舞台「MASSARA」自分の色ってなんなんだろう

7MEN侍主演の舞台MASSARAを観てきました。

高校時代、仲の良かった6人。ケイの骨折入院をきっかけに久しぶりに病室で集まる。ケイが撮った写真を見ながら昔に思いを馳せる、と言った内容で、随所に舞台オリジナル曲や事務所の先輩曲を披露していました。

1回のみの観劇だったので、できればもう一回見たかったなあと思います。
何回か見ると違う感想になりそうなので。


今回、花道横の席に座っていたので、ケイ以外の5人が舞台に出てくる時に真横を通ったのでドキドキしました。
ダン役の琳寧くんの足が速すぎてびっくりしたのと、リョウタロウ役のこんぴがエリちゃんに会いに行くときのにまにまっとした笑顔が印象に残っています。非常に可愛かった。

特に大きな出来事が起こるわけではないんですが、見終わった後はじんわり楽しかったなあ、と思える舞台でした。
今回、ネタバレや考察を見た状態で行ってよかったです。多分初見じゃ気づかないままのことがたくさんある。
無所属のジュニアのことはあまりよく知らないんですけど、阿達くんのダンスが大勢の中でも目を引くのと、千井野くんの恫喝(めっちゃ怖い一軍男子感)が記憶に残りました。


色々な解釈があることとは思いますが、私は、ここで言われる「まっさら」とはまだ未成熟なこどもの状態で、困難に立ち向かって乗り越えることで人生が彩られていく、ということなのかなと感じました。

ダンの衣装だけ泥だらけになっていることになにか意味がある気がしていて、それは6人の中でいち早く働き始めて社会に揉まれ、理不尽なことも呑み込んでいちばん大人として生きているからなのかな、と。

ケイのベッドサイドに彩りを与えるのが、ダンが黄色い花を、タカが緑のドリンクを、リョウタロウが青のチラシを、カズトが赤いアルバムだったと思います。
ハルキだけなんの色も加えていなかったんですよね(私の勘違いかもしれませんが)。

「自分の色って何色なんだろう」と「俺には色がない」は、同じようなことなのかな。
もちろん全く同じではなくて、ハルキの場合は乗り越えるべき壁がなんなのかわからないまま、要領の良さでなんとなくうまくいってきた。
ケイの場合は、人生における困難が多くて、壁の前で途方に暮れている。
一見真逆に見えるんでしょうが、人生に対する納得感がないような。
ダンは進学を諦めて高卒就職せざるを得なかったこと。タカは初恋(多分)が盛大に破れたこと。リョウタロウは文化祭でみんなを説得して夢を叶えたこと(その後の挫折も)。カズトは親の期待と自分のやりたいことの葛藤。
それぞれ大なり小なりの壁を乗り越えているけど、ふたりにはそれがまだないのかな、と思いました。

ケイは5人のことが大好きで大切だけど、自分はみんなと違うんだ、みんなのほうがすごいんだ、という劣等感をずっと持っていたのかな。
困難を乗り越える4人を見て、みんなすごいな、俺には到底できないや…と立ちすくんだままの状態。

ハルキは、普通に就職して普通に結婚して普通の生活を送るのは嫌だ、と言っていた割には、やりたいことが見つからないままなんとなく普通の人生のレールに乗ってしまっているし、だからといって夢もやりたいことも見つからない。


別にそれは悪いことではなくて、23歳ってまだまだ人生の序盤も序盤だし、絶望するには若すぎるよ。
もっと楽しいことも、もっと苦しいこともあるし、年齢を重ねることで価値観がひっくり返ることもあるし、とりあえずなんとなくでもいいから生きてこう、ね?

どうやら最初の心電図とラストのタイマー音は同じらしい、というSNSで目にしました。
初見で、黒スーツに黒ネクタイって喪服っぽいなあと感じていたので、ケイはもしかして…?!と一瞬頭をよぎりました。ですが、多分それはないだろうなと思いました。
観る人によって解釈が別れる(ハピエン、バドエン)ように意図してあるのかな、と。
パンフレットも読みましたが、みんなそんな感じで演じていない気がするし、後輩に継承していく(予定の)舞台で、そんな救いようの無いことしないんじゃないかなあ。