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「高校野球交流試合」に思うこと=甲子園を守ることはSDGsのバロメータ

やはり夏に甲子園で高校野球がある姿はいいな…でも、誰もいないスタンドには寂しさも。

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8月10日から始まった、2020年甲子園高校野球代替大会。中止された春のセンバツ高校野球大会出場校が、1試合ずつ戦う形式で開催される。まずは、この大会の開催の開催にこぎつけた関係各位の方々に敬意を表したい。

ここで感じる2点をまとめると、
・観客を入れることができない寂しさ
・でも、野球が開催できる、見られる環境が存在するありがたさ
となるか。

そして、高校野球が存在するのは、背景となる自然環境・社会環境の恩恵があるからこそ、と改めて感じさせられた。高校野球だけではない。どのスポーツにも言えることである。そこで考えたのだが、2030年、この高校野球は2019年までのようなかたちで存在し続けられるのだろうか?守り続けられるのだろうか?

今年のような感染症の新たな発生、地球温暖化の進行による気候変動、地震、戦乱やテロの発生…と、危惧する要因はいくつもある。そして、「暑さを避けるために時期を変えよう」というようないわば対処療法だけでは守れない事態も想定される。仮に、7月~8月に豪雨が頻発したり、あるいは大型台風が襲ったりして予選や全国大会ができなくなったらどうなるのだろうか??あるいは、新型コロナウイルスよりも恐ろしい人獣共通感染症が発生し、高校野球の開催時期に本格的な都市のロックダウンが行われたらどうするのだろうか?あるいは50℃の猛暑が甲子園を襲ったらどうするのか…いくつもある。新型コロナウイルスをはじめとする人獣共通感染症と気候変動は、実は問題の根本は同じで、自然破壊・環境破壊がその引き金となっていることが、科学的にも解明されてきている。

今から考えなければいけないのは、以下の点だと思う。
・2030年になっても、そのあともずっと、2019年までのように甲子園が行える環境を守り続けること
・さらに加えれば、「夏の甲子園」ができなくなるレベルの気候変動、地球温暖化を防ぐこと

これが、スポーツを守るだけでなく、我々の「持続可能な社会」「持続可能な経済発展」を維持することに直結する。特に夏の甲子園の開催は、その格好のバロメータや目標となるはずだ。

そのための支柱が、「SDGs」「パリ協定」と思う。2015年に採択されたSDGsは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標であり、17のグローバル目標、169のターゲットからなる。そのどれもが、持続可能な社会づくりに必要不可欠であるばかりか、「夏の甲子園開催」その目的だけでも、欠けていい要素は1つもないように感じる。SDGsと同じ年に採択された「パリ協定」は、今世紀末までの気温上昇を産業革命前の比で1.5℃~2℃に抑える目標を定めている。「夏の甲子園」だけでなく、あらゆるスポーツが持続可能に開催されていくためにも、この目標が重要な指標と考える。


「甲子園を守る」=「我々の持続可能な社会を守る」と言っていいだろう。このための柱としてSDGsが、数値目標として「パリ協定」がある。これらが履行、遵守されて、2030年以降も、「夏の甲子園」を、「さらに快適な環境」でみたいものだ。これができれば、世界はよくなっているはず。

なお、その実現に向け、新たに変えていくべき環境もある。1つはテクノロジーの活用で、これは気候変動対策、健康対策、観客の顧客満足度向上も含まれる。もう1つは、教育環境の変化。社会・経済環境の変化に対応して、いわゆる「いい子」の量産でなく、生徒が主体的に自分で考えことのできる教育環境の形成が重要である。その中で、学校組織の側も、テクノロジーやビジネス的視点、アントロプレナー的視点をもうちょっと柔軟に受け入れ、取り込めるようになってほしい。

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