しずくだうみの闇ポップ講座(6)

雨について

●テキスト/しずくだうみ

 雨の日のことは「天気が悪い」などと表現されがちだが、雨が降る方が都合がいい人にとっては悪い天気ではない。だからきちんとしている天気予報のテレビ番組は「天気が悪い」という表現は使わないと聞いたことがある。
 多くの人と同じく、私にとっての雨はでかける気が削がれる材料である。靴が濡れる、髪が暴発する、傘を畳むのが面倒である…などのことを考えると、自然とマイナスイメージで憂鬱になる。逆に一日中家にいていい日の雨は、しとしと降る音が心地よかったり、植物にとっては恵みの雨だなぁと唐突に思い出して嬉しくなったり、必ずしも想起するものはマイナスとは限らない。人間は状況次第で同じ現象をどうとでも受け取れる生き物だ。悪く言えば勝手なのだと思う。
 勝手といえば、「雨女・雨男」などと言って肝心な時に雨に降られる人のことを揶揄する勝手な決めつけの習慣があるが、日本文化圏以外ではあまり見られない現象らしい。「雨男・雨女」と言って騒ぐ人々と血液型占いを信仰している人々との親和性が高そうだと勝手に思っているが根拠は全くない。あっ、私も勝手な決めつけをしてしまった…。

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