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商品企画に役立つ繊維基礎講座

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国内の繊維産業の衰退は著しく、多くの繊維製品を扱う会社が海外生産を請け負う商社に素材選定から企画まで丸投げしています。結果、以前のようにモノ作りの現場を知っている商品企画や生産管… もっと読む
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2019年3月の記事一覧

第3章 2-1ニット(編物)〜横編みの生地

 糸が横方向にループを作りながら走って編み地が作られます。緯糸(よこいと)だけで作られた生地ともいえます。従って、横方向の柄(ボーダー)は表現できますが、縦方向の柄の柄(ストライプ)は表現できません。天竺編み、ゴム編み、パール編み、両面編みの4つの基本組織がります。 天竺編み もっとも基本の編地。平編みともいいます。身近なところではTシャツが天竺編み。表目と裏目の区別がはっきりしています。たて方向よりよこ方向によく伸びます。靴下やセーターも天竺編みが多いです。 Pixab

第3章 2-2横編みには二種類の機械がある

 糸が横方向にループを作りながら編まれる編み地を横編みといいます。横編みを作る機械にはグルグル回りながら筒状に生地を編む丸編み機と左右に糸がターンしながら編み地を作る横編み機があります。 丸編機   円形の編機で編地を筒状に編んでゆく。大きな筒を編む大寸から、小さな筒を編む小寸まで、いろいろな大きさの丸編機があります。Tシャツや肌着の場合はサイズに合わせて寸法の違う小寸の編機で編地をつくるので脇に縫い目のない服になります。次に紹介する横編機と比較して、細い糸を使用すること

第3章 2-3経編み(縦方向に糸をセットして編む)

 織物と同様に経糸をセットして、経糸を編み針で隣の糸に引っ掛けながら編んでいきます。横編みと比較すると伸びが少ない、織物と横編みの間くらいの伸度。トリコット編機、ラッシェル編機があり、編地名としても使用されます。基本編地としては、デンビー編み、コード編み、アトラス編み、チェーン編みがありますが、一般名称としては使用されていません。  経編機において、一列に編み針が並んでるタイプを1列針床、2列のものを2列針床と呼びます。1列針床編み機でつくられたの場合はシングルトリコット、シ

第4章 染色と加工の基礎知識

1. 染料の種類と素材の相性  1-1.染料の種類  1-2. 素材に適した染料 2. 生地の加工  2-1代表的な加工一覧

第4章 1染料の種類と適合繊維素材

染料の種類  反応染料、直接染料、酸性染料、カチオン染料、建染染料(主にインディゴ染)、硫化染料 、ナフトール染料、媒染剤を用いる植物染料(草木染)、酸性媒染染料、分散染料などが主な染料。繊維の種類と主な染料の相性は次表の通りです。 各染料と繊維素材の適合表

第4章 2代表的な生地の加工

第5章 縫製の基礎知識

各項目の解説ができたらリンクを貼っていきます。どうぞよろしくお願いします。 1. 縫い目について  1-1 本縫い  1-2 環縫い 2. 環縫いの種類   3. アイテム別の使用される縫い目  3-1シャツ  3-2ジャケット  3−3ジーンズ

第5章 1縫い目について

縫い目構造から分類すると、縫い目は本縫いと環縫いの2種類しかありません。 1-1 本縫い  本縫いは上糸と下糸で出来ています。ミシンの釜と呼ばれる部分に下糸が巻かれたボビンを装着。針に通った上糸が布を貫通して釜の中の下糸とからんで縫い目が作られます。 生地の合わさった真ん中で上糸と下糸が交差するのが良い縫い目。 本縫いミシンの縫い目形成をわかりやすく解説してくれています。↓ 1-2 環縫い 環縫いには非常に多くの種類がありますが、生地の裏側にまわっている糸も全て機械

第5章 2環縫いの種類

環縫いには大きく分けて、オーバーロック、安全縫い、扁平縫い、二重環縫いがあります。ペガサスミシンのサイトに掲載されている縫い目一覧が大変分かりやすいので紹介します。https://www.pegasus.co.jp/ja/machine/seam/ オーバーロック 安全縫い 扁平縫い 二重環縫い

第5章 3アイテム別の使用される縫い目

 素材や衣服の部位によって、使用されるミシンが違います。以下の3つのアイテムで一般的に使われる縫い目を確認しておきましょう。 参照サイト https://www.juki.co.jp/jp/muse/sew_m/shirt.html http://www.juki.co.jp/industrial_j/products_j/itemlist/index.html https://www.pegasus.co.jp/ja/machine/item/ 3-1 シャツ 3-

第6章 縫製仕様書

1. 縫製仕様書とは  2. アイテム別縫製仕様書  2-1 シャツ  2-2 パンツ  2-3 ジャケット  2-4 カットソー Image by Free-Photos on Pixabay

第6章 1縫製仕様書とは

縫製仕様書に書かれていること 洋服の設計図。洋服の絵型、使用生地、縫製仕様(縫い目、縫い糸、縫い代の始末など)、副資材(ボタン、ファスナー、ホック、芯地、テープ、ブランドネームなど洋服に付属全て)、仕上がり指示寸法などが記載されています。 縫製仕様書を書くのはパタンナー 通常、縫製仕様書はパタンナーが作成します。ただし、パターン作成依頼時に、主要寸法は依頼側が指示する。また、こだわりのポイントがある場合も同様に事前に記載するか、パターン作成の打ち合わせ時にパタンナーに伝えま

第6章 2アイテム別縫製仕様書

シャツ、パンツ、ジャケット、カットソーの縫製仕様書の例を掲載します。 シャツ参照元はこちら パンツ参照元はこちら ジャケット参照元はこちら カットソー参照元はこちら

第7章 生地検査と品質表示について

1.生地検査基準データ案   ・染色堅牢度    耐光・洗濯・汗・摩擦・ドライクリーニング・色泣き ・物性試験      引張・引裂・破裂・滑脱・ピリング・表面フラッシュ他  ・寸法変化率   家庭洗濯・ドライクリーニング 2. 品質表示について  2-1表示例   ・繊維の組成(混用率)、家庭洗濯等取扱方法、付記用語  2-2 繊維の名称を示す用語   ・綿とかポリエステルなど繊維の表記について。英語もあり?  2-3 家庭洗濯等取扱方法(洗濯絵表示)  2-4