ギブスを聴いていた頃に生まれた人たちと、渡らなかったバトン 1/11の日記
・本を処分した。100冊以上。これまでも100冊単位で何度か処分してきたけど(繁殖でもしているのか?)、今回は少し種類が違う。
・実家から持ち出してずっと生き残っていた先鋭たち。少女マンガからエンタメ小説に純文学まで。個人的すぎるので書かないけれど、たしかに私を作ってきたもの。やっと手放せた。
・何度引っ越してもずっと持っていたのは、誰か次の人にバトンを渡したかったんだろう。
・おそらくそれは子どもを想定していた。
・両親ともに本をよく読み、本に囲まれて暮らしていた。子を持つつもりはなかったはずだけど、心のどこかで「あの環境を与えてあげたい」と思ってたんだろうな。
・これは私が渡せなかったバトンなのか。渡さなかったバトンなのか。少し考えてタイトルは「渡らなかったバトン」にした。自分がどうにかできることなど、そう多くはない。
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・椎名林檎が『ギブス』を歌った年に生まれた人たちが成人式だったそうだ。
・制服のポケットに入れたソニーのMDプレーヤー。写真がまだ時間とともに古くなっていた頃。あのときに赤ちゃんだった人たちが大人になった。
・世界の、時間の、圧倒的な美しさに眩暈がする。
・それにしても、このご時世に節目を迎えた若い人たちは大変だろうな。
・楽しみだった人もいたでしょうよ。再会を祝いたいところをグッと我慢した人たちの、大人としての振る舞いを尊敬する。
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・本を処分できたのは、わりと前向きな出来事だ。自分に残されている時間を考える年になった。そのタイミングで世界が揺れた。
・私を作ったものは渡らないけれど、今よりちょっとでもいい社会を作って次の世代に渡したい。そのために時間を使いたい。そういうことを、割と本気で思うようになっている。
・年取ったな〜!!!
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