『数字の象形』《おとぎばなし》「9」(555文字)
「9」
いよいよ誕生の瞬間が近づいたのじゃ。
この世に生を受け、それを全うする。
この再び顕われた勾玉の容が、霊を纏った似姿であると神さまは申された。
個としての生命の仕組みを「8」で受け、自らの視点を以てこの世界に対峙する萌芽をわしらにお与えになったのじゃ。
神なる存在は、大いなる自然の意志を受け、個々の存在の個々の視点を重視するように、大いなる自然を据える位置を私たちにお与えになったのじゃ。
まさに、これが霊化へ向けた第一歩じゃ。
人間から人へ。
その準備のために、「9」をしてこの世に生まれついたのじゃ。自らの視点で自らを知る。その容が「9」なのじゃ。
これが「誕生」じゃ。
新たな冒険と希望に満ちた世界へ飛び出し、そこで様々な体験を通じこの世の真実を知る。
生まれ落ちてから見る、自然への畏怖や感動、恭順な思い、それらを纏いわしらは生きる。
そして最期に、わしらは「霊化」するのじゃ。
「零」という言霊が「0」を示すが如く、次なる「10」で桁が移行し、これまでとはまったく異なる段階へ突入するのじゃ。
異なる意識の段階へと。
それはまた次の「10」で語ることにしよう。
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