cobkubo

瘤久保慎司 物書きをしています

cobkubo

瘤久保慎司 物書きをしています

マガジン

  • 打ち込みで作った趣味の楽曲です。

  • 【小説】

    アマチュア時代の小説ないしそれに類するもの、いわゆる物語をまとめたものです。

  • 【好きなもの】

    好きなものについて無秩序に書いていきます。

最近の記事

9巻 没ネタの遍歴

錆喰いビスコ9巻が書き上がるまで長かった。 没稿もいっぱいだ。以下、その遍歴を記すものである。 ◇没ネタ① 時ははるかな未来、菌神シュガーの加護のもと宇宙は目覚ましい発展を遂げていた。 とある脅威に立ち向かうため、はるか前世をビスコたちに持つ新たな世代の戦士たちが集う! ◆没理由 ビスコの因子を受け継ぐ戦士たちという設定だったが、本人が出てこないことで全くアガらず没に。 ◇没ネタ② 時ははるかな未来、人類の生活圏は宇宙へ飛び出していた。 地球なる古い星に胞子とかいう危険因

    • 瘤2022

      今年2022年はわたくし、瘤久保慎司にとって 巨大な年になりました。 年の瀬ということで簡潔にですが振り返ってまいります。 ①1~4月 拙作「錆喰いビスコ」のTVアニメ放送。 足掛け3年に及ぶプロジェクトが、頓挫せず無事に完遂できたことについて、つくづく天運があったと感じる。 作品に対しても(やや遠慮がちだったかと後悔は残るものの)全力あまさず関われたことは大変嬉しく、みんなでアニメを作った時間そのものが、一生の宝物になることは間違いない。 ここまででも充分なことだが、加え

      • 【短編】パイロン・ニャッギ

        いいか、ロケット。 ニャッギはチームワークのゲーム。 視野を広く持て。ニャッギだけじゃなく味方を、全体を見ろ… どいつも、バカの一つ覚え。 そう言うのさ。 概ね、それでいい。正解だが。 ジェットは別だ。 ジェットはニャッギだけ見てりゃいい。 他の奴が、全員でジェットを助ける。 そういうプレイだ。 そういうプレイをしなきゃ、勝てないし… ニャッギは面白くない。 ロケット。 俺たちのジェットはお前だ。 ここまで、いろいろあったろ。お前、ほんとに自分を削って、脳味噌ツルッツル

        • 【掌編】自業と自得の話

          「彼は無錫(ウーシー)、一流の暗殺者だ」  おれはできるだけ声色を変えないように、ひとつ咳払いして続ける。 「これまであらゆるクライアントにご満足頂いている。あなたも例外ではありません」  出来るだけ眼を合わせたくなかったけれど、仕事だからしょうがないので、杖に身体を預けて腰掛ける、異相の老人へと眼を向けた。  大柄な体躯。歳に見合わぬ隆とした筋骨、無骨な着流し……そこまではまあ、良いにしろ。  異様なのはその全身に彫られた「経」であり、おれは宗教に明るくないので詳しい意味は

        9巻 没ネタの遍歴

        マガジン

        • 9本
        • 【小説】
          10本
        • 【好きなもの】
          9本

        記事

          【好きなもの】8:でけえ武器

           でけえ武器のいいところは持ち主を選ばないところだ。でけえ武器をでけえ奴が持っていてもいいし、あるいは小さい奴が持っていてもいい。  でけえ武器がいまいち活躍しにくい理由はこれは仕方がなくて、当たったら死んじゃうからだ。敵がばかでけえ武器を持って「オラッ! でけえ武器だぞ!!」つって出てきても、まあまず直撃することはないと思っていいだろう。筆者も主人公にそうそうそんなモノを当てるわけにはいかないからね。  ではどうするかというと「代わりに喰らってくれる奴を用意する」という

          【好きなもの】8:でけえ武器

          【曲】パイロン・ニャッギ

          これは ぴよらっと さん(https://note.com/piyorat) 考案の架空のスポーツ 「パイロンニャッギ」のイメージソングです(勝手に作りました) パイロンを相手のゴールに突き立てたら得点。 選手達は己の才能と信仰に全てを賭けて コンマ1秒の世界をかけめぐります。

