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外国資産を持つ

円安が進み日本円の価値が下がっている今、外国資産を持つ事が重要視されています。少し前から外貨建て保険、海外株式が流行っていますが、更に外貨預金を始める人が急増しているようです。
ソニー銀行では1年もの定期預金が2.2%、新生銀行では4.0%です。日本とは比べ物にならない程の金利です。

外国資産には外国のお金で預金する外貨預金。
外国株式で運用する外国資産があります。また、その運用を利用した外貨建て保険が有名だと思います。


1.外貨預金 

今流行りの外貨預金ですが、日本円を外国通貨に交換して預金する事は皆さんご存知かと思います。
先程お伝えした通り、日本の銀行利率は0.001%なのに対して、米ドル1年もの定期預金は2.2%〜4%です。
100万円を預けた場合、日本では1年間で10円しか利息がつかないのに対し、外貨預金だと22,000円〜40,000円もの利息がつく事になります。
*実績には為替手数料がかかります。

これだけの差があると外貨預金が急増するのも納得できます。しかし、外国資産に関する商品は投資となりますので、高い金利ばかりに目を取られずリスクも考えることが大切です。

その1  為替手数料がかかる
為替手数料とは通貨を交換する際にかかる手数料です。例えば円からドル、ドルから円へと通貨を交換する度にかかります。
為替手数料はメガバンクでは1ドルに対し1円。
ネットバンクだと25銭から50銭が相場です。
また、円からドルに交換する場合は無料、ドルから円に交換する時だけかかる場合があり、銀行により様々です。

その2 為替の影響をうける
ニュースで流れている今日の円相場は1ドル○○円ですと言う為替は常に変動しています。例えばコロナが流行り始めた頃は1ドル105円位でした。
それが今は140円台です。これを計算してみます。
1ドル105円の時、10万円を預けた場合
100,000÷105=952ドルです。この952ドルを円安、ドル高の今円に交換するとこうなります。
952×140=133,280
どうでしょう?この2年ちょっとの間に3万円ものお金が増えています。

今現在140円の時10万円を預けた場合
100,000÷140=714ドルです。
円高になり120円になった時に円に戻すと 
714×120=85,680
預入時より払戻し時の方がドルが安くなっている為、15,000円程元本割れしています。
*実際には為替手数料がかかります。

その3  預金保険制度がない
日本の銀行の場合、もし経営破綻したとしても預金残高の1,000千万円までは保護されます。
しかし、外貨預金は保護対象外です。また、定期預金では満期になるまで払戻しは出来ませんので、必ず必要なお金ではなく、余剰資金で預金する事をおすすめします。

その4  高金利すぎる国に注意
金利を見ていると目につくのがブラジル、南アフリカなどの国です。一瞬目を引きますが、高金利すぎる国は経済がとても不安定です。預けたお金が急激に減ってしまう可能性もありますので、一般的な米ドルを選ぶことが良いとされています

外貨預金は金利が高く魅力的ですが、預け入れる時期と払い戻す時のタイミングが合わないと元本割れしてしまいます。また、為替の影響を受けますので、いくら金利が高くても為替差損によって円換算した時に元本割れしてしまう可能性もあります。

将来海外で暮らす、長期で留学するなど外貨を現地で使う予定がある場合は良いですが、外貨を資産として持つのは日本にいる限り要検討です。
とは言っても更に円安が進み1ドル160円、170円の時代が来るかもしれません。こればっかりは誰にも分かりませんので、始めるならリスクを考えつつも少額で長期的にやられると良いと思います。


2.外国株式

ここ数年iDeCoやNISAの後押しもあり、外国株式への人気は好調です。お金が増えにくい今、貯蓄より投資が注目を集めています。投資は怖いと言うイメージがまだまだ強い方もいると思いますが、内容を理解した上で始めれば資産が増える可能性が高いのが外国株式です。

外国株式と言うのは海外の会社に投資をし、お金を運用することです。投資をされた会社はその資金を元手に運営し、利益がでればその利益を投資してくれた人が受け取ることができます。資金が増える可能性もありますが、その反対に業績か悪化すれば資産が減ってしまうリスクが高いのが特徴です。

全世界株式と全米株式
今人気があるのはこの2つの株式だと思います。
全世界株式とは字の通り、世界全体に投資をすることです。一つの国だけに投資をしていると、もしその国の業績が悪化した時に預けた資産も減ってしまいます。しかし、全世界に投資をしていれば他の国がカバーしてくれるので、資産が減るリスクを抑える事ができます。

全米株式とはアメリカ1カ国に一本投資する事です。最近では株価は下落気味ですが、数年のデータからもアメリカの業績は上昇傾向です。
アップルやマイクロソフト、Amazon、Googleなど日本でもお馴染みの企業が上位を占めています。そして、それらの企業が入ったS&P500やVTIと言った商品が人気です。
S&P500は先程お伝えした企業を始めアメリカを代表する500社に、VTIはその500社を含め4,000ものアメリカを代表する会社に投資することができます。

アメリカに期待し、資産を大きく増やしたいなら
S&P500やVTIなどの米国株です。資産を分散しリスクを減らしたいのなら全世界株となります。
ただし、どちらも投資になりますので必ず資産が増える訳ではありません。その為できるだけ資産を増やせる可能性を高くする為に長期投資が薦められています。

経済は良い時もあれば悪い時もあります。しかし、これまでの傾向ですと上がり下がりしながらも上昇しつつありますので、長期運用する事で結果的に資産が増える可能性が高いと言われています。長期とは10年、15年以上と言われていますが、長ければ長い程運用による利益はでやすくなりますので、早いうちからコツコツ積み立てる事が良いとされています。


どこで買うの?

