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◎マイプロジェクト出場校取材◎マイプロジェクトに参加して得た学びとは? ~岐阜県立関高等学校の取り組み~【前編】

地域や身の回りの課題など、高校生が自分の関心を軸にプロジェクトを立ち上げ、実行する経験を通じて学ぶ「マイプロジェクト」。

マイプロジェクトに取り組み、昨年度の全国高校生マイプロジェクトアワード2023岐阜県Summitに参加した、岐阜県立関高等学校の「ほらどのめぐみ」チームと、「模擬国連」チームのみなさんにお話を伺いました!


「ほらどのめぐみ」
岐阜県関市洞戸地区は清流板取川や渓谷が広がり、特産品のキウイやアユが魅力です。ただ人口減少、過疎化が問題となっている洞戸地区。
洞戸の魅力を知ってもらうために、洞戸キウイに着目。「焼肉のたれ」として販売、現在、販売本数は2000本を突破し、ふるさと納税の返礼品としても採用されています。
また、キウイを活かした「スイーツ」や「ドライキウイ」の商品化もし、地元企業と一緒にマルシェを行いました。
さらに、SNS発信や自然体験・キウイ狩りツアーを通じて、地域の課題である農家の後継者不足の解決にも取り組んでいます。その一環として、「農園付きシェアハウス」の提案も行い、地域の活性化に貢献。
今後も地元を愛する気持ちを持ち続け、活動を続けていきます!

「ほらどのめぐみ」
活動の様子


「模擬国連×模擬市議会」
一国の大使の立場から、さまざまな国際問題についてディスカッションする模擬国連。グローバル教育のプログラムを地域に根付かせたいという想いから、関高等学校、加茂高等学校、郡上高等学校の3校で取り組んでいるプロジェクトです。
この3校が実施している模擬国連の大きな特徴は、運営が高校生、参加者が中学生であること。主体性やコミュニケーション能力の向上やグローバル意識が芽生えるきっかけを作っています。
2019年から食や教育問題で7回模擬国連を開催。またグローバル課題と地域課題のつながりを感じ、模擬市議会を提案。
今後も模擬国連を続けながら、地域での模擬市議会の実現し、得た気づきを地域に伝え、有権者となって地域の担い手となる若者の社会参加意識の向上を目指します!

「模擬国連・模擬市議会」
活動の様子




― なぜマイプロジェクト(探究活動)に取り組もうと思ったのですか?

ほらどのめぐみ:
中学校のときに、新聞で先輩たちがやっていたこの取り組みが掲載されていて知りました。高校になって、活動のメンバーを募集していて、「あ!新聞の取り組みだ!」と興味を持ち、メンバーとして活動を始めました。

模擬国連×模擬市議会:中学3年のときに、先輩たちがこのプロジェクトを運営していて、興味がわき、大使として参加しました。いままでかかわったことない人と、一つの会場に集まって、同じ立場で話し合う、合意まで持っていくのが楽しくて、高校に入ったら運営側になりたいと思って取り組み始めました。


― このマイプロジェクトに取り組んでみて、イメージはどのように変化しましたか?

ほらどのめぐみ:まじめで積極的な子たちがやるものだと思っていたので、初めはやりたくないなと思っていました。
でも活動していく中で、地域の人たちが私たちの活動を通して、喜んでくれたりすることで、やりがいを感じるようになりました。
その時に「こういう人が探究活動やらないとだめだ」というのは、ないんだなと思いました。いまは「全員がやったほうがいい!」と思っています。人とのつながりを体感でき、積極的に話せるようになりました。迷わず探究活動に取り組んでほしいです!

模擬国連×模擬市議会:最初は「模擬国連」と聞いて、難しそうと思っていたし、参加したくないと思っていました。
でも実際に思い切って参加したら、高校生が考えたものが形になるってすごいなと感じました。そして活動の中で世界のことをもっと知りたくて、どんどん調べていくと、自分の世界が広がったように感じました!



― ひとりじゃなくて、みんなで活動することの価値とは何ですか?

ほらどのめぐみ:ひとりだと思いつかないことがたくさんあるし、いろんな目線で物事を見ることが大切なんだと感じたことがいっぱいあります。
また、自分たちの知識が足りなくてトラブルとかもあったけど、みんなで支え合って乗り越えていったときに、「頑張ってよかったね!」と思い、達成感がありました。

模擬国連×模擬市議会:活動の質をあげることができると思っています。一人だと最低限のことしかできないけど、人数がいることで、自分ができること、チームのメンバーができることをそれぞれが探して実践していく。その結果、活動の質が上がると思います。
もともと先輩2人が活動していて、年に1回しか開催できなかったのが、人数が増えたことで、他校の人たちとも活動することができています。また活動が広がっていくと、誰かと共有している、喜び合えるのが素晴らしいと思います。


― 活動がうまくいかないとき、どうやって乗り越えていきましたか?

ほらどのめぐみ:活動できる時間をどう確保するか、すごく悩みました。活動もしたいし、勉強もしなきゃいけないし…
時間が取れないことで、活動が中途半端になってしまったことがありました。
だからこそ「やりたい!」と思ったときに、すぐに行動にうつすことを心がけるようにしました。
たとえば、企業とのアポもやると決めたらすぐに実行!すごくドキドキしたけど、すぐに電話をかけたり、行動にうつすことで、難しいなと思っていたことも、クリアすることができました。自分たちの想いを大切に、行動の積み重ねを経て、実現したことはたくさんあります。
また、マイプロジェクト全国Summitに出場して発表したとき、サポーターの方から「計画性がある!」とコメントをいただき、私たちは計画性がないことが課題だとずっと思っていたので、計画性があることに気づけたのがよかったと思っています。

模擬国連×模擬市議会:大人数での活動なので、模擬国連の活動以外にも、部活やっている人もいれば、勉強を優先したい人もいて、活動の熱量に差が出てきてしまって悩んだことはあります。
そこで私たちのチームでは、「コア」「アソシエイト」の2つのグループに分け、活動しています。
「コア」は積極的に参加したい人たち、「アソシエイト」は資料作成などのサポートをする人たちで分けました。
仲間間で争ってピリッ!としていた空気も、2グループ制にしたことで緩和されたかなと思います。
また、一緒に頑張っている加茂高校や郡上高校の方とは距離もあり、会えないこともあってなかなか話が進まないことも多くありましたが、休日などを使ってオンラインで話し合いを行ったりしています。



後編では、マイプロジェクトアワードに参加してどうだったか、生徒さんたちのさらなる変化について、お伝えしていきます。どうぞお楽しみに!


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