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#ファシリテーション
安斎への講演依頼、2023年の人気テーマ
この3年間で『問いのデザイン』『問いかけの作法』『リサーチ・ドリブン・イノベーション』『パラドックス思考』などを出版し、最近では「新時代の組織づくり」「冒険的世界観」などのキーワードを積極的に発信していることから、大変ありがたいことに幅広いテーマで講演依頼をいただくことが増えてきました。
リソースに限りがあるためすべてのお声がけにお応えすることはできないのですが、自分にとって「探究の成果を話すこ
『パラドックス思考』が(惜しくも)刺さらなかった読者への手引き
新刊『パラドックス思考』出版から2カ月経って、大学生から20代若手、ミドルマネージャーや経営陣とかなり幅広い層の方々に届いているなと実感しています。SNSを見ていると、嬉しい感想もちらほら。
特に大企業やメガベンチャーの重責を担う経営層や幹部リーダーの方々からは「まさに経営とマネジメントの葛藤を言語化してくれたと感じた」「複雑な意思決定の真髄が書かれている」などのありがたい感想を多数いただきまし
"問いは、「良い答え」を導くためのものである"...は本当か?
なぜ問いを立てるのか。問いのデザインはなぜ重要なのか。問いをデザインすることの意義については、さまざまな意見があるように思います。
たとえば、問うことは人間の本能に近い営みのため、問うことは、生きることである、という意見もあるでしょう。ジョン・デューイも人間の根源的な衝動の一つに「探究的衝動」を位置付けていましたから、私自身もその考え方には共感するところがあります。
他方で、私が問いについて「
ファシリテーションにおける「誘導」と「提案」の違い
ワークショップデザインやファシリテーションの講座をしていると、初心者の方によくいただく相談に「ここまでプログラムを作り込むと、誘導になってしまうのではないか」「参加者をファシリテーションによって誘導していないか不安なのですが..」というお悩みがあります。
今回の記事では、ワークショップデザインにおいて気をつけなければいけない「誘導」とは何か。建設的な「提案」と何が違うのか、ということについてまと
新刊『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』好評発売中!
2015年に出版企画が立ち上がってから苦節5年、大変長らくお待たせしてしまいましたが、ようやく書籍『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』(安斎勇樹・塩瀬隆之著 学芸出版社) が6月4日に発売されました!
企業の商品開発・組織変革・人材育成、学校教育、地域活性化などの複雑な課題解決において、問題の本質を見抜き、正しい課題を設定するための思考とスキル。そして関係者を巻き込み課題を解決する
これからのファシリテーターに求められることは?
感染者がいなく、県としても緩和の方向となる都農町。
土曜日に、ひっさしぶりに7人で小規模ワークショップを開催、一日、ファシリテーターを満喫できて楽しかったです。
やっぱりいいっすね、アナログは。
とはいえ、ごくごく身内で、打ち合わせの延長だからできたこと、もともと今年予定していた多数の町民とワークショップ、というのはしばらく先になるor一、二年orほぼ永久に無くなるのかもしれません。わかりま
「固定観念にとらわれずに、自由にアイデアを考えましょう!」というファシリテーションに対する改善提案
ワークショップやファシリテーションを専門に仕事をしていると、現場の方々とコミュニケーションをするなかで「外部でこのような酷いワークショップを経験した」「こういうファシリテーションに、参加者として不快な思いをした」というような報告が、耳に入ってきます。(たまに自分たちもやっちゃってるなー..と思って、耳が痛くなることもあります笑)
そのなかでも、多く耳にする”愚痴”が、以下のようなファシリテーショ
ファシリテーターの”芸風”の構造
ミミクリデザインの組織学習を専門とするファシリテーターの遠又が、こんなことをツイートし、共感を集めていました。
たしかにファシリテーターと呼ばれる役割には”画一的な理想像”は存在せず、「個性」のようなものが存在します。現在ミミクリで進めている熟練したファシリテーターの暗黙知に関する調査研究でも、当日の立ち振る舞いや、背後にある価値観は、ファシリテーターによって多種多様であることが確認されています
やる気を引き出すファシリテーション:ARCSモデルとワークショップデザイン
ワークショップ、もしくはワークショップ型の授業や研修において「参加者の動機付け」は重要な課題です。
ワークショップ形式にすればすなわち参加者の意欲が引き出せると思われがちですが、ワークショップはねらいが曖昧であったり、活動の目標と学習の目標がひねって結びついていたりするため、イントロダクションから意識的に工夫をしなければ、「ノレない」参加者が出てきてしまいます。
授業や研修設計の理論であるイン
問いの「深さ」を測る:ワークショップデザインのシミュレーション
ワークショップの「問い」のデザイン論を考えていく上で、問いの立て方、組み合わせ方などの「作り方」の議論もとても大事なのですが、試作した問いの「評価方法」についても考えなければなりません。
デザインはプロトタイピングと仮説検証をしながら進めていくプロセスですが、「いま作っている問いは、実際に参加者に投げかけた際にうまくいくのか」についてシミュレーションができなければ、「良い問いが完成した!」と判断
ワークショップの足場かけ:抽象的思考と具体的思考の変換プロセスの支援
ワークショップデザインやファシリテーションの本質は、経験のプロセスデザインである、ということは以前の記事で解説しました。
たとえば目の前の「問題」について話し合ってから「ビジョン」を話し合うのか、あるいは、理想的な「ビジョン」を話し合ってから解決すべき「問題」を話し合うのか、仮に活動を構成するパーツは同じでも、そのプロセスによって経験の意味合いや話し合いの結果は異なるものになるからです。
初心
組織の諸問題(戦略・チーム・個人)にアプローチする組織開発プロジェクトの設計
株式会社テクムズの求心力向上を目的とした新たなコーポレートアイデンティティ構築プロジェクトを実績・事例ページに公開しました。
製造業や小売業向けに、人工知能(AI)を活用したソリューションを提供しているベンチャー企業、株式会社テクムズから依頼を受け、ワークショップを活用したコーポレートアイデンティティ(CI)の構築を行いました。組織の視点と個人の視点を往復することで、一人ひとりにとって納得感のあ
創造性の土壌を耕すとはどういうことか:イノベーションの源泉となる創造性の3階層
ミミクリデザインの全体合宿@三浦半島が終了しました。3期目に突入し、正社員メンバーもいつの間にか10名を超え、フルタイムでない業務委託メンバーも含めれば30名弱ほどになりました。採用活動にもさらに力を入れ始め、現在進行形で新たな仲間が増え続けているため、改めて理念を問い直し、組織に求心力をもたらすための行動指針の言語化を進めています。
ミミクリデザインでは2周年を機会に「創造性の土壌を耕す|Cu
企業内人材育成にワークショップを導入する意義を2つの変化のレベルから考察する
企業の人材育成の取り組みに「ワークショップ」の手法や考え方を活用したいというご相談が増えています。ミミクリデザインでもこれまでさまざまなプロジェクトを担当させていただき、 たしかな手応えを感じています。
他方で「なぜ企業内人材育成にワークショップが有効なのか」と問われると、回答には少し整理が必要だと感じています。
その理由を紐解いていくと、「人材育成」が目標としている変化のレベルには、乱暴かつ