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超初心者向け。サッカーの試合で使われている言葉の説明企画〜上級編〜(#122)

さて、ようやく来ました上級編です。

上級編では「プレイに関する言葉」の説明をしていきます。

初級編

中級編その1

中級編その2

上級編(←今ここ)

※時間が取れればこの後に「特別編(ポジション別の求められる役割)」も書きます。

ここまで読んで頂ければ、
「実況解説が言ってる意味が分かった!」
となるように頑張ります。

もし今までの記事をまだ読んでいただけていなければ、ぜひこちらからお読み頂ければ嬉しいです。

ではさっそくいきましょう。

はじめに

プレイに関する言葉は「攻撃時」「守備時」の大きく2つに分けられます。

用語の説明と合わせて攻撃時/守備時どちらの用語かがわかるように、
 用語(攻撃時/守備時)
の形で書いていきます。

ここでは、攻撃と守備の区切りは
 ボールを自チームで持てている時:攻撃
 それ以外:守備
とします。

ではさっそくいきましょう。

1.クロス(攻撃時)

「クロスをあげる」
というように使われます。

初級編でパスについて説明していますが、パスの一種です。
「ゴール前(ピッチの中央)に向けて、サイドから出すパス」
のことです。

昔は「センタリング」と主に呼ばれてました。
今はセンタリングとクロスと併用されていますが、違いはないと思います。

クロスには
 パスのボールの高さ
  (浮いた球/低いゴロに近い球)
 パスを出す位置
  (ゴールに近め/遠め)
によって呼び方のバリエーションがあります。

ボールの高さ視点で
・浮き球の場合(ヘディングするような高さ)
 「クロス」「浮き球のクロス」
・低い弾道(ゴロのボール)の場合
 「グラウンダーのクロス」
などと呼ばれます。

パスを出す位置視点だと、一般的なクロスは、ペナルティエリア付近や、よりゴールラインに侵入してからクロスをあげます。

それをあえてペナルティエリアよりもっと手前、ゴールから遠目の位置からあげるクロスを
 「アーリークロス」
と呼びます。

アーリークロスは
 「早め(位置的にまだゴールに近付ききれていない状態で)のクロス」
というイメージで、
 「相手の守備陣形が整う前にあげるクロス」
をイメージ頂ければいいかと思います。

アーリークロスの場合、DFは守備のために自陣のゴールに向かって走りながらクロスボールの対応をしないといけなくなるので、ミスを誘発しやすいと言えます。

2.ワンツー(攻撃時)

主に味方同士が近い位置状態にあるときに有効で、2人で相手の守備を突破するために使われます。

選手Aが選手Bにパスを出すと同時に前方へ走ります。
選手Bはトラップせず、選手Aが走っている方向へダイレクト(=トラップせず直接ボールを蹴ること)でパスを出します。
これをワンツーと言います。

主にサイドを突破するために、サイドバックの選手(=選手A)と中央の選手(=選手B)とでワンツーをすることが多いです。
そのまま選手Aがクロスをあげたりします。

3.クリア(守備時)

守備時に攻撃のボールを大きく蹴り出すことです。
守備時にボールを奪ってそのまま味方にパスを出せない時に、ひとまずのリスク回避として自陣からボールを蹴り出す時に使います。
ヘディングであっても同じくクリアと言います。

4.カットイン(攻撃時)

サイドからドリブルをして、中央に突破を仕掛けることです。

実況解説によって「中をえぐる」などの表現をすることもあります。

サイドハーフの選手がカットインするのと合わせて、サイドバックの選手がオーバーラップ(※後ほど説明します)すると、守備側は
「シュートを打たれたくない」
「でも、オーバーラップしてくる選手にフリーでクロスをあげられたくない」
と攻撃側の選択肢が複数できることから守備が受け身になるため、相手の守備を混乱させることができます。

最近のサッカーのトレンドとしては、
 右利きの選手を左サイドハーフに置く
 左利きの選手を右サイドハーフに置く
形を取ることが多く、これらはカットインしてそのままシュートを想定しているためです。

東京オリンピック日本代表も、左サイドに相馬勇紀や三笘薫(ともに右利き)を置き、右サイドに堂安律(左利き)を置いています。

サイドバックは利き足に合わせたサイドに置くことが多いですが、サイドハーフ同様に利き足と逆のサイドに置かれることもあります。

5.オーバーラップ/インナーラップ(攻撃時)

攻撃時に、ボールを持っている選手を別の選手が追い抜いて行くプレイを
「オーバーラップ(または、インナーラップ)」
と言います。

主に、ミッドフィルダーの選手がボールを保持している際に、サイドバックの選手がサイドを駆け上がって攻撃参加するようなシーンがオーバーラップです。

対してサイドではなくハーフスペースと呼ばれるスペースへ走り込むことをインナーラップと言います。
※ハーフスペースという言葉は難しいので忘れていいです。

オーバーラップとインナーラップの違いは、ペナルティエリアの線をゴールポストと平行に縦にまっすぐ引いたと仮定した場合に、
 オーバーラップ:ペナルティエリアより外側(サイド側)から駆け上がること
 インナーラップ:ペナルティエリアより内側(中央)を駆け上がること
となります。

この違いも難しいかも知れないので、
「後ろから味方選手が駆け上がってくること」
くらいの認識で構いません。

6.ポストプレイ(攻撃時)

