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黛冬優子と『キラキラ』とストレイライトの話

突然だが、アイドルマスターシャイニーカラーズに登場するユニット『ストレイライト』のリーダー・黛冬優子のことをご存知だろうか。

ご存知だろうか、というかこの記事を読みにくる時点である程度黛冬優子のことを知っている方がほとんどだろうと思うので、ひとまず細かい紹介は抜きにして今回話したい部分のみにフォーカスした限界オタク作文に挑戦していきたいと思う。

「冬優子?知ってる知ってる!あさふゆの『ふゆ』のほうの人でしょ!pixivで見た!」だの「清楚に見せかけて実は腹黒キャラなんでしょ?ツイッターで見た!」だの「え?冬優子がリーダー?センターに立ってるあさひがリーダーなんじゃないの??」だのわけわからんことを言ってる輩はとりあえずアイドルマスターシャイニーカラーズを起動して芹沢あさひと黛冬優子と和泉愛依をプロデュースしてきてほしい。話はそこからだ。


そんなわけで早速本題に移りたいと思う。
タイトルの通り、本稿で述べるのは黛冬優子と『キラキラ』とストレイライトの話だ。

まずは冬優子と初めて出会いスカウトする時の様子をご覧いただきたい。

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W.I.N.G.編最初の共通コミュ『ハートフル・フェアリーテイル』より。

アイドルにならないかと声をかけたプロデューサーに対し、冬優子は「キラキラした女の子は自分とは正反対」「そんな自分がアイドルになれると思うか」と不安気な様子で問いかける。
黛冬優子が初めて登場しプロデューサーと言葉を交わすこの最初のコミュでいきなり出てくるのがこの『キラキラ』というワードだ。
実はこの単語、これ以降も冬優子が自分の本音を吐露する場面でちょいちょい顔を出してくる。


次に『キラキラ』が出てくるのはこの場面だ。

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W.I.N.G.編共通コミュ『諦めたくないものはひとつだけ』より。

プロデューサーの前でうっかり本当の『ふゆ』の姿を晒してしまった冬優子はしばらく音信不通の状態に陥るものの、自ら事務所へ帰ってきて「もう一度アイドルやりたい」と宣言する。
ここでもやはり冬優子は「自分はキラキラしていない」と思っているようだ。

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ちなみに選択肢次第でプロデューサーから冬優子にこんな言葉をかけることもできる。


ここに至るまでのコミュを見てきたPなら分かるはずだが、冬優子が『ふゆ』として生きているのは人を騙すためではない。ましてや腹黒だからなんていう話でもない。
彼女は「本当の自分はキラキラした存在じゃない」「本当の自分を見せたら嫌われてしまう」と考えている。そしてそれと同時に、『ふゆ』としてキラキラ輝けるようになりたいとも。

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「これが『ふゆ』って胸を張れるアイドル」。それこそが黛冬優子の目指す理想だ。

そしてこのW.I.N.G編共通コミュにて、冬優子はこんな言葉も残している。

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W.I.N.G.編共通コミュ『さあ、幕を上げましょう!』より。

これも、ふゆのほんとの笑顔。
『ふゆ』は偽りの存在ではなく、黛冬優子という人間の一側面を担っているのだ。


それを感じさせるような言動は他のコミュでも見られる。
例えば、バレンタインデーの時。

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このように、自分の本音を『ふゆ』という建前で隠しているはずの冬優子が素直に気持ちを表現できず、『ふゆ』に代弁させる場面もある。



少し話が逸れたが、また『キラキラ』の話をしていこう。
ストレイライト初のイベントとなる『Straylight.run()』はもうご覧になっただろうか。
ご覧になっていようといまいと私はご覧になった前提で話を進めていくのでよろしくお願いしたい。

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このイベントコミュは平たく言うと『ストレイライト結成秘話』みたいなエピソードだ。
根本的な価値観が合わず衝突するあさひと冬優子、それを一歩退いたところから眺めて「2人ともすごい!」と言っているちょっと主張薄めな愛依。
バラバラだった3人が少しずつ歩み寄りを見せ始め、次第にユニットという形に収まっていく。
ただし、この話だけではストレイライトは完成しないので、この3人の関係性の変遷を見守るにはファン感謝祭やWorldEnd:BreakDownなどのコミュもしっかり頭に叩き込む必要がある。これを見ていないオタクたちはストレイライトの関係性の変化についていけず「ストレイライトはギスギスしてるユニットだからw」とアホなことを抜かし続ける羽目になるのだ。

