坂井 野々花

遅筆で候。稚拙でござい。 「二週間に一回更新‼️」の亀さんです。🐢

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最近の記事

【エッセイ】給料が入った時コンビニ【板橋ハウス】

 23歳、一人暮らし、フリーター。彼氏いない歴=年齢で、仲のいい友達もほぼみんな遠方。  そんな一行目から曇り空な文章を書く私には、まだまだ悩みがたくさんある。10年以上付き合いのある友達関係の難しさ。血が繋がっている両親との関係の難しさ。以前は好きだった接客業すら、だんだん嫌いになっていく毎日。将来の不安。劣等感。  10行ですら「凝縮した憂鬱」って感じなのに、まだまだ書き足りない。  書き足りないんだけども、これはあくまでも「好きなものを語る」ための前振りなので、この辺に

    • 【エッセイ】"えんさん"は「塩酸・袁傪」のどちら?①

       皆さんは"えんさん"と聞いて何を真っ先に思い浮かべますか。おそらく、大体の人は「塩酸」か「袁傪」のどちらかを挙げると思います。  「塩酸」といえば、理科の実験が懐かしいですよね。塩酸は電気分解などの実験でよく使われる一方、かなり危険な有毒物でもあります。私はそそっかしいので、学生時代、実験で塩酸を使う時なんかは、いつも、先生から「危険だから、気をつけて!!」と注意されていました。  それから、「袁傪」といえば、中島敦の『山月記』ですね。「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」により虎

      • 【小説】カフェオレ・トランクス。

         安藤優は21歳の会社員だ。彼は薬局の店長をしている。優が勤める店舗は駅の地下街にあり、開店は6時から、閉店は24時まで営業している。客層は駅にある薬局らしく、社会人や学生が多い。しかし、その中には当然、厄介な客もいる。酔っ払いのサラーリマンや、店員の目を盗んで万引きをする学生など、問題も多くあった。その上、この薬局の従業員は、優が店長として就任する前から働いているベテランの女性パートばかりいる。どのパートも仕事はできるが気難しく、優が少しでも気の弱い所を見せると、お小言どこ

        • 【エッセイ】風呂と蜘蛛と裸体の女。

           私は古い木造アパートの一階に住んでいる。当然、私の部屋には様々な虫がわんさか出てくる。もちろん、ゴキブリなんてのは当たり前で、雨の日にはナメクジが大量発生する。ある日、私が布団の上で寝っ転がっていた時、いやに「ひんやりして気持ちが良いな…。」と思いながら足をスリスリしていたら、なんと、その正体がナメクジだったことがある。その上、机に食べかけの羊羹を放置したまま寝てしまった時なんかは…蟻の大行列ができていた。翌朝目覚めて、そりゃ驚いた。なんてったって、机の程近く、自分が寝てい

          【小説】気にいらずの神社。

           幸田俊平は冴えない公務員である。銀行員であった父親からお古のスーツを貰い、それを大切に着込むような性根の男ではあったが、能力も、容姿も、性格も人並みで、可もなく不可もない。彼は大学を卒業後、地元の市役所に勤めることになり、今年で5年目である。上司からの評判は「真面目なやつさ。真面目すぎるくらいかな。悪いやつじゃないんだけどな、『今夜いっぱいどう?』って誘いたくなるほど、可愛いわけでもないんだよな。もう少し愛嬌があればな。」とのこと。後輩からは「幸田さん?あー、頼めば何でも助

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