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爆裂バイタリティで仕掛け続けるマーケターの話

大手Web媒体で企画営業やマーケティングを経験し、3社目のステージとしてClipLineを選んだマーケティング部 部長の東に深すぎる趣味の世界や仕事の哲学について聞きました。

東 侃輝 -Naoki Higashi-
1993年生まれ。横浜国立大学 教育人間科学部 人間文化課程を卒業後、アイティメディア株式会社入社。企業向けWebメディアを活用した大手IT企業のBtoBマーケティングの企画設計・支援に従事。その後クックパッド株式会社に入社し、食品・飲食・小売店向けのマーケティング支援プロダクトの営業企画、マーケティング/IS組織の立ち上げとともに、企業向けオウンドメディア「FoodClip」の立ち上げとそれを起点にした新規事業開発を担当。2022年にClipLine入社、現在はマーケティング部の部長を務める。
趣味は野球(観るのもやるのも)、演劇(やる方)、銭湯巡り、深夜ラジオなど。

仕事以外の分野で培った感性を「仕組みづくり」に活かす

演劇の道を諦め、アイティメディアに入社

ー東さんは多芸多才というイメージがあります。

子供の頃から甲子園を目指して野球をやっていました。野球を続けられそうな国立大学に頑張って入ったんですが、燃え尽き症候群のようになり入学後すぐ辞めて、人文科学の学科で現代美術を専攻して急に人形研究に没頭するようになりました(笑)。発泡スチロールを削って装飾を施したトルソーを展示して単位をもらってたりしてましたね。
あと野球を辞めてすぐに演劇をやるようになりました。入ったのが地方も回るテント劇団だったので公演でほぼ1ヶ月大学に行けない、なんてこともありました。
 
ー今でも続けているそうですが、演劇はどんなところが好きなんでしょうか?
 
最初は身体を使うことと、声を出すことと、ある程度の理不尽さが野球と共通してたからだと思うんですけど(笑)、今は「人と関わる」ということを突き詰めて考えることが好きなんだなと感じています。それによって人間としての「幅」が広がる気がして、仕事にもいい影響を与えていると感じていて、仕事の合間を縫いながら何とか続けています。
あとはこれも仕事と共通しますが、人と人をつないだり、「場」をつくることにすごく興味があるというのも理由になるかなと思います。

就職せず演劇を続けていくのかなぁと思ったこともあったんですが、僕は器用貧乏タイプで、何か1つを突き詰める人間ではなく、演劇だけでは続けていけないなと思って就職しました。大学3年の秋口、ハイエースとトラックで地方各地を回る公演をやっている時に、演技に没頭しきれないジレンマをふと感じるようになって、就活を始めて、4ヶ月ぐらいで内定が出ました。

ー切り替えが早いですね。どんな基準で就職活動をしたんですか?

今もそうなんですが「仕組みを作る側にいたい」という想いがあります。大学で一気に広がった世界観や感性を活かして、仕組みや「場」を作る側にいくためにはどうすればいいかという観点で仕事を探しました。
テレビ局や結婚式場、イベント会社などを受けていた中、「ITmedia」 や「ねとらぼ」を始めとした、しっかりしたコンテンツがあるWebメディアを運営していて、何より最新テクノロジーを扱って世の中の仕組みが変わるのを眼前で感じられそうなアイティメディアとご縁があり、「ここだ!」と即決しました。

大胆配属で戸惑い、揉まれながらも賞を総なめ

ー入社後の様子を教えてください。
 
一回り年上の年代と演劇をやっていたからか、当時から態度がデカくて、「新人に見えない」ということで大企業のみを担当する広告企画営業の部門にいきなり配属されました(笑)。非常にプレッシャーはあり、それこそ「経験豊富なメディア営業」を演じていたような気がしますが、なんとか軌道に乗せることができました。

1年目から新卒で誰もが知るような大企業を4社担当させてもらい、2年目ではその中の1社の売上が大きく伸び、四半期MVPを3期連続で取り、全社の年間MVPにもなりました。これは本当に運が良かったですね。

今でも暇があれば草野球をやり、毎週神宮球場に観戦に行く。セールス、CSの同僚と。

本当に恵まれていたと思いますが、早い段階から大手IT企業のマーケターと膝を突き合わせて話す機会を得られたのが今のキャリアの原点になっています。ちょうどMA(マーケティングオートメーション)や見込み客獲得から受注までのスキームの整備が台頭してきた時期で、BtoBITのマーケからセールスにつながるまでの仕組みに携われたことがすごく面白かったですね。
この時にいつか事業者側で仕事ができたらいいなという思いが明確に生まれました。また、テクノロジーの最先端を追う媒体にいたことで、レガシーな企業がテクノロジーで変わる事例を多数目の当たりにして、これは自分がやりたいことだなと感じました。

 ー早々に成功体験を積めたんですね。苦労も多かったんじゃないですか?