そんなStraylight.run()だが、イベントの報酬として獲得できる和泉愛依のサポートカードの中にめちゃくちゃ重要なエピソードが入っている。

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s-SSR【なるんじゃん?】和泉愛依より。

『ふゆ』の仮面の下にいる冬優子の姿を2人に見せた後、冬優子は愛依に自分のルーツとなる女の子向けアニメの話を聞かせる。
キラキラした女の子たちが力を合わせてもっともっとキラキラになっていく、そんな姿に冬優子は強い憧れを抱いているのだ。
そして冬優子の話を聞いた愛依は、プロデューサーにそのアニメを視聴するにはどうしたらいいかと尋ねる。相手の好きなものに純粋に興味を持ってくれる愛依ちゃん、めちゃくちゃ良い子である。
(ここでお察しいただけたかもしれないが、このエピソードは『WorldEnd:BreakDown』2話の前日譚となっている。)

ここまでに挙げた話の他にも冬優子が『キラキラ』という言葉を用いるコミュはいくつかあるのだが、重要なものはあらかた挙げられたはずだ。


さて、なぜここまで『キラキラ』にまつわる話をし続けてきたのか?
それは、ストレイライト2つ目のイベントとなる『WorldEnd:BreakDown』と、その報酬となるカードs-SSR【@ストーリィズ】黛冬優子の話をするためだ。

まずはストレイライトのこれまでの歩みについて軽く整理していこう。
初イベント『Straylight.run()』を経て歪ながらもユニットという枠の中に収まることのできた3人は、ファン感謝祭を通して『ライバル』という明確な関係性を持つようになり、ユニットとしての結束を深めた。
お互いがお互いを超えるためのライバルである、という闘争心出しまくりな関係性は、他のユニットよりも苛烈なように見えるかもしれない。
それ故、「ストレイライトはギスギスしているユニットだ」と評されることも多い。

しかし、2つ目のイベントとなる『WorldEnd:BreakDown』が実装された今、「ストレイライトはギスギスしている」いう見方は過去のものとなった。
このイベントではストレイライトの3人が『ライバル』であり『ユニット』であり『友達』であることが描かれている。
激エモポイントが多数あるのでひとつひとつ列挙していくわけにはいかないのだが、
"芹沢あさひはストレイライトのセンターである"ということを示してきた『Straylight.run()』、

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"黛冬優子はストレイライトのリーダーである"ということを示してきた『ファン感謝祭』に続き、

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"和泉愛依はストレイライトの『真ん中』である"ということをこれまでの1年間で築き上げてきた思い出とともに圧倒的な説得力を持って示してくる『WorldEnd:BreakDown』は本当に最高なので全人類に見てほしい。

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和泉愛依は最高の人間だということを実感すると同時に愛依のp-SSR【メイ・ビー】に出てきたさなぴー氏の気持ちに痛いほど共感できてしまう。


そして、そんなイベントの報酬として獲得できるのが黛冬優子のs-SSR【@ストーリィズ】だ。

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このカードには『ツイスタ』というSNSに写真を投稿するストレイライトの話が描かれたコミュがついている。
あさひの書き言葉が意外と丁寧だったり愛依の投稿があさひと冬優子や風景のことばかりで自撮りが全然なかったり、尊いエピソードだらけなのでぜひ見てほしい。
そしてファンに公開するSNS上で、冬優子はあさひと愛依に対し『ふゆ』としてこんな言葉を贈っている。

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「リップサービス」と言っているが、本当にそうだろうか。

先述したバレンタインデーコミュの例でも見られた通り、冬優子は本来なら自分の本音を隠すために使っているはずの『ふゆ』の声を使って「自分の素直な気持ち」を相手に伝えようとすることがしばしばある。ややこしい話だが、つまり『ふゆ』も『ほんとのふゆ』の一部だということだ。W.I.N.G.編で彼女が言った「これも、ふゆのほんとの笑顔です」という言葉に偽りなどないのである。

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あさひと愛依は、そんな冬優子の本心をとっくに見抜いているようである。さすがライバル兼ユニット兼友達。



……さて、ここまでこの長文を根気強く読んでくださった方なら、冬優子が発する『キラキラ』という言葉の重さをご理解いただけているだろう。
そして冬優子がツイスタを通して2人に伝える素直な言葉に嘘偽りなどないということもお分かりいただけたはずだ。


それでは、最後に【@ストーリィズ】のラストを飾る冬優子の言葉をご覧いただこう。

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ツイスタを通して冬優子があさひと愛依に送ったのは、『ふたりとも、いっつもキラキラだよ!』という言葉。

これは彼女にとって最上級の賛辞と言っても過言ではないはずだ。

この短いセンテンスがどれほど重い意味を持っているのか、彼女が2人のことをどう思っているのか……この記事でそこまで語るのは野暮なので、やめておこうと思う。

これを読んだあなたが今抱いている感想こそが、きっと「ギスギスしたユニット」という関係を脱し「ライバルでユニットで友達」になった新しいストレイライトの形に繋がっているはずだから。

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