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本能に従うと間違う。

水分が必要なら喉が乾くように、体はそのときに必要なものを欲するようにできている。

ただ、常にそのルールに当てはまるかというとそうではない。

空腹の健康効果に関する書籍を読むと、人類が生活する環境があまりのスピードで進化してしまったが、人間の体は何百年万年も前から肉体的からそれほど(少なくとも環境の変化ほどには)変化しておらず、そのため本能に従うことが必ずしも正しくない、といったことが書いてある。

要は、昔は食料を得ることが不確実だったために「食べられるときに食べておく」ことが正しかったが、食料が豊富な現代にそれを実行すると過剰摂取になる、と言うこと。

その点で、腹8分目とか、食事の回数を制限するのは本来の体の状態にあった生活ということになる。

大昔はそんなことはなかったろうな、と思うのは、「食べ過ぎた後悔」すること。

いつ獲物が得られるかわからないときに、食べられるだけ食べておくのはごく自然な行動だったはず。

誰しも食べすぎた経験はあると思うが、それは大昔から続く人間の本能だろう。

ただ、今は基本的には「食料は目の前に常にある」。

食べたいときに目一杯食べる必要は全くない。

あなたは食べすぎたことを後悔したことはあっても、食事を取らなかったことを後悔したことがあるだろうか?

時間がなくて思うように食事を取れなかったときは別にして、意識して食べなかったことをどれだけ後悔しただろうか。

そう考えると、「食べたいだけ食べる」のと「空腹をそのままにしておく」のどちらが人間の本能なのかわからなくなってくる。

わからないなら、後悔しない方を選択するのは間違いではない。

今この記事を書いている23時30分時点で、夕飯を食べていない私はそこそこの空腹状態だが、これから何も食べずに寝ても、明日の朝になって「昨日の夜に何か食べておけばよかった」とは絶対に思わない。むしろ食べなかったおかげで美味しく朝食が食べられると思うはず。

美味しいものをお腹いっぱい食べて幸せいっぱいになって然るべきなのに「食べすぎた」と後悔するのは、「満腹になりたい」という本能が今の時代に合っていないと体が教えてくれているのかも。

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