社内外にプロジェクトの登場人数がとにかく多く、ハブになることが多かったのは大変でした。企画営業としてプロジェクトリーダー的な役割を求められたので、体当たりでやっていった感じですね。今振り返るとバックエンドの方に無茶振りしたり、良くない立ち回りもたくさんしたと思いますし、反省していますが(笑)、非常に良い経験だったと思います。

社会人初めての挫折を味わったクックパッド

カルチャーショックに苦しみながら突破口を探す

ーその後、クックパッドに転職しますね。何を目指していたのでしょうか?

マーケターへの志向はあったのですが、媒体も非常に面白さは感じていて、これまではサーバーや仮想ネットワークなど、生活から遠いIT商材を扱ってきたので、もう少し手触り感のある、自分の生活に近い領域のプラットフォームで同じような仕事をしてみたくて、クックパッドは非常にいいなと思い転職しました。

転職後も同じ法人向けの広告企画営業でしたが、クライアントが急に調味料や飲料などのメーカーになったので、かなりカルチャーショックを受けました。アイティメディアはBtoBtoB、クックパッドはBtoBtoCなので、今までのやり方は全く通用しなかったんです。
まず一部大手を除いてクライアントにデジタル活用の文化がなかなか根付いていない業界で、小売店での棚の取り合いが最優先の中でどうデジタルの価値を見出すか、という難しい状況でした。

生まれて初めてテレアポをしたり、色々とチャレンジはしたんですがなかなか結果につながらなかった。仕事がうまくいかない時って誰でもあると思うんですが、僕の場合は前職での成功体験が強すぎたのもあり(苦笑)、そこからの落差とか、できるはずなのにできないジレンマを感じ、すぐ転職を考えたタイミングもあったし、かなり悩みました。

領域を決めずに何でもやるうちに仕事の楽しさが見つかるという

変化のきっかけになったのは、販促のための社内の仕組みの最適化に着手したことでした。
当時CRMを入れながら活用しきれていなかった状況があり、営業をやりながら「こういう形にすればもっと売れるのでは?」という思いが沸いていました。

そこで前職時代の知識を活かし、営業と並行して「ちょっとこういう感じにしませんか」と企画書を作ったり、MAの導入を進めたり、マーケの仕組みづくりを半ば勝手にやっていったんですね。そこからやがてマーケ専任になり、インサイドセールスの立ち上げや、企業向けオウンドメディア「FoodClip」の立ち上げと、それを活用してマネタイズする新規事業開発なども担当しました。
 
ーマーケターへの道を自分で切り拓いて作っていったんですね。
 
何とかしなきゃいけないと思って、マーケに限らず無我夢中で自分にできることを突き進めた感じですね。クックパッドは、想いと論理が伴っていればチャレンジを受け入れてくれる企業だったのでありがたかったですし、壁も多かったですがやりがいがありましたし成果も出すことができてよかったです。

原体験とテクノロジーによる業界変革事例で共感した成長可能性

「この会社は俺のこと欲しいんだろうな」と思い入社

ークックパッドでひと段落したのを実感してまた次のステージを探したんですね。

そうですね。SaaSを中心にレガシー産業のDXやデジタル化支援をやっている会社にいきたいなと思っていて、その中でClipLineに出会いました。求人情報にあった人材像やスキルセットが合致しすぎていたので、多分この会社は俺のこと欲しいだろうな、と思いました(笑)。
また何より、対象のマーケットや、『「できる」をふやす』というミッションが刺さったことも大きな理由です。

ここには原体験がいくつか関係しています。僕は大学時代、特に内定後は奨学金返済のために3、4つ掛け持ちしてバイトをしていたんです。居酒屋などのサービス業の他、展示会のブースを作るような日雇いの大工仕事もあったんですが、ああいう仕事って基本的に誰にも教われないんですよ。ほとんど初対面の職人さんで、やり方を聞くこともできないから、周りの様子を見て盗んで一生懸命怒られないように頑張るんです。もう、本当に全然教えてくれないんです(笑)。

ある現場で、3メートルぐらいの脚立から落ちて怪我をした人がいたんですが、誰もフォローしないんですよね。みんな個人事業主で、自己責任だし、継続的な関係性があるわけじゃないから。自分にも、誰かのミスで上から物が降ってきて一歩間違えてたら大惨事、みたいなこともあって、これって何かで解決できないのか、というのは学生時代から漠然と思っていました。

そうした原体験や、テクノロジーで人の生活や業務が豊かになることにはこれまでの2社での業務で深く実感してきて、それを実現していく立場に立ちたいという想いがあったから、事業共感は強くありました。ClipLineは一人一人にIDが付与されて現場の生産性を上げる仕組みで、日本のサービス業が正当に評価されていない、という話も含めて納得感があり、入社を決めました。

