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去年の今頃

数年前からヨーさん(奥さんです)が「喉に違和感がある」と言っていて、そろそろ検査でもしてみたらと提案したのが一昨年。

【悪性良性はまだ判断できないが甲状腺に腫瘍がある】と分かった。1年様子を見て去年再検査。結果は【甲状腺癌】。悪性と良性2つ。

手術が決まって心配させないようにお互い明るく振る舞っていたのが去年の今頃。「大丈夫大丈夫。死ぬ訳じゃない。」

担当医師から手術についての説明を聞いた。
「簡単な手術です。もう何百回もやってますから。この2本の線みたいなのが反回神経といって、これ切っちゃうとアウトです。もう声出なくなります。」
「いやそこはマジでお願いしますよ」
「大丈夫です。傷つけないようにやりますから。」
「あと術後1日はICUに入ります。看護師がずっと付いて見てます。稀に血が喉に詰まって息が出来なくなって死んじゃうんで。声出せませんから。」
「いやそこはマジでお願いしますよ」

そんな感じだった。

手術当日、3時間半の予定。少し過ぎて担当医師から連絡があった。
「いやーヤバかったです。思ったより全然悪い状態でした。反回神経を覆うように癌が広がっていて、反回神経諦めなきゃいけないかなって一瞬思いました。
「で?」
「何とか残せましたが麻痺が残ります。1年くらい声は戻らないと思いますが、また普通に喋れるようになります。」
「感謝します。ありがとうございました。」

手術はなんとか無事に終わった。
最初は全然出なかった声もだいぶ戻ってきた。まだハスキーで完全じゃないけど可愛い声だ。
元気に暮らしている。お仕事は一旦お休みして着付け教室行ったり、俺が休みの日は一緒に日帰り温泉なんかに行ってる。幸せだ。

今夜はそんなヨーさんの誕生日パーティーだ。昨日でお酒も解禁されたし、大好きなお店予約してある。

飲むぞ。

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