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いっぺん死んでみたんです

「これが死亡診断書です。
たぶんほとんどの方は
これまで見たことがないと思います。
そして、死んだ時に
自分の死亡診断書を
自分で見ることもないはずです。
でも今日は、
それを自分で書いてもらいます。」

先月、イギリス時間の午前1時から(!)
オンラインで参加した
「いっぺん死んでみる®︎」という
ちょっと衝撃的な名前のワークショップで
講師の上原暢子さん
画面上で「死亡診断書」のコピーを
シェアしながら
最初のワークについて説明してくれました。

「いっぺん死んでみる®︎」というのは
キャッチーなタイトルですが、
ふざけているわけではなく、
誰にも100%訪れる「死」というものを
自分ごととして体感することで
自分にとっての最良の死に方(死)を考え、
それによって
自分が本当はどう生きたいのか、
自分にとって後悔のない
「生ききった」と言える人生が
どういうものか、
を考える(感じる)ワークショップです。

医師として28年、訪問医療に携わって10年、
多くの方を看取っていらした上原さん。
ブログやSNSの発信から
はつらつとして、かつ
人間への惜しみない愛と包容力を
もっていらっしゃる方だと
想像していたのですが、
ズームの画面からも
やはりそれが伝わってきました。

その上原さんのリードで
自分がいったい、何歳でどんな場所で
どんな死に方をしたいのかを
考えました。
(いや、これ、けっこう難しくて
悩みましたよ~😅)

2つ目のワークは
自分の大切なもちものを20個書く。

モノ、思い出、夢や目標などやりたいこと、
そして、家族や友人、ペットなど命あるもの。

それらを、胃がんになった自分が
死を迎えるまでの間に
ひとつずつ手放していくことを
やっていきます。

どの段階で
何を手放すのか。

その過程で
自分が本当に人生で大切にしたいもの
大切にしているものを
知ることになる。

そして、
最後にたったひとつ残したもの。。。
死の瞬間には
それをも手放して。。。

。。。何を最後に残すのか
それは人によって
一人一人違うもの。

それには正解も不正解もなく、
もしかしたら
同じ自分でも
今日と半年後では
残したいものが
違うかもしれない。

それでも、
死ぬ経験をしたことで
「自分は人生で本当に
何を大切にしたいのか。」
「どう生きたいのか。」
に向き合っておかなければ
きっと後悔するということが
実感できました。

もちろん、このテーマについては
これまで
私自身もコーチングを受け、
さまざまな学びや教えを受け
何度も考えてきたこと。
そして、コーチとして
クライアントの方たちにも
質問し、考えていただいてきたこと。

でも、今回、死んでみたことで
「本当はどうしたい?」
「本当はどんな人生を生きたい?」
について
さらに強く深く
考えると同時に
手放すことも学んだ気がしています。
(いや実際には死んでないんですけど😅
死ぬ体験をしてみたということで。)

。。。そして実は
それ以上によかったのは
ワークショップの後、
興奮というか、不思議な余韻が
さめやらぬなか、
夫にこの体験を
話したことでした。

イギリス人の夫と私は
普段からどんなことでも
話しあうことができると
お互いに自認するほど
仲良しです。

でも、私がワークショップでの
思いをシェアしたとき、
夫がなんとなく
あっさりした対応をしたのです。

一瞬「うむむ?」
と思ったものの、
早朝1時から4時まで3時間の
ディープなワークショップを
受けた後だったので、
そのときはあまり深追いせず、
ベッドで横になっていました。

でも、やっぱり
夫に今の自分の気持ちを
伝えたくて、わかってほしくて
部屋に入ってきた夫に
「私は大切な気持ちを
シェアしたい、伝えたいと
思って話したのに
受け入れてもらえた気がしなくて
寂しかった。」と
言葉にしました。

怒っているわけではなく
ただ、寂しい感じがしたと。

すると、今度は夫が
なぜ、そういう対応をしたのか、
彼のそのときの気持ちを
話してくれました。
それは、言ってくれなければ
私では思い浮かべることができなかった
彼の状況や感情でした。

お互いの気持ちを伝え合った後は
しっかりぎゅっとハグをして
大好きだと言い合って
(これはいつもしていることですが😊)
余計に夫のことが
愛おしく感じ、
そして、今、自分が生きていて
こうして大好きな人と
一緒にいられることに
うれしさと感謝が溢れてきました。

自分の違和感と
寂しさを
わざわざ口にすることで
夫を怒らせたり傷つけたり
することになってはいけない、と
昔の私なら
言わずにいたかもしれません。

でも今は、
大切な人だからこそ
自分の気持ちを伝え、
相手の気持ちも聞く。
そんな、ややもすると
「難しい会話」をすることこそが
さらにお互いを理解しあえることが
わかっているので、
いいにくいことも
話すことができる。

そして、だからこそ、
私たちは仲良しでいられるのです。

このことは
「いっぺん死んでみる®︎」の
ワークショップで
上原さんが教えてくださったことにも
通じるものがあることに気づきました。

というのも、
「自分が死ぬ時には
どんな死に方をしたいか、
あるいはしたくないか、
それを考え、
身近な人に伝えておくことが
とても大切。
それこそが残された人に
迷惑をかけない死に方だから。」
と上原さんはおっしゃったのです。

つまり、普段から

「私はこうありたい」
「私には何が大事」
「私は何が好き」

このことを残される人に
伝えておくことが
とても大事なのだと。
(決して、私が夫を残して
先に死ぬつもりだという意味では
ありませんが😆)

。。。

さて、ここで もしよかったら
質問させてください。

あなたがもし、
余命を宣告されて
来年の桜を見ることができないとしたら
あと残りの一年で
あなたはいったい何をしますか?

そして、
これから毎日、
家族や友人に
どんな言葉をかけますか?

そして何より、
今日、自分にどんなことを
させてあげますか?

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