          【曲】パイロン・ニャッギ

          【曲】パイロン・ニャッギ

          【掌編】ヨギと会う

          8月8日、大潮様の祭りの日。 ぽつぽつと花火が夜の浜を照らし出すころ、僕はヨギに会いに行く。 埠頭の端の船着場は、天然の岩礁を利用して作った乱暴なもので、今はもう使われていない。 テトラポットに貼り付けた赤い印を目印に下っていくと、まるでプラネタリウムみたいにくりぬかれた、秘密の潮溜まりがある。まだ暖かい色んな食べ物を胸に抱えながらそこまで下っていくのは大変だった。実際何度か足をすべらせて、あぶなく取り落としかけた。 打ち付けたお尻をさする僕の横を、潮虫がからかうように通り

          【掌編】ヨギと会う

          【曲】9012年のアダム ED

          これまでステージ曲をご紹介していた、ゲーム企画「9012年のアダム」テーマソングです。エンディングに流れる予定でした。

          【曲】9012年のアダム ED

          【曲】9012年のアダム ED

          【曲】ラストダンジョン

          最後のダンジョンの曲です。主人公のアダム8(デフォルトネーム)は、ダンジョンの最奥で神から創世エンジンを奪還し、地球を創造します。……というストーリーらしきものがあったようです。

          【曲】ラストダンジョン

          【曲】ラストダンジョン

          【曲】氷のフィールド

          ごめんなさい、曲を間違えました。でもたぶんこっちが本当は「草原・夜」で、すでに上げてあるやつが氷原の曲だったと思います。ファイル名が逆になっていたのか? まあいいやでも。

          【曲】氷のフィールド

          【曲】氷のフィールド

          【曲】空中庭園

          空中に浮かぶ庭園のダンジョンです。『移動スピード、攻撃スピードが速くなるクラフトの素材が入手できる。』とメモ書きにあります。

          【曲】空中庭園

          【曲】空中庭園

          【曲】溶鉱炉のダンジョン

          溶鉱炉のダンジョンの曲です。ターミネーターが出てきて、落として倒すギミックのメモが添えてありました。

          【曲】溶鉱炉のダンジョン

          【曲】溶鉱炉のダンジョン

          【曲】アダマ・コア

          幾何学的な光彩を放つ、文明核を追うダンジョン、の曲、です

          【曲】アダマ・コア

          【曲】アダマ・コア

          【掌編】あまい黄昏

          「わ、わ。ショウくんすごい。 えーっ、すごいいい香りィ。どこで手術したの?」 「えへ。ゆうき、やっぱり男は高級感だって言ってたじゃんか。 だから、ゴディバで。 カカオ70%で、ビターめに決めてみた」 「キャーッ、ショウ君!」 女が男に抱きついて首元にキスをかますと、ストロベリーのピンク色がくっきりと残る。困ったようで満更でもなさそうな男の顔を見ていると、私は飲んでいるカカオミルクをぶちまけてやりたくなる。 駅前のチョコレートバーで繰り広げられるそんな光景ももう見慣れたもの

          【掌編】あまい黄昏

          【掌編】セクハラ専務

          「ねえ君ほらここの数字をごらんなさい。ぼくが先週もさんざん注意したところがなおっていないじゃありませんか。マダラハブを発注するときはかならず概算に1.1を掛けるのです。ほら覚えているでしょうなぜですか?マダラハブのこの特殊な計算処理はなぜ行うのですか?」 肩越しに専務のでっぷりとした顎(正確にどこからが顎でどこからが首かわかりゃせん)が乗り、こひゅこひゅとなまあたたかい呼吸を繰り返す。概算書に乗った太った指にじわりと汗が染み出して、紙をじゅくじゅくと濡らしていく。 「こ、

          【掌編】セクハラ専務

          【掌編】アリと銀の瞳

          「…ふうん」 倉戸はスーツケースに詰まった札束の中からひとつを無造作に手に取り、ざっくりと目を通すと、何かつまらなそうに後ろを振り返り、側の黒服に軽く頷いて見せた。一様に恵比寿の面で顔を隠した黒服達はそこでようやく銃を下ろし、一部が何やら慌ただしく部屋を出たり入ったりしている。 まだ重そうにケースを開けて持っている小姓に札束を返すと、倉戸はそのゴツゴツとした手で、そのぼさぼさの頭をわしゃわしゃと撫でてやった。 「忠義な坊主だ。主人が死んだらオレんとこへ来な」 小姓は身体をぎ

          【掌編】アリと銀の瞳