に参加しました。これらは句会に投句した作品たちです。句会の皆さん、いつもありがとうございます!

秋って不思議な季節のように思います。「実り」「豊穣」のイメージと、「物寂しさ」とが共存しているような気が

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【俳句】いずれだれもが【お知らせ】

【俳句】いずれだれもが【お知らせ】

ひぐらしに歩を止め祈る友のこえ

受話器から泣き声がして夏の果

はしゃぐ児の影を目で追う夕凪よ



引き出しの出せない文が秋を待つ



天の川いずれだれもがかえる場所

こんばんは。Kusabueさん主宰の「メンバーシップ句会」8月に参加しました。今回は晩夏~初秋・秋の季語を使って俳句を詠みました。季節のうつろいをダイレクトかつダイナミックに感じられる、俳句って難しいけど、いいものだ

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【俳句】夏の五句と知性とは(日記)

【俳句】夏の五句と知性とは(日記)

幽霊も踊るしかないフェスの夜

背伸びして後悔ののち夏休み

夕立ののちに手放す執着よ

青嵐それでも笑んでよいか問う

水玉を見つめる瞳もまた玉よ

こんばんは、笹塚です。一週間お疲れさまでした。ラジオを聴いていたらふと流れてきたこの曲に一目ぼれ(ひと聴き惚れ?)して、最近は作業中はこの曲をヘビロテしています。カラオケにも入っているようなので、いろいろなことが好転したら、ぜひとも歌いたい……!

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夏の五句と消えた窪

夏の五句と消えた窪

蝉しぐれ告白されて鳴りやまず

すくわれた金魚はねてははしゃぐ声

走馬灯ながめるひとに廻すひと

鴨の子のおそるおそるよ初水辺

初恋の終わりに揺れる吾亦紅

金曜日、いかがお過ごしでしょうか。笹塚です。上に載せたのは、メンバーシップの「ハイクサークル」に投句した作品たちです。句会のみなさま、今月もありがとうございました!

フヅクエ西荻窪に行ってきました

先週のことですが、「本の読める店フヅ

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