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映画/オリエント急行殺人事件

残虐で悲しい物語に対して不適切な言葉の様に思う。
その作品はとても洒落ていた。
ストーリー、キャラクター、セット、カメラアングル。

原作アガサ・クリスティ。

悲しい物語だ。
しかし、最後に感じたのは溢れんばかりの
愛で、涙が溢れた。

最近思うことは、過去は過去であり、
今と切り離して考えるべきだと言うこと。
過去がいつまでも今にまとわりついて
いることに何の意味もなさないということ。
しかしながら、その過去が今を形成するのに
影響していることを切り離すことが
できるわけがないということ。

そんなことを考えていた矢先にこの映画を観て、
何かそのことに対しての一つのヒントを
得た気がする。具体的ではない。
鵜呑みにすることではない。
ただ、それの類の作品に触れて過去と現在と未来が
存在するのだという確認が改めて出来たような感覚を得た。

時間など存在しない、今しか無い。
もはや今もない。時間の概念など幻だ。
そう、最終的には悟ることになる。

しかしあるのだ。
過去も、すでに決まっている未来も。
誰かが残した過去、誰かが作り上げた未来。
そんなカオスな空間に、誰もがたった一度の人生を
生きている。カオスな空間にそれぞれが
自身のストーリーを重ね書きしている。

ふと、当たり前のコトに触れた気がした。
特別ではない感情でもって、ラストシーンを
観ることができたので、
なぜだが特別な映画を観た気分である。

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