短期で本気の読図 ~誰よりも森の中で大旅をしてきた人の話~

オリエンティア Advent Calendar 2022の22日目を担当させていただきます、早大OC(東京理科大学)2年の宮川葵衣です。企画者の方からお声かけいただいて書かせていただくことになりました。
2女は12月初旬に固まっているのに、なぜこいつだけ後半なのかと言いますと、建築課題の最終提出日が12/19で死に際でしたので、日にちを変えていただいたんです。柔軟な対応ありがとうございました。

ネタが尽きてしまった今日この頃ですが、今回は、大学のキャンパススプリントすら回って来れなかった私が、オリエンテーリングで森を走って帰れるようになった練習をひとり語りたいと思います。エリートまでの道のり練習は木口さんの投稿をみてくださいね。すばらしいクオリティです。

1.はじめに

冒頭に書いてあったように、私は最初理科大キャンパスのスプリントすら1人で帰って来れませんでした。びっくりですよね。なぜかいつも逆方向に行ってしまうんですよ、初めて森に入るとき同期からかなり本気で心配されました。その結果、瑞牆の森でマップアウト寸前の湖まで辿り着いてOCのttmtさんに驚いて笑われたのまだ覚えてます。覚えてますからね。
追記: 実績を足しておきます。
全日本W20E  ロングミドル2位、3位
ロングセレ5位
春インカレリレーで初エリートでしたが、なんとか走りきってなぞに2位で帰ってきちゃって、速くないのに速い断定された人です。

2.頑張ろうのきっかけ


私は4月からOCに入部したものの、月1オリエンでゆるゆるとやっていました。続けたきっかけはご飯が沢山食べれるからです。
オリエンに熱が入ったきっかけは去年の秋インカレです。同期が次々と入賞していく姿を見て悔しかったのを覚えてます。私でも上手くなれるのか?と秋インカレにいたOB(今後は『先生』とする)の方に思わず聞くと、練習すれば出来る、と言われたのでその日から先生に頼み込んで練習を見てもらうことにしました。頑張った理由は単純で、どうしても春のインカレリレーに出たかったんですよね。また、月1オリエンが段々と月2、月3と、とうとう毎週行くようになりましたね。おかげさまで3.68のGPAも今では2.4になりました。

3.練習


私がやったのは、主には『読図』だけです。なんか『だけ』とか使うとちょっとダイエット広告みたいですよね。

webサイトより


『読図』と言っても、ルートを赤線で書くだけでは今までと同じで意味がありません。そこでやった事が2つあります。
①文章化する
ルートを言語化→文章化します。これはかなりの方が当たり前にやっている事だと思いますが、結構重要なんじゃないかと思います。
特に言語化するときに入れていた情報が2つ以上の情報ストッパーです。2つ以上の情報は例えば『細い沢』ではなく『右手にC薮が見える細い沢』とか、『小径』ではなく『常に上り調子の小径』とかのことです。今走っている所、これから走るところの情報を2つ以上持つようにしました。

2021/11/22



2021/12/24

1ヶ月ちょい毎日読図して、2日に1回くらい文章化して先生にLINEで送ってましたが、なんとなく内容の質に違いが出てきたような気がするようなしないような。

また、この頃は読図をすると最近学んだ知識をついついなんでも詰め込みたくなるお年頃だったので、実際には見れないのに情報盛り沢山の読図になりがちでした。先輩からの採点を通して言語化すると、自分で書いてて要らない情報に『気づく』ことができ、情報の取捨選択ができるようになりました。個人的に言語化は自分の読図の出来てることと出来てないところ(まとめると癖)に『気づく』ためじゃないかなあ、なんて年柄にもなく思ったりします、ちょっと真面目すぎてキャラに合ってないですかね。こんな感じで文章化を沢山やって拾うべき情報を選択できるようにし、それと共に、お絵描きOもやって、読図スピードをあげました。OLKのOBさんが作って下さったお絵描きOは当時は早すぎて出来ませんでした(笑)なので、1人で部屋でうぎゃうぎゃ騒ぎながら地図パタパタ隠してお絵描きOやってました。そんなこんなで、当時オリエンするときはポストでしょっちゅうルートをぶつぶつ声に出して、自分にこれを見ろと叩き込んでから走ってました。森の中でこんな人いたら怖いですね。

②止まる場所を決める
CP,APとかもそうですが、分かりやすい例で言うと『尾根の方向が変わる瞬間』とか『道の分岐』とかです。つまり自分が間違えるリスクのある場所コンパスの方向を特に注意して見なければならない瞬間です。これはめちゃくちゃ大事だと思います。さっきよりも…いやさっきと同じくらいかな?まあ大事だと思います。
当時は読図でルート書いてる時に止まる場所を紫点で表してました。それがこの下の地図です。よく見ると赤色のルートの上にポツポツと紫点があるようなないような。読図のプランのとき、間違えそうな場所を事前に予測しておきます。危険の予測、免許講習で習いました。

4.それでどうなった?


これで出来るようになったこと、それが名付けて

『妄想オリエン』

です!妄想って男性の方の方が得意そうですよね。あ、余計なこと言いました。別に変な意味じゃないです。
走るのが嫌いでしたが、妄想ならいくらでも走れます。読図で赤いルートを書きながら実際に頭で走って、本当にこのCPは目視できるのか、本番ではここで止まって1回落ち着こう、などと妄想します。ルートを書くときは常に妄想して、そこの地形を思い浮かべます。それがより速くできるようになれば、走りながら実際の地形情報を地図に落とし込む技術の上達に繋がる気がします。走るのも嫌、筋トレも嫌。オリエンが毎日できない私にとって、読図は1週間に何度も何度もできるオリエンでした。

こんな感じで時間さえあれば本当にずっとルートを書いて書きまくって、春インカレを迎えました。これが私の去年秋インカレから春インカレまでの半年間の練習です。その成果があのインカレリレーの結果のような気がします。他にアナリシスも書きましたが、今年のOCの1年はなんとほとんどアナリシスを書いているんですよえらい。

5.今はなにしてるの?

やっと今年、ロングセレのために走り始めました。かなり頑張ったんじゃないかな、と思います。7kmでキロ5.40が、8.6kmでキロ5.04になりました。0と4が逆になりましたね。オリエンでも走れるようになりました。嬉しくて沢山走ると起こる問題が、オーバーラン、いつもなら止まっていた所で止まれない、焦る、です。今は1から戻ってAPで止まる練習と、自分で設定した地点までは走る、ということです。春インカレリレーに向けて頑張ります!

6.最後に


最近優秀な方多くて、そんなこと言われなくてもやってるわ!っていう人、たくさんいると思います。これはあくまで最低限のことで、自分はまだまだ読図もジョグも強度なランニングも精神面の鍛えも、様々なことが足りてないなあ、と感じる日々です。私は間違ってもオリエンが上手くありませんし、センスのかけらもありません。でも、読図は誰でもできます。走る練習を一切せずに読図だけで今年のロングセレまで乗り切って来れたので、読図って舐めちゃいけません。森から普通の人くらいのタイムで戻って来れるようにはなりましたし、もっと頭で描いてるように走れるくらい上手くなりたいと思うようにもなりました。読図はモチベになりますね。これからも侮らずやっていきたいです。

読んでいただきありがとうございました。 Twitterでどやされないことを祈ってます。

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