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GOOD事件

TOTTAはRBBBクラウン・カレッジ・ジャパン1期卒。その後(株)クラウン・カレッジ・ジャパンに入社し、研修としてアメリカ本校に留学して卒業しました。なんとクラウンカレッジを2回卒業したという、世界でただ一人のクラウンなのです。そんなTOTTAがまだ日本校1期に入りたての頃に印象に残った出来事について綴ります。



クラウン・カレッジ・ジャパン(以下CCJ)で学んだのは30年も前の事なんだね。光陰矢のごとし!
ワォ!

CCJの講師は全員アメリカ人のクラウンだった。それまで外国人と接したことが無かった私は、ちょっと緊張していたが、皆んな優しい陽気なアメリカ人だった。ホッ。

授業は、それぞれの授業の最後に、一人一人その時習った事を発表するというやり方だった。発表を終えると、グッドといつも誉めてくれる。
"good" 、"good job" 、"great" 、
"wonderful" 、"unbelievable" 、"excellent" など、ありとあらゆる誉め言葉の連発だ。

その頃、演劇もやっていたのだが、演劇の場合、稽古が終わると必ず『ダメ出し』の時間があり、演出家から『ダメ出し』をもらう。
そんな日々が一転。『ダメ出し』ばかりの毎日が『グッド』だらけの日々に変わったのだ。超うれしい。夢のよう。誉められて伸びるタイプの私はグングン成長。したかは分からないが。

そんなある日、事件はおきた。
生徒の一人が優しい先生にくってかかったのだ。「私は今、上手くいきませんでした。それなのに先生は、どうしてグッドって言うんですか?」

なんて事を、グッドって言っているんだから、グッドでいいじゃないか。なんでわざわざそんな事を言うのだ。いいかげんな私は頭をかかえ、私の顔はひきつった。

先生も、この生徒は何を言っているんだといった感じのポーズ。日本人はグッドと言うと怒る人種なのかといった感じのジェスチャー。

その後、通訳を交えて、二人でケンケンガクガク、ああだこうだ、なんちゃらかんちゃら。私達は息を詰め、推移を見守った。

先生「ハハーン。あなたはアドバイスが欲しいのですね」
"アドバイス”、なんという甘い響き。

「みなさんは、クラウンの授業を初めたばかりなのでアドバイスはしませんでした。これからはアドバイスしますね。人前で何かをする事は、とても大変な事です。あなたは、私の指示で発表してくれました。だからGOODです。やらなかったらBADですけど」

私には、目からうろこ。鳥肌ものでした。
一番思い出に残っている出来事です。


TOTTA

子ども達に元気と笑顔をおくりたいをモットーにやってきたのだが、元気と笑顔をもらっていたのは私の方で、子ども達が私におくってくれていたのかも。コロナ禍で、つくつぐ思う。

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