背中側から相手のマークを受けつつパスを受け、ボールをキープし、味方にパスを出すプレイのことです。
主にセンターフォワードの選手がポストプレイをします。

「ポスト」というのは郵便ポストをイメージしてください。
(由来が合ってるかは知りません。笑)

郵便ポストのように待ち構えて、ボールを相手に取られないようにパスをトラップし、味方にパスを出す。

ポストプレイは、体幹が強かったり、マークに付いている選手への身体の預け方が上手くないと出来ません。

東京オリンピック日本代表の場合は上田綺世が得意としています。

とはいえ、海外の選手と対峙する場合、身体能力で負けてしまうためポストプレイのために出されたパスをキープできずに、カットされてしまうシーンも度々見られます。

7.裏(攻撃時/守備時)

「裏のスペース」「裏への抜け出し」などと使われます。
反対語の「表」は使われず、「裏」だけが使われます。

「裏」の意味は、
DFの背後(オフサイドラインとゴールキーパーとの間)のスペース
のことを指します。

裏のスペースを狙うことは得点に繋がりやすく、オフサイドにならずに裏のスペースへパスが出て、そのパスが繋がった場合、ゴールキーパーと一対一の決定的なチャンスを迎えられます。

「裏を狙う」にはパスの出し手と受け手(主に攻撃の選手)の意思疎通が必要で、更に受け手の選手はオフサイドにならないように相手DFと駆け引きをする必要があります。

守備時で言うと、裏のスペースへパスを出される瞬間にオフサイドラインをあげる(本来であればゴールを守りたいのでゴールに向かって走るべきところを、DFが前進する)ことでオフサイドを狙ったりもします。
これを「オフサイドトラップ」といいます。

8.ディレイ(攻撃時/守備時)

英語の「delay」そのままの意味で
「遅らせること」
を意味します。

よく使われるのは
「オフサイドディレイ」
「ここはディレイさせたい!」
などです。

オフサイドディレイとは、オフサイドの疑いがあるプレイが発生しても審判の裁量によって、そのままプレイを続けさせることです。
シュートがゴールに決まってからでも、VAR等でオフサイドが本当に発生していたかどうか確認し、オフサイドであればゴールは取り消されます。

ふつうに「ディレイさせたい」などで使う際は、「攻撃を遅らせて、守備の陣形を早く整えたい」
というような時に使われます。

9.カウンター(攻撃時)

相手からボールを奪ってすぐに相手のゴールに向かって攻めることです。
ボクシングなどでもカウンターパンチなどと使われると思いますが、それと同じです。 

ボールを奪ってからすぐに攻撃に転じることで、相手の守備の選手が数が少ない(相手チームのバランスが攻撃に傾いている)状態のため、数的有利なまま攻撃ができます。

10.プレス/プレッシャー/寄せる/圧力(守備時)  

「プレス(プレッシャー)をかける」
「相手に寄せる」
「圧力をかける」
などと使われます。

「プレスをかける」「プレッシャーをかける」と使われる時は、主に前線の選手(フォワードやトップ下、サイドハーフ)が相手のDF間でパス交換をしているところに対して、ボールを自由に蹴らせない(パスの精度を落とさせたい)ようにするシーンです。

「相手に寄せる」と使われる時は、自陣に攻め込まれている守備時にボールを持っている選手からボールを奪おうと行くときに使われます。

ただ意味としては同じなので、実況解説者の好みによって使い分けられたり片方しか使われなかったり様々です。

目的は
「相手選手がフリーの状態でパスを出すことによるピンチを招かないために行う」
事なので、言葉の使い分けに特にこだわる必要はありません。

11.マンマーク(守備時)

守備時に
「誰々は相手の〇〇選手に付く」
と決めることです。
要するに
「守備する担当相手を決めること」
です。

コーナーキックなどで使いますが、試合全体の戦術の1つとしても存在します。

この前の東京オリンピック日本代表のvsニュージーランド戦で、ニュージーランドはボランチにマンマークを付けてきていました。
このことによってボランチが機能不全に陥り、日本の良さが消されロングボール一辺倒にならざるを得なくなりました。

コーナーキックでのマンマークは
「相手の背の高い選手にこちらのその高い選手をあてることができる」
わけですが、これは一長一短あります。

あえてその選手に向けてボールを蹴らず、その選手を囮にされることもあります。

12.ゾーン(守備時)

マンマークと対照して、
「担当選手を決めず、エリアを守ること」
です。 

こちらもコーナーキックなどで使いますが、ゴール前に選手を密集させ、相手選手より前にとにかくボールを跳ね返すことを目的とします。

こちらも戦術の1つとしても存在しますが、ここでは特に触れません。

最後に

ここまで12こ。
これで足りるかな?
ちょっと不安ではありますが、ここまで読んでいただければ少しは理解の助けになると思います。

微力ながら、Jリーグサポーターとして
「サッカーに興味を持ってくれる方が継続してサッカーに興味を持ってほしい。」

あわよくば、
「顔が好みでもなんでもいいからどこかのクラブの試合を継続的に追いかけるようになってほしい!」
という想いです。

そしてJリーグを観て一喜一憂する楽しさを知ってほしいと思っています!

最後までお読み頂きありがとうございました。

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