個人ワークが多い部門だが、チームでの足並みは常に確認しながら進めている

「マーケの仕事はこれ」と決めずに取り組む方が面白い

ーありがとうございます。ではいよいよ入社後の業務を教えていただけますか。
 
入社後は、デジタル動線でのリード獲得、サイト改善、顧客管理周りの整備、顧客向けのメルマガなど担当しつつ、厳密にはマーケの仕事ではない、「誰かがやると誰かが喜ぶ」ような仕事を積極的に拾うようにしていました。
例を挙げると、フィールドセールスが使うデモ環境の整備や、商談中やナーチャリング対象の顧客に向けて、ClipLineについてより深い情報が集約され、接触するとMA上で個人ごとにスコアリングができるクローズドなポータルサイトの作成などです。いずれも社内に点在する情報資産を集約しアウトプットする作業なので、他部署との連携の上進めていきました。

また、前職時代から記事編集やライティングもやっているので、お客様の現場に出向いて、実際にClipLineを使っている店長さんやアルバイトさんの現場の声を伝える事例記事コンテンツを作ったり、動画制作など僕らのやっていることや価値をコンテンツとして形にすることに注力していました。

ーかなり精力的にいろいろ取り組まれたんですね。マネージャーになってからはどんな変化がありましたか?

マネージャーになってからは、ただ見込み顧客を獲得するだけではなく、「お客様とのコミュニケーションの総量をいかに増やせるか」というテーマを掲げています。
お客様起点でのコミュニケーションを目指し、お客様が適切なタイミングで欲しいコンテンツに適切に接触できることを考えて従来の施策から設計をし直しています。
まだまだ改善点はありますが、商談の質の向上やお客様との密なコミュニケーションの創出など、着実に成果は出ていると思います。

こうした取り組みを成功させるには、IS・営業との連携が不可欠です。
我々がとっている「THE MODEL」型の組織って、それを変に解釈して「悪い縦割り」になりがちで、そうならないためにも、「マーケティングの仕事はこれだ」と決めて仕事したら面白くないと思っています。

我々は横串で全社の課題に対してどうアプローチするかを考えられる立場にあるし、そうあるべきだと思っているので、視野広く全ての部署の人と絡みながら仕事をしていけるような体制にしたいと思っています。

チームのみんなが「好き勝手」できる環境にしたい

ーチームマネジメントで意識していることはありますか?
 
やりたいこととやるべきことをどれだけ一致させて組織として動けるかが大事だと思っているので、メンバーにもそれを念頭に置いて動いてもらえるといいなと思っています。求められる役割や解決策と合致した中で好き勝手できるのが仕事の面白さだと思うし、僕は結構そういう体験をしてきたので、みんなができるようにしたいなと思いますね。

ーチーム構成は東さん含め、正社員3名とリスト管理をするアルバイトさんが4名、合計7名ですね。これから入る人はどういうポジションになりますか?また、どんな人に入ってほしいですか。

僕が今プレイングマネージャー的に色々実務も持っているので、その中から得意なこと、やりたいことから切り出して着手していただくことになると思います。

想いとしては、プロダクトの良さとお客さんをつなげるレールになる企画や仕組みを考えることに喜びを感じられる人と一緒に仕事がしたいと思います。「オールラウンダー」と言うとありきたりですが、単に企画を考えるだけじゃなく、それを浸透させたり、ボトルネックの原因を考えて解決方法を実行したり、社内の誰かからコンテンツを引っ張ってきたり、自分たちだけじゃ解決できないところも推進力を持って進められる人と働けたら幸せだなと思います。

なのでマーケだからと言ってデジタル広告を回してPDCA検証しまくってましたみたいな経験がなくて全然よくて、人を巻き込んで仕事をするとか、ちゃんと伝えるということに価値を感じてもらえる人であれば良いと思っているし、そういう人にとってはとてもいい環境だと思います。現在マーケ職の方はもちろん、それこそ媒体営業とか、事業者側に来てみたい代理店の方とか、合うんじゃないかなと思っています。

こういうこと言うといかにもベンチャーっぽくて嫌なんですけど…、前職の人が今の僕を見たら、相当爆速で成長してるように見えると思ってるんです。今ギリギリ20代ですが、このタイミングでマネージャーになっているのは想像していなかったですし、本当にいろんな経験をさせてもらってここまで来ているなと思います。

ー今後の目標について教えてください。

僕の入社理由になった『「できる」をふやす』への共感って同じように思ってる人がたくさんいるし、僕らがやっていることは意義深いことだと思っているんですが、プロダクトの価値も含めて、それがあまり伝わっていないと感じているので、マーケの役割として僕らの価値を正しく市場に伝えていく機能をもっと高めていきたいと思っていますね。

それは派手な広告をやるという話じゃなくて、現状言語化できていないものを言語化することかなと思っていて、そのためには僕らが一番会社やプロダクトを理解できて、市場や顧客のことも知らないといけないと思います。
やりたいことはたくさんあって、もどかしい思いもありますし、もっといろんな人を巻き込んで取り組んでいきたいです。

ーこれから仲間を増やしてさらに爆進したいってところですね。ありがとうございました!

エネルギッシュな東さんの話をたっぷり聞かせてもらいました。マーケティング部やClipLineに興味をもってくれた方、採用情報は下記からご覧いただけます。お気軽にご連絡ください。