システムの落とし込み方(モーションオフェンス)③(具体例)

こんにちは!吉永です。

前回は、モーションオフェンスを落とし込む最初の段階として、「優先順位」「モーションオフェンスを使う理由」まで書きました。今回は具体的にどのような練習をするかを書いていきます。
今回説明するのはリムカットorアウェイスクリーンです。


動きの理解、習慣化

動き方を理解させ、習慣化させなければなりません。なので、まずはディフェンスはつけずに、オフェンスだけの4on0で動きの確認をします。
もちろん3on0でもいいですよ。そこはコーチがやりやすいよう!


4on0(リムカット)

①写真のように4outの状態でセットします。

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②1番は4番にパスした後リムカットします。2番は1番がいなくなったスペースを埋めます。この動きをリプレイスと言います。

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③4番は2番にパスした後リムカット。3番はリプレイス。

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この動きを繰り返すことで、動きを理解させます。

この時に注意点も説明します。多くのことを言うとわからなくなるので、1つか2つにします。
僕の場合は「ハードカット」「ディープカット」です。

ハードカットする理由は、ディフェンスを出し抜ける可能性が増えることと、ハードにカットすることで、ディフェンスが反応してヘルプがよりやすくなるからです。イメージしてください。パスを受ける気もなくリムカットする選手に対して危険だと感じますか?それよりもパスをもらうつもりでリムカットする選手の方が危険だと感じるでしょ?

ディープカットする理由は、スペースを確保するためです。
言葉ではわかりにくいかもしれないので、写真を載せます。

①ディープカットすることで、1番も1番のディフェンスもリムの下にいますよね。これによって、4番のドライブレーン(スペース)が確保されます。

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②フリースロー付近でカットを止めると、1番も1番のディフェンスもそこにいて、4番のドライブレーン(スペース)を潰してしまいます。

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ディープカットすることによって、ペイントエリア内までスペースができています。オフェンスペイントをタッチすることでとても有利な状況になります。


4on0(アウェイスクリーン)

①セットはリムカットの時と同じです。1番はパスした後に2番にスクリーンをかけます。2番はスクリーンを使って2ガードポジションへ。1番はスクリーン後、ポップしてウイングへ。

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②4番はパスした後に3番にスクリーンをかけます。その後ポップしてウイングへ。3番はスクリーンを使って2ガードポジションへ。

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この動きを繰り返すことで、動きを理解させます。

もちろんここでも注意点を説明します。
アウェイスクリーンの注意点は「スクリナーは走る」「スクリーンのアングル」の2つです。

なぜスクリナーが走らなければならないのかと言うと、ディフェンスが判断する時間、コミュニケーションをとる時間を少しでも減らして、ディフェンスターンオーバーを誘うためです。
スクリーンをゆっくりセットすれば、ディフェンスもその対応をゆっくりできるし、逆に速くセットすれば、ディフェンスの対応も速くしなければなりませんよね。

スクリーンのアングルを注意点にあげる理由は、スクリーンの成功率を上げるためです。
言葉ではわかりにくいかもしれないので、こちらも写真で説明します。

①写真のツーガードポジションに点線の丸印があります。そこに3番の選手を移動させたいとします。

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②成功例:スクリーナーの背中が点線の丸印を向けた状態です。こうすれば、3番の進行方向にたいして、スクリーンの幅が最大限に広がります。ディフェンスはチェイス(後ろから追いかける)するのもアンダー(スクリナーの下を通る)を通るのも難しくなり、点線の丸印でオープンの状態でボールをもらえやすくなります。

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③失敗例:スクリナーの背中がリングの方を向いている状態です(わかりやすいように、あえて極端に書いています)。3番の進行方向にたいして、スクリーンの幅が最小になってしまい、選手とスクリナーの間にスペースができてしまいます。そのため、ディフェンスは簡単についていくことができます。

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スクリーンの幅を最大限に生かすことで、スクリーンの成功率が大幅に高くなることがわかっていただけたでしょうか。
スクリーンのアングルを極端にしたので見てわかると思いますが、成功例はダウンスクリーン、失敗例はフレックススクリーンのような形になり、目的が違うスクリーンになっていますよね。


あとがき

長くなってすみません。続きは次回に持ち越します。
モーションオフェンスの初日に、前回の「優先順位」、「説明」と、今日の「理解、習慣化」と、ディフェンスを入れた「4on4」までは最低限行います。

今シーズンのバンビシャス奈良には30代の選手が4人います。
Bリーグで長い間活躍しただけあって、知識も経験もスキルも豊富です。そんな選手たちが、若い選手にアイディアを伝える。ベテランというにはまだ年齢的には早いのかもしれませんが、このような選手はとても頼もしい存在ですね。

けど。。。

バスケット以外は若手よりも若手っぽいような。。。😂

まぁ。。。そのおかげで練習の雰囲気も良いし、チームにエナジーを与えてくれているから良しとするか😅

おじさんの僕も彼らに負けないように頑張りますっ!!

次回はモーションオフェンスの理解度をさらに深めるために、シューティングや2on0などの練習を取り入れていきます。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました!
では、また次回!!

*このnoteに書いている内容は、僕のバスケットの考えなので、バンビシャス奈良のバスケットとは一切関係ありません。

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