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今を生きるのがしんどい人へ。セルフコンパッションという考え方。

以前、学生からの質問でこんなものがありました。
「しんどい時、どうしたら頑張り続けることができますか?」

失敗した時、しんどい時、どん底に落ちた時、苦しい時。そんな時にいつも私を助けてくれるのがSelf-compassion という考え方。簡単に言うと、自分に優しくする考え方です。

第一研究者は、クリスティーンネフさん(Kristin Neff)という方。TED Talksでは、”The space between self-esteem and Self compassion”という題でスピーチをしています。
日本語字幕がまだ付いていないのですが、TOEFL, IELTSを勉強している方には英語のリスニングのためにも、ぜひ見て欲しいスピーチです。

Self-compassionとは?

Self 自分に向かって
Com 共に
Passion 情熱、愛情を

*Compassionを辞書で引くと、「同情や哀れみ」とでますが、どちらかというと英語では「思いやりや、相手の気持ちを理解すること」の意味で使われます。

何かに失敗した時や、落ち込んだ時。
そんな時は無意識に、自分にひどくあたってることってよくありますよね。
「自分なんてダメだ。」
「私って本当にバカ。」
「自分には価値がない。」
私も無意識に自分を見下していました。(笑)
一度、自分が自分に対してかけている「言葉」に注目してみる。きっと発見があると思います。

セルフコンパッションは、この自分に対してかけている「言葉」を変えます。「もし大切な人(家族や友人)が、今の私(または私の状況)を見ると、どういう風に声をかけてくれるかな?」と考える。

きっと、大切な人は落ち込んでる私を見て、「本当にバカだね。」とか「ダメ人間だね。」とか、私を傷つけたり、見下したりするような言葉は言わない
「大丈夫だよ。」「そんなに気にすることないよ。」「最近すごく頑張ってるよね。」と励ましてくれる

そんな言葉を、自分で自分にかける。
これを繰り返すことで、自分を責めるのではなく、励ます考え方です。

Self-compassion 3つの基本要素

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セルフコンパッションには、3つの基本要素があります。

その1、「マインドフルネス」は、自分の心の状態を知る。しんどい事を、苦しい事を認めます。

その2、「共通の人間性」は、苦しい事は誰にでもあることを認識する。困難なこと、大変なことが起こるのは、変なことではない。誰にだってあるんだよ、と前向きに捉えます。

その3、「自分への優しさ」は、文字通り、自分に優しくする。甘やかすのではなく、励まし、応援する。
自分が自分の第一の親友になってあげます。

たとえば、自分が木だとします。
外に立っている木はこう言います。

「今日は雨が降って、風が強いなぁ〜」
「あっ、台風がきてる!」
「ここに立っているのはしんどいなぁ」
これがマインドフルネス

そして、
「こんな大雨の日って誰にでもあるよね。」
「嵐が来るのは私だけじゃないもんね。」
これが共通の人間性

「こんな状態で、ここに立っている私、すごいなぁ。」
「私よく頑張ってるよ。」
「しんどいけど、折れない私ってやっぱり天才!」
これが自分への優しさです。

Self-compassionのメリット

1. 人と比べなくていい
人は自尊心を育むために、幼いころから人と比べ、自分を「判断」することがあります。
自分はいい人?悪い人?賢い人?賢くない人?
周りと比べて自分のことを知り、判断しようとします。

自尊心は必要ですが、高すぎても、低すぎても問題です。高すぎると、ナルシルトになる。低すぎると、うつになる。

どうしたら、健全な自尊心を育めるのか。
その方法がセルフコンパッションです。
人と比べなくていい。
自分で自分に愛情をたっぷりそそいであげる。
自分が他の人にするように、優しさ、思いやり、共感を自分に与える。
自分が人とどう違うか、どう優れているかではなく、苦しい事も楽しい事も周りの人と同じである事を認める。そうして、自分を認めて強くなる。自分を尊敬、尊重するようになります。

2. 立ち直りが早い
自分に対して厳しくする理由の根本に、モチベーションがあります。挫折から自分を奮い立たせるために、自分に厳しくする。「もっと、もっと」と頑張りすぎて、パンクする。苦しくなって、いつのまにか自分で自分を追い込む。
この方法は長く続きませんし、立ち直りにも時間がかかります。一時的に頑張れたとしても、「自分なんて」と諦めてしまいます。

セルフコンパッションだと、結果が変わってきます。
自分を奮い立たせるために、自分に優しく、自分を励ます。「ここまでよく頑張ってきたよ。一緒にもうちょっと頑張ろう。」と愛情を持って声をかける。そうすることで、挫折から立ち直れる。長く頑張れる。諦めずに、ゴールへ辿り着ける。

クリスティーンネフさんは実験で、このことを証明しています。

3. ストレスが減り、幸福感が高まる。
自分を励ますことができれば、自然とストレスが減ります。
自分が自分の「敵」である時は、自分で自分にストレスを与えている。これからは自分が自分の「親友」になろう。それだけで、心の衛生環境が整います。

クリスティーンネフさんはこのことも実験で証明しています。

Self-compassion は私をトラウマから救ってくれた。

昔、色んな事があって自己肯定感がどん底に落ちた事がありました。
「自分が嫌い」
「自分に自信がない」
「自分がわからない」
「自分には価値がない」
本当に迷子でした。(笑)

なぜか「ここから逃げないと」と思い、カナダへ逃亡。
そんな時に、セルフコンパッションと出会いました。

知れば知るほど、いい事だらけ。
いい事すぎて、一瞬疑いましたが(笑)
府に落ちたのは、母のおかげだと思います。

昔から、誰とも比べずに、姉妹でも「各個人」を見てくれた母。辛い時は沢山励ましてくれました。
そんな母の言葉が、セルフコンパッションによって蘇ってきた感覚でした。

セルフコンパッションは練習が必要です。
いつのまにか訳もなく自分を責めている時がある。
それに気付くのか第一ステップ。
自分を責めていることに気付いて、言葉を変えて、自分を励ます。

何度も繰り返しました。

そうすると、
息がしやすくなる。
心が温かくなる。
安心する。

トラウマから立ち直る第一ステップは、セルフコンパッションでした。

自分に厳しくする時代はもう終わり

With self-compassion,
we give ourselves the same kindness and care we’d give to a good friend.
- Kristin Neff
「セルフコンパッションで、
友達に与えるのと同じ優しさや配慮を、
自分自身に与える事ができます。」
- クリスティーンネフ

「自分に厳しく、人に優しく」と言われますが、これは今変わろうとしています。
「自分に優しく、人にも優しく」に移行しつつあります。

厳しさは、しつけや自分を律するために必要です。
しかし、それ以上の自分への厳しさは、攻撃になってしまいます。

私は大学生への最後の講座でこんな言葉をかけました。

「自分に厳しく」はもうやめて大丈夫です。
みんな立派に、毎日大学に来て、
嫌でも休まずに英語の授業を受けてる。(笑)
昨日彼氏、彼女に振られても、
試験の結果が周りより良くなくても、
バイトで落ち込むような事があっても、
次の日にはちゃんとクラスに来ている。
そんな自分をいっぱい褒めてあげてください。
自分えらいねって励ましてあげてください。
自分をたくさん励ますことによって、
きっと将来、みんなにはいい未来が待っています。

セルフコンパッションで救われる人が、1人でも増えますように。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました^_^


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