凪良ゆう(2019)『流浪の月』東京創元社

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2020年、本屋大賞受賞作。間違いのない傑作でした。社会というものを構成する周囲の人間たちの、どうしようにも拭えない「偏見」を描きます。しかしここの偏見は、決して汚いものではなく、正しく清らかなものであることがどうにももどかしく、世界のありのままの姿を私たちは見させられます。

いま知らず知らずのうちにあなたが思い考えることは、果たして本当に目の前の誰かを救っていますか。「せっかくの善意」は、受け入れられて当然のことだと思っていませんか。分かり合える関係性を、築きたいと思いませんか。普通の目には見えない、真実を、知り得たその先に。

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