「私って彼のことが好きなのでしょうか?」
先日、鑑定中にこのような質問をされました。
「私って、彼のことが好きなのでしょうか?」
さて、どうしてこんな疑問を私に問いかけてくれたのでしょうか。好きか好きじゃないかは自分で分かりそうなもんですが、聞くということはどこかに違和感や不安があるんでしょう。
でも、タロットカードも、リソマンシーにも「彼のことが好き」と出ている。
なんなら、恋人がいることもこの方は隠していたのですが現状を見た時に「好きな人がいる」と出たので、踏み込んで話を聞いたところ、
「えっと・・彼氏は・・・います・・・」
と、答えてくださったのです。
それなのに、なぜ。
みんな少女漫画と恋愛ドラマが恋愛の最適解だと思いすぎな件
鑑定を進めていくと、こんな気持ちが読み取れました。
彼への暖かなお気持ちがあること、一緒にいると居心地よくとてもリラックスできること、彼がとても優しくて誠実な方だということ、そして、彼との関係には「悩み」がないということ
それをお伝えすると
「そうです。リラックスできます、彼は本当に優しい人で、一緒にいると居心地がいいんです。確かに、悩んだりはしていないです。でも、私、彼のことが好きなんでしょうか?」
「好きですよ」
「本当ですか?」
「はい。好きですよ。でも、もしかしたらIさんが想像するような、好きとは違うのかもしれません。Iさんの抱いている好きという感情は、もっと情熱的で、苦しかったり、嫉妬したり、激しいものだと思っていませんか?」
「違うんですか?」
「恋愛ドラマや少女漫画のような恋愛を、Iさんはそもそもしませんよ」
「え?」
「Iさんは、繊細で穏やかな方です。人と戦うことも苦手ですし。緩やかに人を好きになって、暖かな関係を築くような恋愛の方が長く続きます。相手が攻撃的だったり、不安にさせるような相手の場合、長くは続けられないと思います。」
「確かに・・・。でも、過去を思い返すと、すごく嫉妬したり、依存したり、不安になっている方が、苦しい時の方が好きな気持ちが強いんじゃないか、って思うんです」
好きな気持ちは強ければいいってもんじゃない。
好きすぎて苦しくなったり、不安になったり、自分の感情が強く動く恋愛は「恋愛をしている」と感じれる。逆を言えば、「心が穏やかで、悩みがなければ恋愛をしていないんじゃないか」と感じてしまう。なるほど。
でもどうでしょう、Iさんは自分でも自覚しているように、彼と一緒にいると居心地が良くてリラックスできて、心配もなく、悩みもないのです。
これ、好きってことでは・・・?
「でも、すごく依存したり、苦しいことが、恋愛にはつきものなんじゃないですか?」
と。確かに、恋愛の中には、苦しくて辛いものも含まれます。
では、人を愛する気持ちが強い方が幸せになれるのでしょうか?
依存して、不安で、自分の気持ちもコントロールできない恋愛が灼熱の炎だとしたら、その大恋愛は、身を焦します。
(たまに、その人自身が自ら燃え続けているメラメラの実の能力者みたいな人もいますが、それは例外です)
基本、大体の人が、灼熱の恋愛で、焼け爛れ、乾き、苦しむ。長くその場に止まれば、火傷の傷は深くなります。
(恋愛において、「身の危険」を感じて退避する感覚を育てていくことは大切なことだと思っています。いや、思うようになりました・・・(白目))
では、温泉ぐらいの暑さだったら?確かに、温泉に入ったときの気持ちよさは格別です。湯上りも最高にリラックスできて、たまらない至福の時間です。でも、どんなにいい温泉もそう長い時間は入っていられません。「気持ちいい!」って衝撃があるぐらいの熱には、適度に熱を冷ます時間がないと、これまた命が危うくなります。恋愛で例えると、大好きな人も程々に距離を取ったり、一人でいる時間を作る必要があるってことですね。
人を好きになることで、苦しむことがあるかもしれません。
でも苦しまなくても人は好きになれます。
人それぞれ心地よいと思う適温がある。
相手とずっと一緒にいられる温度って、暑くも寒くもない部屋の温度ぐらいなのかもしれないし、暖かな日の日向ぼっこのような温度なのかもしれないし、人によってはサウナぐらい温度差ないと整わないな!って人もいるかもしれないし、本当に、人それぞれです。
しかも、相談者のIさんは「彼との関係には悩みがない」のです。気になっているのは、他の人や、過去の恋愛と比べたときの温度差による、自分の気持ちへの疑い。「恋愛ってぬるま湯で・・・いいの?」という不安。人から見たらぬるま湯かもしれないけど、居心地がいいならそれでいい。無理して熱いお湯に入る必要はないし、逆も然り。
他の誰でもない、あなたの心と体の感覚を大切にしてくださいね。
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