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人類皆兄弟

15歳の時に米国に留学しました。僕の従兄弟が同じ事を経験していて、帰国子女の試験で某有名大学に入って卒業して、某有名企業に就職したので同じ事が出来ればって事でした。行かせてくれた両親には今でも感謝しています。4ヵ月間大学内にある語学学校に通ってから地元の公立高校に入学しました。

カリフォルニアやニューヨークみたいな都会ではなく地方都市の更に言い方は悪いですが田舎の方で、しかも白人地域というか外国人が極めて少ないエリアでした。生徒数は約2000人。うち1990人くらいが白人の高校に入ったのです。その頃、完全にHIPHOPミュージックにハマっていた僕は何も分からないままそんなような格好をしていました。英語はほとんど理解出来ないまま。当然「何だコイツ」って感じになりますよね。身体は小さいし華奢だし。

差別の絶好の対象になるのに時間はかかりませんでした。ツバかけられる。いきなりぶん殴られるのは日常茶飯事。映画とかで観た事あるかも知れませんが、あっちの喧嘩はタイマンが多いです。たくさんの人に囲まれて。中学野球部でテキトーにやってた僕はやられるばっかでした。相手デカい。あっちの奴等はガキの頃から筋トレしててゴツい。ボッコボコにやられてました。

でも諦めなかった。「俺は日本代表なんだ」って勝手に思ってた。絶対にやり返す。
たとえ負けると分かっていても。

でもどうしても勝てない。僕はレスリング部に入って筋トレを始めた。それをしたかったんじゃなくて必要に迫られて始めた。命の危険を常に感じていたから。古本屋さんで見つけた日本の空手の本を買った。「芦原空手」ってやつ。それと人間の急所の研究を始めた。その結果、自分なりのデカい外国人をぶっ倒す方法を確立した。その方法は内緒です。っていうか僕の方が外国人だったのにね。

体重50キロ台でベンチプレス100キロあげれるようになる頃から負ける数が減ってきたと同時に、友達や仲間が増えていった。1回やった相手とは友達になれた。ダントツで1番強かった奴とはやった事ないです。途中で友達になって色々と助けてくれました。結局日本に帰らなければいけなくなった頃(理由は察して下さい)にはみんな友達だった。仲間だった。当時同じ高校に通っていた人達は間違いなく言うと思う。「日本人の根性はハンパないし、クソ努力家でクソ仲間想いだ」って。自信ある。

あれだけ憎んでた、敵だと思って奴等、全員仲間になってた。大好きだった。HIPHOPが好きで今でも聴いてる。人間は白、黒、黄色、茶色くらいしかいないでしょ。そんなに種類無いんだよ。血液型もそんなに種類無い。ただ、国はたくさんあるんですよね。名前だけ違って、同じような人が生きてる国が。

だからもう○人がウザいとか、○人は団体でうるさいとか、○人は暴力的で怖いとか言うのやめませんか?

来年オリンピックですよ。世界チャンピオン決めるんですよ。それを見に、たくさんの人が世界中から日本に来るんですよ。笑顔で迎えたくないですか?「日本最高!」って言ってもらいたいんですよ僕は。僕はね。

こんなくだらない文章を読んで頂いたであろう皆さんはどうですか?仲間応援に行って「帰れ」とか言われたらどう思いますか?悲しくないですか?歴史、文化、言語、クセや風習、色々ありますが、大切なのは「今、ここで、自分」じゃないですか。それは海外の人の為では無いのかも知れません。

家族や友達、一緒にいてくれる人、地元の先輩後輩、すれ違う誰か。その人達を大切にしたい。何が出来るんだろう。僕にもまだ分かりませんが自分なりに努力はしています。

皆んな友達になれるって信じて。諦めないで。

悲しい時や寂しい時は泣くし、ムカついたら怒るし、楽しい時は笑うんだからさ。




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