先程お伝えした全世界株式や米国株は証券会社、銀行、保険会社などで購入することができます。
各会社によって取り扱っている商品が違い、また商品の数もかなり多いのでどれが良いのか初心者にはまったく分かりません。しかし、上記の株式でおすすめの購入先は、楽天証券とSBI証券と推している方が殆どです。

理由は信託報酬手数料と言って、自分達の代わりに運用してくれる会社に支払う手数料が安い事です。特にeMAXIS Slimシリーズが有名です。
また、全世界、全米共に運用実績も良いので推奨されています。
楽天証券に関しては普段お買い物などでポイントを貯めている方にも便利で、ポイント加算やポイント運用などもあり人気です。どちらもwebから申し込む事ができ、運用実績や管理もスマートフォンからできます。

iDeCoや積み立てNISAを始める際、どちらかの証券会社からeMAXIS Slimシリーズの全世界株式又は全米株を選択肢として、検討してみるとよいでしょう。


3.外貨建て保険

資産運用の一つとして円建ての保険では金利が低い為、外貨建て保険が注目されるようになってきました。保険会社も利益が出ないので必死です。その外貨建て保険ですが一体どんな仕組みなのでしょうか?
保険会社はお客様から受け取った保険料を運用しその出た利益を保険金などに充てています。外貨建て保険はその運用を日本円ではなく、外貨に両替して運用している商品です。その為下記のような特徴があります。

為替手数料がかかる
日本円を外貨に交換し運用する為、為替手数料と言う交換手数料がかかります。解約したり、保険金など日本円で受け取る際にも外貨から日本円に交換する為、同じように手数料がかかります。
手数料の金額は保険会社によって異なる為、よく確認しておく事が必要です。

為替の影響を受ける
保険金を受け取る際、外貨のまま受け取るには問題ありませんが、日本円で受け取る際には注意が必要です。と言うのも預けた時の為替レートと、保険金を受け取る時のレートが違う場合があるからです。
例えば毎月1万円の保険料を払っていたとします。
現在140円だとして納めた保険料は10,000÷140で71ドルです。これが保険金を受け取る際120円だったとしたら71×140=8,520円です。
毎月納めている保険料は1万円と変わりませんが、為替の影響によってマイナスになってしまいます。また、逆にプラスに働く場合もありますので、受け取り時に幾ら保険金が貰えるかは不確定になります。

元本保証は日本円ではない
よく誤解される一つではあると思いますが、外貨建て保険は外貨で運用しているので、保証対象は日本円ではなく外貨になります。
例えば月10,000円を12ヶ月支払った時の保険料は120,000円です。これを現在のドル計算にすると120,000÷140=857ドルになります。この857ドルが元本保証となります。この857ドルを日本円でもらう時に1ドル150円になっていれば857×150=128,550円
1ドル130円になっていたら
857×130=111,410円になります。
元本は857ドルで保証されていますが、為替の影響を受けますので、日本円に換算すると利益がでる時もあれば損失がでてしまう場合もあります。
*実際には為替手数料がかかります。

支払い方法は2通り
外貨建て保険は毎月一定額支払う商品と変動する商品があります。例えば定額払いの場合、毎月の支払い額は10,000円で変わりありません。しかし、外貨は為替が変動しますので、140円の月は71ドル。130円の月は76ドルと外貨での保険料は毎月変わっていきます。
その逆に外貨での毎月の保険料は固定の商品があります。例えば外貨での保険料は毎月100ドルとします。日本円で保険料を支払う時に140円の月は14,000円。130円の月は13,000円と今度は日本円での保険料が変動していきます。

安い保険料で大きな保険金が準備できる
保険会社は高金利の外貨だと運用利回りがよく、保険金の資金を増やすことができます。その為、その分保険料を安く抑える事ができます。また、保険の契約者も安い保険料で高い保障を受ける事ができます。

生命保険料控除を受ける事ができる
外貨建て保険で支払った保険料は年間80,000円を超えた場合、年末調整や確定申告で最大40,000円の所得控除を受ける事ができます。

外貨建て保険は日本円よりも高金利の為、資産が増える可能性があります。しかし、為替の影響を受ける事がある為、余剰資金で始めることをおすすめします。特に教育費や老後資金など必要な時期が決まっている物には注意が必要です。その時期には必ずお金が必要なのに預けたお金が減っていたら、損失しているお金を切り崩して使わざるを得なくなります。
しかし、商品によっては相場が悪い時は外貨のまま保有できるものもありますので、相場がよくなるまで待つ事ができます。その際は損切りをする必要はなくなってきます。また、教育費のようにお金が必要な時期が決まっているものに対しては、相場がよくなるタイミングまで待つ事になりますので、ベースは日本円で準備しておく方が安心です。

また、途中解約する際には注意が必要です。
市場価格調整と言って、市場の金利が上昇した場合には解約返戻金が少なくなり、金利が下がった場合には解約返戻金が多くなる仕組みがあります。思っていた金額とは違うと言う事もありますので、解約をする際には確認してみて下さい。

最後に外貨建て保険は手数料が高めと言われています。運用を保険会社に任せる為、その手数料が上乗せされています。もし個人で運用できるのなら、iDeCoやNISAと言った制度をうまく使い自分で投資した方が手数料は安くすみます。また、運用益も手数料を安く抑えられる分多く受け取る事ができます。
保険はあくまでも保険で、何かあった時のお守りです。投資は投資で目的にあった商品選びをすることが望ましいとされています。




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